人生にゲームをプラスするメディア

【GDC 2014】PS4で盛り上がる北米インディデベロッパーたち。ミドルウェアの使い勝手を本音でトーク

SCEは「Panel on Indie Development Solutions for PlayStation 4」と題したセッションを行い、インディゲーム開発者の生の声を伝えました。

ソニー PS4
【GDC 2014】PS4で盛り上がる北米インディデベロッパーたち。ミドルウェアの使い勝手を本音でトーク
  • 【GDC 2014】PS4で盛り上がる北米インディデベロッパーたち。ミドルウェアの使い勝手を本音でトーク
  • 【GDC 2014】PS4で盛り上がる北米インディデベロッパーたち。ミドルウェアの使い勝手を本音でトーク
  • 【GDC 2014】PS4で盛り上がる北米インディデベロッパーたち。ミドルウェアの使い勝手を本音でトーク
  • 【GDC 2014】PS4で盛り上がる北米インディデベロッパーたち。ミドルウェアの使い勝手を本音でトーク
  • 【GDC 2014】PS4で盛り上がる北米インディデベロッパーたち。ミドルウェアの使い勝手を本音でトーク
  • 【GDC 2014】PS4で盛り上がる北米インディデベロッパーたち。ミドルウェアの使い勝手を本音でトーク
  • 【GDC 2014】PS4で盛り上がる北米インディデベロッパーたち。ミドルウェアの使い勝手を本音でトーク
  • 【GDC 2014】PS4で盛り上がる北米インディデベロッパーたち。ミドルウェアの使い勝手を本音でトーク
SCEのインディーズ支援といえば、日本ではプレイステーション・モバイルが一般的ですが、北米では一足早くPS4向けのインディーズ開発支援が展開中です。その名も「PlayStation Self-Publishing」。GDCで3月19日(現地時間)、SCEは「Panel on Indie Development Solutions for PlayStation 4」と題したセッションを行い、インディゲーム開発者の生の声を伝えました。

セッションはSCEAの担当者による北米の現状報告から始まりました。それによると

・インディデベロッパーは価格と発売日を自由に設定できる
・ライセンス費用は無料
・審査はオンライン上で完結
・開発キットのローン対応
・PlayStation Blogでのダイレクトマーケティング
・ミドルウェアの無償提供
・デジタル配信でESRBレーティングを無料で取得でき、EU圏に向けてPEGIレーティングも申請できる

が実施中です。これに伴い、すでに14タイトルが配信済みで、100以上のタイトルが開発中です。

あわせて同社はプレスリリースで「GameMaker:Studio」(YoYo Games)、「MonoGame」(SCE)の無償提供を発表しました。あわせて「Unity」(ユニティ・テクノロジーズ)のPS4向けEarly Access Versionも、2014年4月より提供が開始されます。SCEワールドワイド・スタジオが開発した「Authoring Tools Framework」も、GitHubのウェブサイト上で無料提供されます。このフレームワークはグラフィック描画ツールの「PhyreEngine」などと組み合わせて使用することも可能です。文字通り、一昔前からすれば夢のような状況が到来したのです。

もっとも、プレスリリースの内容を鵜呑みにすると痛い目に遭うというのは、多くのゲーム開発者が学んだ「真理」でしょう。そこで後半では

・アメリカ西部開拓時代を舞台にしたアクションゲーム『Secret Ponchos』(Switchblade Monkeys Entertainment)
・日本のアニメ風演出が楽しいシューティング『宇宙戦士ガラク』(17-BIT)
・2Dドットビジュアルの対戦型アクションゲーム『TowerFall』(Sickhead Games)

の面々が壇上に上がり、実際にこれらのミドルウェアを用いてどうだったか、教訓をシェアしました。

『Secret Ponchos』の開発ではPhyreEngineが使用されました。PhyreEngineはオープンソースで提供されているため、ライティング用ミドルウェアの「Enlighten」や、自社で追加実装したレンダリング機能などと組み合わせるのに都合が良かったとのこと。ソースコードをC#からC++にコンバートするのもスムーズに行えました。アニメーションツールで作り直しが発生したものもありましたが、総じて負荷は少なかったとのこと。なによりSCEAのサポートチームが非常に親切で、驚いたそうです。

