本講演は過去にフェイスブックが述べてきた構想を具体的に示すもので、フェイスブックのプラットフォームをその他のモバイルプラットフォーム(iOS/Android)との連携を行うことで、どのようにレバレッジを効かせていくことが出来るか、というものです。
今回の発表に際してはフェイスブックが独自に3カ月間、100タイトル以上に渡る調査を行い、特定のゲームコンテンツをシングルプラットフォームで展開した場合と、クロスプラットフォームで展開した場合のケースを比較したデータが用いられました。この結果によるとシングルプラットフォームよりもクロスプラットフォームで展開した場合のほうが収益が約33%向上。クロスプラットフォームでゲームコンテンツを展開することは「収益化の促進と、ゲーム展開におけるエコシステムである」というプレゼンテーションとなりました。逆の結果としてモバイルゲームのみで展開した場合は比較した場合8%のマイナスになることが分かったとのこと。
このクロスプラットフォーム展開に際してはフェイスブック側で、ログイン機能、招待機能、リクエスト機能、バックエンド機能など必要SDKをすべて準備しているとのこと。開発環境は"Parse(パース)"と呼ばれるUnityベースのクラウド型のアプリケーションプログラムだそうです。
ブラディ氏は「すでにFacebookには全世界で12億人のユーザーが登録しており、非常に大きなプラットフォームになっています。このプラットフォームで、"遊びつくしてもらう"ことが目的なのです(発表されたオリジナルソースは"Play more and Play more"という積極的なコメントです。また、"人々は常に、どこからでもコネクトしたいという欲求がある"というもので、そのためにゲームなどのコンテンツもクロスプラットフォーム化するべきである)ということです。
プレゼンテーションのなかで、特に印象に残ったのは“CANVAS”(キャンバス)というワードです。このキャンバスという言葉は日本ではあまりなじみが無いと思います。チェックしたところHTML5の要素でブラウザー上で絵を描くために使用するものです。(私はその専門用語を知りませんでした)しかし、ブラディ氏はキャンバスとはPC上などでプレイするブラウザプラットフォームのゲームのことを指す言葉として使っていました。つまりモバイルゲームに対してキャンバスゲームという表現になるようですが、日本でそのような言葉が使われるようになるかどうか気になります。
キーワードは「全世界で12億人」、「クロスプラットフォームは勝利の方程式」、「人々は、いつでもどこでもコネクトしていたい」というフェイスブックの構想ですがジンガなどのFacebook依存型ブラウザー系ゲームが沈静化した現在、再度、Facebookのゲーム展開の可能性の訴求するための良きセッションになったと思います。果してより現実的な促進が行われるかどうかの可能性に注目してみたいと思います。
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