バルセロナ大学のMel Slater氏が率いる研究チームは先頃、被験者の身体にモーションセンサーが貼りめぐらされた「モーションキャプチャースーツ(motion capture suit)」を着せ、さらにヘッドセット型ディスプレイを装着させることによって被験者をいわゆるバーチャル空間に置いていくつかの実験を行いました。
被験者は実際には成人ではあるものの、バーチャル空間で子供サイズのボディに設定したところ、シンプルな部屋よりは玩具やポスターで囲まれた子供部屋を選んだりするなど、趣味嗜好が子供っぽいものに変化する傾向があることを発見しています。
「世界が大きく見えるほど、より子供っぽい気質と嗜好を備えるようになります」とSlater氏は語り、我々が考えている以上に人間の脳はバーチャルな環境を従順に受け入れ、与えられた「幻想の肉体」に適応しようとすることを説明しています。まさに映画『アバター』の世界ですね。
また、このモーションキャプチャー技術による「バーチャル・リアリティ」はあらゆる分野に応用できると主張する独ヨハネス・グーテンベルク大学(Johannes Gutenberg university)のThomas Metzinger氏は、「バーチャル・リアリティで犠牲者の体験を味わわせることによって、犯罪者の更生に活用できます」とさえ語っています。
インターネットなど電子的な環境で過ごす時間が増えた現代人は、以前よりももっと「アバター」に同化しやすくなっているとも言われています。ビデオゲームを含め、目覚しい発達を遂げるバーチャルリアリティ技術は様々な可能性と問題を孕んで今後も注目を集め続けていくでしょう。
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