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【ジャパンエキスポ2013】クリプトン伊藤氏が語る「初音ミク」が作りだした「創作の連鎖」

クリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之氏は「HATSUNE MIKU Conference Vol.01 From Software to Cultural Phenomenon」にて世界中で支持されるようになった「初音ミク」について振り返りました。

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クリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之氏は「HATSUNE MIKU Conference Vol.01 From Software to Cultural Phenomenon」にて世界中で支持されるようになった「初音ミク」について振り返りました。また、既にお伝えしたように英語版についての詳細を初めて明らかにしました。

まず伊藤氏はクリプトンという会社について「長く音楽制作ソフトを作ってきた会社で、日本では一番の会社です」と紹介。「バーチャル・インストゥルメントと言いますが、楽器をソフトウェアで再現するというのは大抵の楽器で実現しています。でも、足りないの楽器が、そうボーカルだったのです。ある時、ヤマハがボーカロイドという技術を作っていました。まだボーカロイドという名前もありませんでしたが、直ぐに意気投合して一緒に作ることになりました」

ヤマハとクリプトンの共同で製品化されたボーカロイドで、「Meiko」と「Kaito」という2つの製品で最初にキャラクターが付くことになります。「初音ミク」は3番目の製品で、「Vocaloid2」という新しい技術を採用し、更に声優の藤田咲さんが声を当てたことで一気にブレイクを果たすことになります。何万という曲が作られ、膨大な数の映像が動画共有サイトにアップロードされました。今やライブが行われ世界で万単位の来場者を集めるまでになりました。果たしてそれはどのように実現されていったのでしょうか。

伊藤氏が鍵として挙げたのは「創作の連鎖」というキーワードです。「初音ミクの登場で、楽曲だけでなく映像を作る人も出てきました。更に創作を円滑にするためにPiaproという投稿サイトを作りました。ここには誰もが創作物を投稿でき、その投稿物は商用利用や誹謗中傷でなければ誰でも二次使用が出来るというライセンス形態で運営しています。これによってクリエイターは著作権の心配をせずに自由に二次創作ができ、連鎖的に優れた作品が生まれていくことになったのです」

クリプトンでは広がるファンの輪を結びつけるため、交流するためのミクブックというサイトも運営。ファンが動画のプレイリストを共有したり、レコメンドやランキング等、動画を見つけるのに重宝する機能が備えられています。

これら一連の流れを上手く表現したのが、グーグル日本法人が放送したGoogle ChromeのテレビCMです。「初音ミク」をテーマに、誰もがクリエイターであると発信しています。

Google ChromeのテレビCM


ファンが増えるにつれ、様々な商品化も要望として挙がってきます。そんな中、意識されているのは「尊敬されている初音ミクのクリエイターと一緒にやっていくこと」(伊藤氏)だとのことで、そうすることによって収益の還元も行えるとのこと。現在までに書籍、イラスト集、マンガ、バンドスコア、ゲームまで多彩な商品が展開されています。

ここ1、2年はコンサートが非常に大きな注目を集めています。「セガさんが作った『初音ミク Project Diva』で3Dの初音ミクが歌うのですが、これをステージに上げたらライブになるのではないかというのがきっかけでした。2009年8月に最初のコンサートをして、その成功を受けて各地で大型のコンサートを開くようになりました。初音ミクはクリエイターの皆さんが作ってきたものです。ですから参加者は観客であり、作曲者の一人として自分のコンサートでもあるのです。これが熱狂を生む要因ではないでしょうか」

最後に伊藤氏から今後の計画についても話がありました。

まず、山口県のYCAMという施設で制作された「THE END」という初音ミクのオペラが紹介。衣装はルイ・ヴィトンのデザイナーに提供を受け、モードな雰囲気の初音ミクを見ることができます。11月にはパリでも公演が予定されているとのこと。

また、8月30日には横浜アリーナにて初音ミクの全てを楽しめる文化祭「マジカルミライ」が開催。コンサート、ワークショップ、そして様々な展示が行われる1日限りの大イベントです。Facebookのページでは、もうすぐファンが100万人に達するのを記念して、ミクブックに登録したユーザーの中からペアで1名を横浜に招待するキャンペーンも行われるとのこと。夏の見逃せないイベントになりそうです。

既報の通り、伊藤氏からは英語版「初音ミク」の製品についても紹介。「創作の連鎖」を海外のクリエイターへも広げて行きたいという意気込みが語られました。
《土本学》
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