日本マンガの市場は2007年の2億ドル超を頂点に、5年連続で縮小してきた。市場の反転は6年ぶりだ。ICv2は講談社USAが発売する『進撃の巨人』が全体を牽引したという。
またICv2は、2013年の電子書籍を含めた北米のコミックス、グラフィックノベル、マンガの市場を8億7000万ドルと算出している。マンガは北米市場の全体の8%程度となる。
すでに昨年より日本マンガ市場の縮小は反転したとの指摘は多かったが、ICv2の調査発表はそれを裏付けしたかたちだ。そして市場反転は、日本のマンガ出版社、現地の日本マンガの翻訳出版社には朗報となる。市場が安定し、あるいは伸長するとなれば新たな戦略も立てやすい。
それでも2013年の伸び率は前年比の8%増に過ぎない。7000万ドルは過去最大であった2007年の市場規模2億ドル超の1/3にあたる。北米のマンガ関係者には、現地における日本マンガの人気はかつてなく高まっていると指摘する声もあるだけにまだまだ不十分だ。
そうした日本マンガへのニーズを違法配信サイトが吸収していることは多くの人が指摘するところである。違法ファイルの氾濫が正規コンテンツの利用を奪っているとの認識だ。
一方で、日本のテレビ放送の同日配信が広く普及しているアニメに比べて、マンガ作品については英語での正規配信が遅れている。ユーザー側が、これが海賊版を利用する理由と主張することもある。こうした声を受けて、2013年以降、これまでアニメ配信をしてきたクランチロールが日本マンガの配信を進めている。翻訳マンガ出版大手のVIZ Mediaも、Amazon.comに買収された電子コミックス配信プラットフォームの最大手comiXologyでの配信を開始している。これまで以上に正規配信のネットワークを拡大する。
市場の反転に、正規配信ネットワークの構築、北米での日本マンガビジネスは転機を迎えているといえるだろう。
[数土直志]
北米の日本マンガ売上が6年ぶりに反転 2013年の売上高80億円弱 ICv2が報告
《数土直志》編集部おすすめの記事
その他 アクセスランキング
-
最新映像やキャラ、MSも解禁!映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女」2026年1月30日公開決定
-
カシオ計算機は “兼業VTuberの大変さ”を知っている。「頑張っているストリーマーの手助けをしたい」という思いから生まれた「Streamer Times」について、開発チームの3人にインタビュー
-
葛葉、月ノ美兎ら8名が浴衣姿で“ととのう”!「にじさんじ」×「極楽湯・RAKU SPA」コラボが開催ーグッズ販売やお風呂、店舗装飾を実施
-
「ハッピーセット」問題で見送られた「ONE PIECEカードゲーム」配布方法が発表ーバンダイと協議の結果、マクドナルド店舗では実施せず
-
「ガンダム ジークアクス」待望のBlu-ray・DVD発売決定!新規収録のドラマCD封入、特典のみの「ディスクレスパッケージ」も用意
-
【特集】行く手を阻む敵は斬り伏せる!『Ghost of Yōtei』や「無双」シリーズ最新作など、爽快感抜群な剣戟アクションタイトル5選
-
『Ghost of Tsushima』“真のヒロイン”は誰だったのか? 境井仁のモテぶりを振り返る─命の恩人から幼なじみまで
-
「全世界“ガンダム”総選挙2025」開催!第1位の機体は新規描き下ろしイラストを制作
-
『真・女神転生V』“美人&美少女”悪魔のオンパレード! お預け小悪魔からチラ見せ美女までお届け【フォトレポ】
-
『FE 風花雪月』最推しコンビorカップリング投票結果発表─第3位の“ヒルマリ”を制した第2位、第1位は…!