『宇宙戦士ガラク』はUnity上で開発されていましたが、当時はまだUnity for PS4はクロースドβ版でした。そのため隔週でバージョンアップしていき、そのたびに新機能が実装されるような状況だったそうです。フレームレートも当初は最大15FPSで、シェーダーもまともに動きませんでしたが、最終的に最大60FPS、最低でも20FPSが確保されるまでになりました。AOT(Ahead-of-Time)コンパイルやシェーダーで苦労した点もありましたが、SCEAのサポートも手伝って完成にこぎつけたとのこと。

最後に『TowerFall』のPS4向け移植の事例について紹介されました。同作はもともとXNA上で、C#で開発されたタイトルで、すでにOuyaとPC向けにリリース済み。これをPS4向けに移植する上で、MonoEngineが使用されました。本ツールはもともと、.NETの資産をクロスプラットフォームで動かすためのオープンソースプロジェクトで、PS4対応でSCEの協力を得たとのこと。移植にはプログラマー2人で8週間が費やされました。移植作業でバグは少なく、パフォーマンスも良好だったそうです。

これらの事例でも国内のインディにとっては、『TowerFall』の事例が参考になりそうです。PC向けのゲーム開発でXNAが多く使用されてきたため、MonoEngineをSCEがサポートすることで、移植の敷居が下がるからです。SCEジャパンアジアの担当者によると、日本語サポートなども精力的に進めていきたいとのことで、期待が持てそうです。

なお、Q&Aではアメリカのインディは北米だけでなく、ワールドワイドに向けた配信もクリック一つでできるそうです(実際に『Secret Ponchos』は国内のPS公式サイトでも配信予定となっています)。もっとも、日本ではアメリカほど環境が整備されているとはいえません。PlayStationMobileとの関係なども気になるところです。しかしPS4でもPS Vitaでも、作りたいハードで自由に作れるようになるのが望ましいはず。SCEの展開に期待しましょう。
《小野憲史》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

ソニー アクセスランキング

  1. テトリスがちょっぴり苦手な『ぷよテト2』プレイヤー向け、テトリス基礎知識!覚えるだけで序盤の動きがグッとレベルアップするぞ

    テトリスがちょっぴり苦手な『ぷよテト2』プレイヤー向け、テトリス基礎知識!覚えるだけで序盤の動きがグッとレベルアップするぞ

  2. 『ELDEN RING』覗けるのは「フィアのパンツ」だけじゃない―さらに「下乳」と「お尻」も見てみた

    『ELDEN RING』覗けるのは「フィアのパンツ」だけじゃない―さらに「下乳」と「お尻」も見てみた

  3. 『Ghost of Tsushima』腰を抜かして逃げ出すのも仕方ない? 蒙古兵目線で境井仁の恐ろしさを考えてみる【ネタバレあり】

    『Ghost of Tsushima』腰を抜かして逃げ出すのも仕方ない? 蒙古兵目線で境井仁の恐ろしさを考えてみる【ネタバレあり】

  4. 『Ghost of Tsushima』冥人奇譚で“境井仁の凄さ”を痛感した話―最強の冥人は間違いなくこの男

  5. 『真・三國無双7 猛将伝』店舗別特典は女性武将たちの「チャイナドレス」ダウンロードコードに決定

  6. 『サイバーパンク2077』の「SFメシ」が気になる! ナイトシティでは何が食べられているのか?

  7. 『ガンダムブレイカー3』登場キャラ一挙公開!キャストに杉田智和、石川界人、阿澄佳奈、鈴木達央など

  8. 『ELDEN RING』最序盤からルーン稼ぎに使える4つの場所!王への道は一日にしてならず

  9. 『ELDEN RING』挫折する前にチェック!初心者は意外と知らない5つの必須知識

  10. 『ギルティギア ストライヴ』でテスタメントが“色気マシマシ”に大変身!?人気モデル・栗原類も反応

アクセスランキングをもっと見る