イベントはメインアクトのMega Ranから始まりました。ロックマンやファイナルファンタジーといった日本人にも馴染みのあるゲーム音楽にラップを乗せ、様々な振り付けでオーディエンスを沸かせました。またニコニコ動画で人気のチップチューンアーティストのヒゲドライバーやBitSummitでも話題を集めたサカモト教授も出演。チップチューンのファンが大いに盛り上がり、その人気が伺えました。
個人的には現在、日本在住のアーティスト/デザイナー/ゲーム開発者のDevine Lu Linvegaのソロ・プロジェクトAliceffektのパフォーマンスも素晴らしかったです。チップチューンから派生したインダストリアル系ハードコア・テクノは、弐瓶勉から強く影響を受けた彼のデザインや世界観を強く反映しています。先日、iOS/Android向けにリリースされたポイント・アンド・クリックゲーム『HIVERSARIES』でも、その音楽が堪能でき、今後、注目したいクリエイターの1人です。
来日は二回目となるMega Ranですが、東京での公演の後、関西圏を回る予定。最終日の6月29日には、ロックマンオンリーイベント「メガロックファンフェスタ」に出演予定。リミックスLPとドキュメンタリーのKickstarterプロジェクトのキャンペーンも行なっております。
日本ではまだまだ知られていないアーティストですが、今回は紹介を兼ねてイベント開始前の僅かな時間をお借りして、インタビューを行いました。
――どうもはじめまして。Welcome to Japan!Mega Ranさんは最近では、Bandcampで音源をたくさんリリースして、ゲーム系のメディアにも取り上げられるなど非常に積極的に活動しています。ただ日本ではまだまだ知らない人が多いかと思うので、ぜひとも日本のゲーマー、もしくはゲーム音楽ファンに対する自己紹介をしていただけますか?
OK!僕の名前はRandomだ。Mega Ranの名前で知られているよ。ヒップホップとビデオゲームが大好きで、それらを混ぜた音楽を作っている。アメリカではちょっとした人気者だよ。2年前に日本のレーベルから紹介されて、横浜に来たことがある。だから今回は2回目の来日だ。日本のオーディエンスには、今回の来日を楽しんでもらえるように頑張りたいと思っている。というのも、みんなが大好きなクラシックなビデオゲームとクラシックなヒップホップをミックスしたパフォーマンスをやるからだ。古いものは当然、新しいものまでね。だから日本のみんなも楽しんでもらえると思うよ!
――ありがとうございます。Mega Ranさんのキャリアはとても変わっていて面白い思います。現在はインディペンデントなラッパーとして活躍されていますが、以前は中学校の教師をやっていたと聞きます。どうして中学校の教師からラッパーになったのでしょうか?
それは話すと長くなるね(笑)。僕は中学校で教えていた間も音楽は作っていたし、学校で教えることとラップをすることはそれほど違ったものではないと思うよ。オーディエンスも学生も本気で向き合わないと音楽も話も聞いてもらえないからね!だから学校の教師の仕事を通して、ミュージシャンのキャリアにつながることをたくさん学んだよ。それに中学生のみんなに自分が作った音源やCDをあげていたんだ。「これはどうだ?」って感じでね。それを聞いて「これイイじゃん!」って、学生も楽しんでくれたよ。毎年、12、13歳の新しい学生と出会うわけだから、若者の音楽の趣味には敏感だったんだよ。「何が人気なのか?何が最新なものか?」って感じで彼らのセンスはとても参考になったね。
――中学校では何の科目を教えていたのですか?
リーディング、数学、歴史、ライティングとか、いわゆるLanguage artsってやつだね。数学はちょっと苦手だけど(笑)。
――ではもう少しMega Ranさんのやっている音楽について聞きたいと思います。ヒップホップとビデオゲームという組み合わせは、日本人にとってはちょっと変わったものに感じられます。Mega Ranさんはこの2つの関係をどう考えているんですか?
僕はヒップホップとビデオゲームで育ったんだ。まったく同じ時代にそれらを同時に体験したんだ。ヒップホップの誕生は70年代末から80年代初頭なんだけど、まったく同じ時代にビデオゲームが誕生したんだ。だから、その時代のキッズたちはそれらを同時に体験している。でもそのつながりに気付いたのは大分後のことだ。いろんな形のヒップホップをやってきたけど、ちょっと疲れた時期があって、長い休暇を取っていたんだ。
その時にレトロゲームを遊びたくなって、『Mega Man2』を、日本では『ロックマン2』をプレイしたんだ。その時、「テテテテテレッ、テテテレッ、テテテ、テテテテテレ、テッテッテー」っていうDr.WILY STAGE 1の音楽が、頭の中で「ンブッンブッブッ、ブッ」(ヒューマンビートボックスで実演)っていうビートに合うように思えた。「これイイじゃん!」って閃いたから、ビデオゲームからサンプリングしてヒップホップのトラックを作ろうとDJを呼んだ。「おい、これどうだ?」ってね。これがMega Ran誕生のきっかけさ。とてもシンプルな話だよ。
――なるほど、ヒップホップとビデオゲームを当時に体験したんですね。では、どんなヒップホップとビデオゲームに影響を受けたのでしょうか?
いろんなヒップホップのアーティストに影響を受けているよ。だけど一番影響を受けたアーティストは、Run-DMC、ビースティ・ボーイズ、LL・クール・J、ラキム、2パック、ビギー、レッドマン、MF Doomとかかな。ビデオゲームの作曲家にもとても影響を受けた。もちろん近藤浩治にも影響を受けたし、植松伸夫や古代祐三などの音楽はちょっと聞いただけでそれと分かるくらいクリエイティブだね。最近では、アメリカの作曲家にも影響を受けている。アワードを獲得した『Journey』のAustin Wintoryや、テレビ番組の『Battlestar Galactica』や『The Walking Dead』の音楽で知られるBear McCrearyなど。僕もラップで人気が出たので、彼らと知り会うことができた。彼らから相談を持ちかけられたこともある。昔は周りにはヒップホップのプロデューサーしかいなかったけど、今はゲーム音楽の世界の人とも知り合うことができて、新しい世界が広がったよ。
――今でもゲームで遊んでいますか?遊んでるとしたら何をプレイしていますか?
いいね!今は3DSでゲームボーイカラーから移植された『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章』をプレイしている。カプコンが開発したやつだ。それから、PS3で『The Last of Us』をプレイしている。「オーマイガッ!」ていうくらい素晴らしいよ。家に帰ってプレイすることができないのが悲しいくらい!でも、仕事もしなきゃいけないからね(笑)。
――最後にMega Ranさんの音楽で伝えたいメッセージは何ですか?
僕の音楽のメインなメッセージは「誰でも何でもできる!(anyone can do anything!)」ってことだね。僕はフィラデルフィア出身の一人の人間だけど、世の中の状況はそれほど良くないね。辛いこともたくさんある。でも頑張れば、何だって可能だし、何だって起こりうる。そういったことを伝えたいんだ。
――本日はありがとうございました。来日公演頑張ってください!
インタビューに協力していただいたJeriaska Aksairejさんと突然の通訳のお願いを快諾していただいたAnne Ferreroさんに感謝いたします。
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