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ブシロード社長が語る『劇場版 カードファイト!! ヴァンガード』とは…木谷高明氏インタビュー

『カードファイト!! ヴァンガード』が劇場映画となる。アニメ版と実写版の2本立てで9月13日(土)から全国公開だ。『カードファイト!! ヴァンガード』を世界に送り出すブシロードの木谷高明代表取締役社長にゲームの誕生、映画のみどころについて伺った。

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ブシロード社長が語る『劇場版 カードファイト!! ヴァンガード』の見どころ 木谷高明氏インタビュー
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トレーディングカードの世界累計出荷枚数が10億枚以上というスーパーコンテンツ『カードファイト!! ヴァンガード』が劇場映画となる。しかもアニメ版と実写版の2本立てで、9月13日(土)から全国公開だ。
いまや日本だけでなく、世界で人気を集める『カードファイト!! ヴァンガード』、それを世界に送り出すブシロードの木谷高明代表取締役社長に、『カードファイト!! ヴァンガード』の誕生について、そして映画のみどころについて伺った。

『劇場版カードファイト!! ヴァンガード』
2014年9月3日(土ROADSHOW
http://vanguard-movie.com/

■ 「これが失敗したら会社がやばいぞ」、それが成功の秘訣

アニメ!アニメ!(以下AA)
まず『カードファイト!! ヴァンガード』について教えていただけますか。お子様たちが見る作品でもあるので、名前は知っているけれども詳しく知らないかたもおられるかもしれません。

木谷高明社長(以下木谷)
ヴァンガードは2011年1月から発売を開始した弊社オリジナルのトレーディングカードゲームです。
日本だけでなくアジアやアメリカを中心とした世界中で展開、2013年12月でシリーズ累計出荷枚数10億枚を突破しました。
コミック、TVアニメ、ビデオゲームやスマートフォンアプリなど、玩具の分野にとどまらず、たくさんのお客様に支持いただいています。

ヴァンガードのファンは、確かに子供も多いんですけども、メインは高校生ぐらいです。スタートしてから3年以上経っているので、ヴァンガードが始まった時に小学校6年生だった人は高校生になっています。それを含めて高校生がかなり多いというのもあるんです。
ファン層としては、小学生から大学生ぐらいまで幅広くて、実はその20%~25%ぐらいが女性ファンです。おそらくカードゲームの中で一番女性ファンが多いのがヴァンガードだと思います。

AA
ヴァンガードの企画は、もともとどう誕生したのですか?

木谷
誕生のきっかけは、僕が最初に子供向けのカードゲームを作りたいなと思ったことです。原作の伊藤彰先生に企画のご相談をするところから始めました。
伊藤先生は車が好きだったり、カードゲームもマジックとかホビー的なものの知識が豊富で、とても造詣が深い方なんです。世界観の構築やキャラクターを作るのも非常に上手な人です。ホビー作品の原作者としてはうってつけの人物だと思いました。

AA
子供向けのカードゲーム市場への参入は、とてもハードルが高いといわれていますが、実際はいかがでしょうか?

木谷
確かに子供向けは参入が非常にむずかしいすね。当社は最初、ヴァイスシュヴァルツという10代後半~がメインターゲットのカードゲームを出し、そのあとにもターゲットがはっきりわかっているカードゲームをいくつか出しました。そしてその後のヴァンガードでより広く世に出ました。最初のままだったら今の売上げになってないと思いますし、他社様の版権を借りて商品を作っている会社、というイメージだったと思うんです。
ヴァンガードがうまく行ったから、自社オリジナルコンテンツを作り出して、カードゲームを中心に展開し、それを横に広げ、さらに海外にも展開できる会社になったと思うんです。ですからヴァンガードがなければ、シンガポールの現地法人は無かったわけです。

AA
競争が厳しいなかで大成功を収めたわけですが、成功の秘訣はどこにあったのですか。

木谷
ヴァンガードを立ち上げた時の僕とかブシロードには崖っぷち感がありました。「これが失敗したら会社がやばいぞ」って(笑)。それがよかったんだと思いますよ。


『劇場版カードファイト!! ヴァンガード』
(C)劇場版ヴァンガード製作委員会

■ 映画は到達点じゃなくて通過点

AA
ヴァンガードが子供に愛される理由はどこにあるのでしょうか?

木谷
ひとつはカードゲームのゲーム性があります。それまであった子供向けのカードゲームとはルールが違うんです。もうひとつは、プレイヤーがよりリアリティを感じられる世界観を作り出したことだと思います。
たとえばカードゲームショップが、作中に初めて登場したのはヴァンガードなんです。
実際に自分たちが行くようなカードゲームショップがアニメの中にも登場する。キャラクターたちのいる世界をより身近に感じるわけですね。
カードゲームショップはお客さんに大会を開いてくれたりとか、インフラ部分をやってくれてるんです。
ずっとカードゲームを育ててくれたショップに対してリスペクトが表現できればと思い、作品の中にショップを登場させたのですが、作品の方も子供たちに愛されるようになりとてもうれしく思っています。

AA
最初はゲームとコミックとテレビアニメの同時で展開して行きました。今回は映画になります。映画はひとつの目標だったと考えてもいいですか。

木谷
目標でしたね。目標でしたけども、映画をやると目標達成感が出ちゃうんです。なので今回の映画は到達点じゃなくて通過点にしなければいけないなと思っています。


AA
ヴァンガードはいま海外にすごい勢いで出ています。たとえば今回の映画を海外で公開するということは、視野に入っているのでしょうか。

木谷
ぜひやりたいですよね。現時点では具体的な計画はないですけど、やりたいです。ヴァンガードは東南アジア、アジア、アメリカをはじめ海外でも人気がありますからね。

AA
実際どのくらい人気があるのですか?

