『Ski Safari』はオーストラリア・ブリスベンにある僅か2人で運営されているインディーデベロッパーHQ Down-Underによって開発・販売されたゲーム。2012年2月28日にリリースされ、当初はプレミアム(有料)での提供で、オーストラリアで1位を獲得するなどヒットを記録しました。多言語対応も行われ、International版として中国でも提供されました。しかし、3万5000ダウンロードと奮わなかったそうです。
しかし、Yodo1との提携で中国向けのローカライズが行われ、状況が一変していきます。
Fong氏は中国市場のキーポイントとして「F2Pが王様」「LiveOps(運営)が重要」「ローカライズではなくカルチャライズ」「マネタイズ=ディストリビューション」「アナライズ(分析)」を挙げました。Yodo1はこうした点を『Ski Safari』に取り入れていくことで、現在では日商が1億円を超えるタイトルにまで成長したそうです。大枠では、ゲームをプレミアムモデルからF2Pモデル(アイテム課金+広告)に変更し、広告やSNSは中国での有力プロバイダーとの連携に変更。販売施策では500以上も存在すると言われるアプリストアの中の有力ストアとの連携を深めていきます。こうした施策の結果、International版から切り替えた最初の中国版で650万ダウンロード、日商1351ドルまで届くことができたといいます。
Yodo1は独自の施策を次々に投入します。最初の大きなアップデートでは、マップ、敵、アバター、アイテムなどを中国向けに用意。これにより1550万ダウンロード、日商4200ドルと大幅に伸びることができました。さらに2番めのアップデートでは中国で誰もが知る物語「Jorney to the West」(西遊記)をテーマにコンテンツを追加。その結果、現在では7000万ダウンロード、日商14500ドルにまで拡大しています。
最後にFong氏は中国市場の現状を振り返ると共に、その今後の展望も明らかにしました。現在中国では500以上のアプリストアがある中でトップ25が70%のシェアを握っています。玉石混交の状況は今後も変わりそうにありませんが、YouKuやAlibabaなど有力な新規参入も相次いでいて、どのストアが重要か?というのは目が離せません。決済は現在はキャリア決済が圧倒的ですが、Alipayなどの独自決済ややWeChatなどのメッセンジャーアプリの決済も存在感を見せているといいます。プラットフォームも世界一の市場となっているWindows Phoneや、低価格路線で攻めるFirefox OSなどが強くなっていく可能性があります。そして日本と同様にWeChat、LINEなどのメッセンジャーアプリが存在感を増していて、カジュアルゲームが強さを見せているということです。
F2Pモデルに転換し、中国市場に合わせたカルチャライズで、当初の210倍以上の収益力を得た『Ski Safari』。今後はSNSとの連携を強化し、更にソーシャルなゲームとして強化を図っていくといいます。毎月3000万台の新しいスマートフォンが導入されるなど今だに強い成長を続けている中国市場。「他の国とは全く異なる市場である」という言葉通り、様々な作法が異なる国でもあります。本講演はそれを浮き彫りにしながらも、やり方次第では大きな可能性がある事を明らかにしたと言えそうです。
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