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【BitSummit 14】故・飯野賢治氏の思いは形となるのか?飯田和敏氏が『KAKEXUN』プロジェクトをアピール

ゲーム作家の飯田和敏氏はBit Summitで、ゲームクリエイターの故・飯野賢治氏が最後に残した企画メモを実現させるプロジェクト『KAKEXUN(カケズン)』のクラウドファウンディングをアピールしました。

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【BitSummit 14】故・飯野賢治氏の思いは形となるのか?飯田和敏氏が『KAKEXUN』プロジェクトをアピール
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ゲーム作家の飯田和敏氏はBit Summitで、ゲームクリエイターの故・飯野賢治氏が最後に残した企画メモを実現させるプロジェクト『KAKEXUN(カケズン)』のクラウドファウンディングをアピールしました。ブースでは飯野氏のポートフォリオ写真とポスターが展示され、デモ出展が大半を占める会場で異彩を放っていました。

生前、常にエッジの効いたゲーム開発を続け、前回のBitSummitで主催者のジェームズ・ミルキー氏から「彼の生き方こそがインディーゲームスピリットの体現」と評された故・飯野賢治氏。そんな飯野氏と生前から親交のあった飯田氏は、生前に書き残された企画メモがあることを知り、その思いを引き継ぐことを決意。クラウドファウンディングでの資金調達に乗り出しました。

資金調達はモーションギャラリーで3月20日より開始され、60日間で1500万円の調達金額を掲げています。同サイトでの過去の最高調達金額は映画『ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの』の1463万円で、過去最高金額をめざすことになります。開発は飯野氏の会社、ワープの主要メンバーが再結集したワープ2が担当し、飯田氏がチーフディレクターを務めます。

『アクアノートの休日』『太陽のしっぽ』と自由な作風で知られた飯田氏と、『Dの食卓』『エネミー・ゼロ』でゲーム業界の風雲児と言われた飯野氏は90年代後半、インタビューや対談などでメディアを賑わしました。当時はゲーム開発が今ほど大規模ではなく、ゲームクリエイターの作家性が注目されていました(その意味では今のインディーゲームムーブメントと近しいものがあります)。そうした時代を共に生きた者同士として、最後の企画を実現したいと飯田氏は言います。

もっとも「なんだか重たい宿題をもらっちゃったなぁ」という、何とも言えない複雑な思いもあるという飯田氏。クラウドファウンディングでの資金調達も、その重荷をできるだけ多くの人に分担してもらいたい・・・そんな思いがこめられました。もっとも、期限内に目標金額が集まらなければ、開始の前に終了してしまう本プロジェクト。まずは一人でも多くの人に、その存在を知ってもらいたいと話しました。

飯野氏は生前、平行世界に強い関心を示していたということで、本作はその一つの世界を舞台にしたものになるとのこと。『KAKEXUN』というタイトルからも分かるように、ゲームメカニックとしては計算がテーマとなり、ゲームの結果で巨大な山を登っていくような作品になるとのこと。辛い山を登った先に何があるのか。人生のメタファーにもなっているようでした。

余談ながら筆者が十数年前まで在籍していた「ゲーム批評」という雑誌には、「エビスからの手紙」という人気連載があり、故・飯野賢治氏に筆をとっていただいていました。飯野氏も編集部に遊びに来られていました。自分はまだペーペーでしたが、いろいろ勉強させていただきました。当時から年齢不詳な方でしたが、後に自分と同世代(一つ年上)と知り、改めて驚かされたことをよく覚えています。

制作決定はクラウドファウンディングの結果次第です。末席ながら飯野氏と同じ時代の空気を、メディアという立ち場から共有した者として、行く末を見守りたいと思います。
《小野憲史》
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