本プロジェクトはプロ・アマチュアといった垣根を超え、シナリオやキャラクターデザインのほかサウンドやボイスアクターなどを幅広く公募したものです。PS Vitaを舞台とした新しい物語の創造や発見を目的として2012年8月より始動し、12月7日までに516点の作品が集まりました。
■目指したのは、幅広い分野におけるクリエイターの発掘
まずはSCEJ・河野弘プレジデントが登壇。「2012年より構想をはじめ、今日という受賞の日を私たちも非常に楽しみにしていました。というのは、受賞した方々へのお祝いはもちろん、たくさんの方にエントリーしていただけたことを本当に嬉しく思います。今後もこうした活動を続け、ゲームを遊ぶ人と作る人がみんなで盛り上がれるよう、一生懸命サポートに取り組みたいと思います。第1回の受賞者が、将来、ゲーム業界のスターになっていただけることを願っております」と挨拶しました。
なお、締め切りの3~4日前まで応募数が少なかったので少々不安になったが、締め切り直前に多くの作品がエントリーされたことを告白。最後の最後まで調整に時間を費やしてくれたことへの感謝も述べました。
続いて、特別審査員としてロボット・代表取締役社長の加太孝明氏、ユーフォーテーブル・代表取締役社長の近藤光氏、ベイシスケイプ・代表取締役社長の崎元仁氏、角川書店の電子書籍事業本部本部長 兼 デジタルコンテンツ部・部長の芦尚文氏が登場。また、Project Discoveryのナビゲーション映像のナレーションも行った声優・藤田咲さんが応援に駆けつけました。
■幅広い分野から受賞作品を選考
今回受賞となったのは、シナリオライター、グラフィックデザイナー、サウンドデザイナー、ボイスアクターの4部門。それぞれに、厳正なる審査の中から選ばれた最優秀賞「Excellent Prize」 、 惜しくもExcellent Prizeには届かなかったものの、魅力的な作品であると認められた作品に贈られる佳作「Spirit Prize」の2つの賞が用意されました。このほか作品性を高く評価された作品には、ROBOT社より特別賞が授与されています。
受賞作品は以下の通りです。最も応募数が多かったのはシナリオライター部門で、今回の受賞作品は応募までにおよそ2~3ヶ月と募集期間をしっかりと使っていました。その他の部門では1日未満~2週間ほどと、かなりの短期に集中して仕上げた方が多く見られました。なお、パッケージ部門での該当はありません。
・シナリオライター部門
Excellent Prize:「だいだいダイスキ!」(恩田竜太郎)
Spirit Prize:「非接触型恋愛」(押石八兎)
ROBOT賞:「鉄観音高校紅茶道部活動記録 ~決戦は学園祭~」(北野梅花)
・グラフィックデザイナー部門
Excellent Prize:「銃娘」ほか(飴えりか)
Spirit Prize:「非オンライン侍」ほか(nakazy)
・サウンドデザイナー部門
Excellent Prize:「風の~melody~ /Racing a Machine」ほか (東原一輝)
Spirit Prize:「Introduction/Soul of Soldier」(橋口礼)
・ボイスアクター部門
Excellent Prize:「後輩・同級生・妹」(川上晴香)
Spirit Prize:「爽やかな青年/“君”の人生の創造主が“僕”だったら」(堀龍也)
■シナリオライター部門
シナリオライター部門では、ゲームならではの要素と調和したドラマ性ある作品かを重視した選考となっています。恩田竜太郎さんは「このような賞を受賞でき、とても嬉しく思います。他に受賞された皆さんと素晴らしい作品を作り上げていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします」とし、非常に緊張した様子をみせていた押石八兎さんは「今回の受賞を原動力として、これからも執筆活動を頑張っていきたいと思います」と喜びを露にし、特別賞を受賞した北野梅花さんは「これを機に、もっと面白いものが書けるよう頑張っていきます。本日はありがとうございました」と感謝を述べました。
審査員の加太氏は、ジャンルは異なるものの、映画・アニメーション制作に向けた面白いストーリーや優秀なクリエイターの方とのコラボレーションのチャンスを求めており、参加者にエールを送るために参加したといます。それぞれの受賞作品に対するポイントを解説し、なかでも最優秀作品の「だいだいダイスキ!」は、ロボットの少女と人間の少年の恋愛を初々しく描きながら、ノスタルジックな感傷も感じられたのが高い評価へと繋がりました。
後編へ続く。
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