
現実世界がどんなに虚無でもゲームの中では勇者になれる…。そんな現実逃避をテーマにした『ゲームの中では傍若無人』。自分の腕のせいか、察しの悪さのせいか、思い通りの傍若無人ができず悶々とした日々を送っておりますが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか?
さて、そんな現実逃避がちな筆者がチョイスしたのは12月9日よりニンテンドーeショップで配信が始まったWii U『ニヒラブラ』。ざっくり説明すると地面や壁にさまざまな効果が生まれる「色」を塗ってステージを攻略するパズルアクションゲーム。Wii UのGamePadに直接描けるので相性もばっちり!色と色の組み合わせによるパズル要素も歯ごたえがあります。
本作の主人公は虚無から生まれた小さい存在…って、この時点ですでに傍若無人できる気がしない。だけど心配ご無用。どこからともなく「語り部」が主人公を誘導してくれます。本作は英語圏の作品ですがローカライズされテキストも読み上げ音声も日本語仕様。しかも語り部はイケメンボイス。これはやる気がでます!

この語り部、虚無から飛び出したばかりの主人公に対する序盤の当たりがキツイ。例えば「水色」を使う時。「水色」は地面に塗ると物が滑るようになるので、素早く動いたり重いものを動かしたりする時に役立つのですが、直接的な助言を与えるのではなく、「君は素早さが足りない」「力も足りない」とものすごく間接的な助言をするのです。なんだか現実の自分が罵られている気分…イケメンボイスのスパルタ教育が辛い。
しかも「本当に外に出てもいいの?」「なぜそんなに努力するの?」と主人公の決意を惑わすような発言もちらほら。助言したいのか陥れたいのかわからない。それもこれも虚無から抜け出すための試練なのか…!?
そんな語り部も中盤~終盤になると「君はもうちっぽけな存在じゃない」と手のひら返し。序盤で厳しいことを言われたから嬉しさが通常の5割増し。この飴と鞭が癖になって何度も何度もプレイしてしまう…もしかしてモラハラ夫から抜け出せない女性ってこんな気分なの!?
ホンネ君「虚無から生まれた主人公ですら学習していくというのに… 」 はい、その通り…
Wii U『ニヒラブラ』はニンテンドーeショップにて1,000円(税込)で配信中。

みかめ ゆきよみ
ゲーム好き、日本史好きの漫画家兼フリーライター。ゲームはジャンル問わず下手の横好きでなんにでも手を出す。歴史マンガ、コラム、イラストなど雑多に活動中。
(C) BEAUTIFUN GAMES S.L.