アングレームにはヨーロッパをはじめ世界各地から専門家が現地を訪れる。なかでも2016年は、日本から招かれる公式ゲストの大友克洋が話題だ。大友克洋は2015年に第42回アングレーム国際漫画祭フェスティバルで最優秀賞を受賞したばかり、今回は現地で講演するほか、期間中は大友克洋をテーマにした展覧会や上映会も開催される。こうした厚遇は、フランスと世界での大友克洋の評価の高さの表れと言っていいだろう。また大友克洋は、2016年第43回の公式ポスターのイラストも手掛けている。
アングレームでは、バンドデシネ、マンガ、コミックスをテーマにした展覧会、講演、サイン会、パフォーマンス、ビジネス見本市など様々なイベントが実施される。なかでもフェスティバルの目玉となるのが、公式セレクションの選出と、その中からの決定する各賞だ。
セレクションから審査員がさらに特に優れた作品として受賞作を選ぶ。2016年は公式セレクション40作品、ユース部門10作品、遺産部門7作品、スリラー部門(Polar SNCF)5作品が発表されている。
公式セレクションには、今年も日本から4作品が選ばれた。アニメ化も話題になった桜井画門の『亜人』、2013年に文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞も受賞した望月ミネタロウの『ちいさこべえ』、浅野いにおが思春期の性を描いた『うみべの女の子』、そして3億円事件をモチーフに描いた『アンラッキーヤングメン』(原作:大塚英志 漫画:藤原カムイ)である。絵の巧みさに加えて、深い人間ドラマ、文学性を重視するアングレームらしいチョイスだ。
公式セレクションからは最優秀作品賞、審査員賞、シリーズ賞、新人賞の4つの賞が選出される。一般投票によって決まる観客賞の対象もここからだ。
さらに若者世代向けの作品を集めたユースセレクションには、大今良時の『聲の形』が10作品のひとつになった。日本でも劇場アニメ化決定した話題作だが、敢えて若者向けとしてセレクトしたアングレームの評価は気になるところだ。
遺産部門も見逃せない。歴史の残すべき名作を広い時代から選ぶこの賞は、7作品のうち2作品が日本の作家である。2015年に逝去した辰巳ヨシヒロのフランス語版アンソロジー『Cette vill e te tuera』、楳図かずおのフランス語版アンソロジー『La Maison aux insects』が並んでいる。いずれも国境を越えるパワーを持った作家だけに結果にも期待がかかる。
スリラー部門には、『クロコーチ』(漫画:コウノコウジ 原作:長崎尚志)が5作品の1作品に選ばれている。こちらはフランスの国鉄SNCFがスパンサードする賞で、ミステリー・サスペンス作品を選考する。
全体で4部門8作品が日本からノミネートされた。昨年の10作品よりは少ないが、依然、日本のマンガがフランスで受け入れられていることを感じさせる。
各賞は1月30日に発表される。日本の作品も勿論だが、フランスをはじめとする各国のノミネート作品にも注目したい。いずれも今回挙げられた日本作品と同様に優れた作品であるからだ。
[アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載]
アングレーム国際漫画賞で「亜人」「ちいさこべえ」など候補に 大友克洋ゲストに特集企画
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