木谷
言葉で説明するのは非常に難しいですね。カードの出荷ベースで行くと、英語版で14億円ぐらいですね。アメリカだけで、たぶん7億円から8億円分を出荷しています。
海外市場は国内の4分の1ぐらいの規模にはなっているんです。国内分の売上の中には、実は東アジアで売れている分もあります。東アジアでは英語版でなく日本語版のシェアの方が大きいんです。日本語版は、香港とかでも人気があるんですよ。
ヴァンガードの海外市場は、国の数で行くと40ヶ国です。大会をやっている国は、日本語版と英語版含めて18ヵ国から20ヵ国といったところです。

AA
アイチと櫂はとても魅力的なキャラクターなのですが、これは世界共通で魅力的なのですか?

木谷
いや、それはわからないですね。地域によって魅力を感じるところも違うと思うんですよ。
少し話は変わります、地域性というところでおもしろかったのが、2期シリーズのサーキット編で、シンガポールのマーライオン風のモニュメントを登場させたんです。その映像をマレーシアやシンガポールで流したら、「お~っ」となり、大変盛り上がったんです。
やっぱり好きな作品の中で、自分たちの国のことを描いてくれると、みんな楽しいんじゃないですか。今の4期もキャラクターたちが南米とかヨーロッパで活躍したという設定になっています。明確な国にはしてないんですけども、きっと南米やヨーロッパのファンの方に喜んでいただけると思います。


『劇場版カードファイト!! ヴァンガード』
(C)劇場版ヴァンガード製作委員会

■ 映画はアイチと櫂の物語、伊吹が楽しみ

AA
今回、映画の中でここは見所といったシーンはありますか?

木谷
映画はアイチと櫂の物語です。あとはコミックの中でだけ出ていた伊吹というキャラクターが、初めて映像化されます。これがやっぱり楽しみです。だからこの2点ですかね。

AA
アイチと櫂のタッグや、伊吹の登場は今回の映画までためてたんですか?今まで出なかったのがちょっと不思議な気もします。

木谷
確かにそうですね。チームは組んでいたけど、タッグを組むのは初めてですね。ただ、それは単なる偶然だと思います。アイチと櫂は、同じチームでは戦っていましたから。伊吹については最初は意識していなかったんですが、途中から意識的に出すタイミングを待っていたかもしれません。

AA
すると良いタイミングだったということですね。

木谷
そうですね。


AA
アニメ作品の映画化に、今回あえて実写を入れたのはどうしてですか?

木谷
世間一般に広がるヴァンガードのイメージは、実写のCMで作られた部分がとてもて大きいと思うんからです。また、実写映像を入れることで、プロジェクトのスケール感を出すのにも成功したと思うんですよ。一度実写ドラマを作ったとき好評だったので、その続編的な意味合いで実写版を作りました。とても面白くでき上がったと思います。

AA
今回の実写版『劇場版 カードファイト!! ヴァンガード 3つのゲーム』ではDAIGOさんが主人公で、大人でありつつヴァンガードで戦います。とても面白いなと、普通であればそこは中高生で同じ目線にすると思うんです

木谷
DAIGOさんは、子供から大人、お年寄りまで、非常に知名度もあり愛されるキャラクターを持っていらっしゃるんですよ。ですからDAIGOさんだったら子供目線をもってとても上手に役をこなして下さるんじゃないかなと思って。他の人だとなかなか難しいですよね。大人でありながら、子供の目線も兼ね備えたタレントさんはなかなかいないと思います。だからといって子供ぽいというわけではなくて、子供や女性からは恰好いいなと思われたり、上の年代の方からは可愛いなと思われたり、幅広い世代に愛される魅力をもっているんだと思うんです。

AA
アニメと実写と見所はそれぞれ異なると思いますが。

木谷
拳を握りしめつつ熱くなって見るのがアニメで、肩の力を抜いて少し笑いながらみれるのが実写かなと思います。実写も少しサスペンスっぽい作りになっているのですが、DAIGOさんが出て来ることで少しギャグテイストが入るんですね。
色々な魅力やテイストがつまっているので、ヴァンガードのファンだけでなく、色々な方に見に来て頂きたいですね。お友達を誘いやすい映画になっていると思います。
ぜひ、ご期待ください!

AA
本日はありがとうございました。  

『劇場版カードファイト!! ヴァンガード』
2014年9月3日(土ROADSHOW
http://vanguard-movie.com/


『劇場版カードファイト!! ヴァンガード』
(C)劇場版ヴァンガード製作委員会

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