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【BitSummit 14】ソニーとMicorosoftがそれぞれ取るインディーゲームへのスタンス、国内での展開は?

デベロッパーにとっては大きな市場を持つプラットフォームにてゲームを展開することは大きなチャンスであり、その選択は重要です。先週末に京都みやこメッセで開催された基調講演にて、両社がそれぞれのインディーに対するスタンスや成果を改めて報告しました。

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PlayStation 4とXbox Oneが昨年発表されて以降、前世代機よりもインディーゲームを後押しするシステムやプログラムを展開しているソニーMicrosoft。デベロッパーにとっては大きな市場を持つプラットフォームにてゲームを展開することは大きなチャンスであり、その選択は重要です。先週末に京都みやこメッセで開催された基調講演にて、両社がそれぞれのインディーに対するスタンスや成果を改めて報告しました。

■ソニー: Unityの対応による多種多様なプラットフォーム展開

ソニーの基調講演にて登場したのはSCEJAの多田浩二氏。PlayStationとインディーの関係について語り始めた多田氏は、昨年11月に北米で、また国内でも今年2月22日にリリースされたPlayStation 4にて、クリエイター達から大きな指示を得て非常に数多くのタイトルが開発されているとコメント。中でもインディーゲームの勢いは凄く、数多くのタイトルがリリースされてきたとアピールしました。

「Why Indies?(なぜインディーか?)」と自らに問いかけた多田氏は、ゲーム機のスペックとテクノロジーが進化するにつれて非常にスケールの大きなトリプルAタイトルが作れるようになってきたと発言。一方で実験的で斬新な新しいジャンルがなかなか生まれにくくなってきている。そういう状況の中、大きな資本に属さず自分たちの好きなものを作るというインディーゲームは、重要な役割を担っているのではないかと指摘しています。

またパッケージゲームが主流の時代にはインディーゲームは認知度はまださほど高くなかったものの、ネットワークの普及により現在はパブリッシャーを介してパッケージ化せずともセルフパブリッシングでの流通が可能に。さらにその中からヒットが生まれるような、インディーがビジネスとして動くようになっており、それが昨今インディーが注目を浴びている理由かもしれないと現状のインディー市場を踏まえた上で、我々も国内外の素晴らしいインディータイトルをPlayStationプラットフォームで配信していきたいとしています。

そのためのサポートの1つとして、現在PS3/PS4およびPS Vita/PS Mobileにてゲームエンジン「Unity」の対応を進めていると多田氏。グラフィックに圧倒的な性能を持つPS4や、携帯機であるPS Vitaなど様々なプラットフォームに展開できるようになり、遊び方やユーザーのターゲット層に合わせてチョイス出来る形になっていると解説しました。

Unityと言えばインディーゲーム開発においては最も使用されているゲームエンジンの1つであり、2Dから3Dグラフィックにまで対応しているのも特徴です。壇上ではPS Mobile向けに動作してるデモ『Angry Bots』のベータ版が公開され、モバイル向けながらも美麗な3Dビジュアルが動作可能であることが多田氏より強調。また続けて、同じくUnityの2Dアクション風デモである『2D Platformer』がPS Mobileにて動作する様子が披露され、2D機能が充実した4.3バージョンのUnityが対応すると伝えられています。

加えて多田氏はPS MobileがPS Vita TVにも対応し、詳細は後日にも報告すると伝えました。PS Mobileはスマートフォン・タブレットやPS Vitaに加えてリビングルーム向けのVita TVでも動作可能ということになり、Unityを採用していれば様々なプラットフォーム展開がPS Mobileを通して容易になるという魅力があります。他にもPS VitaやPS Vita TVの2スティック搭載にも触れた多田氏。キャラクターの視点と照準や移動といった操作が容易に行えるため、Unityで作った3DゲームをVitaへ展開することは最適な環境になると伝えました。

なお今回の基調講演では充実した開発中のPlayStationプラットフォーム向けゲームの新作含むラインナップも披露され、国内外の多数のインディーゲームが登場することを改めて強調しています。また基調講演の最後にはインディースタジオ2D Fantasistaの渡辺 雅央氏が登壇し、PlayStationプラットフォーム向けに今年リリースを目標としている『Flock(仮)』を披露。多田氏はここで登場したタイトル以外にも数多くのインディーゲームを予定していると伝えています。
  • PS4向けインディーゲーム
  • 『Contrast』(Compulsion)
  • 『Don't Strave: Console Edition』(klei Entertainment)
  • 『Octodad: Dadliest Catch』(Young Horses, Inc)
  • 『重装機兵レイノス』(株式会社ドラキュー)
  • 『Prismatic Solid』(アクティブゲーミングメディア)
  • 『Revolver360 RE:ACTOR(仮)』(クロスイーグレット)
  • 『Mighty No.9』(Comcept)
  • 『Project Phoenix(仮)』(Creative Intelligence Arts, Inc.)
  • 『Rocketbirds 2: Evolution』(Ratloop Asia Pte Ltd)
  • 『One Upon Light』(SUD Game Lab)
  • PS Vita向けインディーゲーム
  • 『TorqueL/ トルクル』(アクティブゲーミングメディア)
  • 『インフェニタ・ストラーダ』(おふぃす5656)
  • 『Machinarium』(アクティブゲーミングメディア)
  • 『La-Mulana Portable(仮)』(ピグミースタジオ)
  • 『Airhship Q』(ミラクルポジティブ)
  • PS Mobile向けインディーゲーム
  • 『野犬のロデム』(ピグミースタジオ)
  • 『Cytus Lambda』(Rayark Inc.)

会場のデベロッパーへ向けPlayStationプラットフォームでの展開を求めた多田氏は、PS Vita版『La-Mulana』を手がけるピグミースタジオや、国内外のインディーゲームをローカライズし配信するPlayismおよびActive Gaming Mediaなど、パートナー企業とリリースしていくのも良い選択肢だとコメント。また国内ではインディーゲーム用のセクションをPlayStation公式サイトに用意し、この窓口から国内のインディーデベロッパーがPlayStationプラットフォームへと参入できることを訴えた上で、基調講演を締めくくりました。

■Microsoft: ID@Xboxプログラムにて国内インディーゲームもサポート

Microsoftの基調講演にてまず登場したのは、日本マイクロソフト株式会社の執行役である泉水 敬氏。「Microsoftがなんでここに居るのと聞かれる気もしますけども」と語り始めた泉水氏は、デベロッパーのポテンシャルより生まれる新しいアイディアやゲームに期待をしており、今年からMicrosoftが参加することになったと説明しました。

昨年11月に欧米中心でリリースされたMicrosoftの次世代ハードXbox Oneですが、まだ国内では発売されておらず、2014年以内という見通し以外は詳細すらも明らかにされていないのが実情です。泉水氏はこの現状に触れ「もう少し後に発表の場を設定する」と伝え、国内でのXbox Oneの展開をもうしばらく待って欲しいとしています。

Xbox Oneでは非常に大型の最新ゲームを数多く提供すると共に、様々なデベロッパーが自身のゲームをユーザーへとダイレクトに届けられる仕組みを提供していると泉水氏。インディーの開発者に開発環境を提供することと、開発環境の中でXbox OneのKinectやXbox LIVEといったオンラインサービスといった新しい機能、クラウドを使用し、新しい体験を作っているとしました。それが昨年発表されたプログラム「ID@Xbox」であり、かなりハードルが低い条件でデベロッパーが開発環境に触れ、Xbox Oneのストアを通して世界中のユーザーへ直接ゲームを配信することが可能だと泉水氏は説明しています。

続いて登場したのがMicrosoft米国本部からやってきたID@Xboxの責任者であるクリス・チャーラ氏。チャーラ氏は健全なエコシステムをクリエイターとの間で構築したいと語ったほか、非常にクリエイティブなゲームが登場していた90年代の日本市場に言及。スーパーファミコンや初代PlayStationの時代の、それほど大きくないスタジオからクリエイティブなゲームが作られ、それがビジネスベースにのるという当時の状況を振り返りました。ID@Xboxではそういったエコシステムを作り上げ、創造性の高いゲームが商業的に成功も達成することが目的であり、日本の優れたコンテンツをアメリカだけでなく全世界に広げていくことが目的だとチャーラ氏は説明します。

最後に登場したのがID@Xboxの国内担当プログラムマネージャーである松山 秀勝氏。松山氏は先に登場した2人が語ったID@Xboxの概要をより詳しく簡潔に3つの点に絞って説明しました。そもそもID@Xboxとは「Independent Developers Publishing Program on Xbox One」の略称で、「Xbox One向けに制作されたゲームを、デベロッパーが独自にデジタル配信を行える新しいプログラム」であると松山氏。日本ではまだXbox Oneが展開はされていないものの、すでにグローバルなアナウンスで国内デベロッパーがいくつか参加しているとその一部のリストを公表しました。
  • Aabs Inc.(『Aabs Animas』)
  • Comcept(『Mighty No.9』)
  • Nigoro(『La-Mulana』)
  • SmileBoom(『3D∞』、『プチコン』他)
  • iNiS(『押忍!闘え!応援団』、『Lips』他)
  • モノビット(『ギルガメッシュサーガ』、『クリスタル◆コンタクト』他)
  • nude maker(『鉄騎』、『旋律のストラタス』他)
  • Hexa Drive(『ダイコン王の野望』、『Z.O.E』や『大神』のHDリマスタか―他)
  • インディ・クリエイツ(『ロックマンゼクス』シリーズ他)
ID@Xboxの1つ目の利点は、Xbox Oneの開発機材が無償で2台、クリエイターへと提供されるという点。通常プロセスでは「企画を提出してからMicrosoftが確認し開発機材を提供する」となるのに対し、ID@Xboxでは企画を提出する前にXbox Oneの開発機材が提供することができ、開発機を触ってから企画書を作ることが可能とのことで、またXbox One向けのUnityも無償で提供するとしています。

一方でXbox Liveのコンテンツダウンロードが使用出来ない、心拍数や顔の表情を読み取るKinectおよびSmartGlassの機能が一部使えないといった制限が無く、Xbox Oneの機能をすべて実装できる点が2つ目のメリットとなっており、ID@Xboxに参加したクリエイターはXbox Oneで配信されているようなゲームと全く同じ開発環境を無償で手に入れることが出来ると松山氏はアピールしました。

最後の利点は配信されるゲームの取り扱いに差異がないという点。松山氏は現在のXbox 360にてフルゲームやインディーゲームに分かれているセクションデザインに触れ、例えばインディーゲームを買うにはストアに行ってインディーセクションへ行き能動的に探さないと、インディーゲームに触れる機会が無いと説明。階層が深くなるのを打開するため、ID@Xboxで発売したゲームは他のタイトルと同様のストアに陳列するデザインが採用されており、これによって他のタイトルに埋もれるといった現象が起きないと松山氏は伝えています。

また国内向けの情報として、ID@Xboxでは日本にも専任の担当チームがあると松山氏。開発の手伝いから契約面のフォローなどを日本語で行うと説明し、国内デベロッパーでも安心してID@Xboxへ参加できる環境があることをアピールしています。
《ishigenn》
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