Pacotti 氏は今回紹介された Game Blocks を「ゲーム開発初学者向けビジュアルプログラミング "ブロック" のフリーライブラリ」と説明しており、氏が教鞭をとっているテキサス大学のインタラクティブライティング講義向けに作成したものであると述べています。
Game Blocks の特徴である "ブロック" は、ベースとなった BYOB から引き継がれているもので、実はこの BYOB も MIT が公開している Scratch という言語から派生して作成されたものです。
Scratch については公開当時、プログラマのお父さんが我が子とプログラムして遊ぶ話などが出るなど一部で話題になっていましたので、記憶に残っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
Scratch、BYOB から進化してきた Game Blocks は、可能な限りシンプルに "リニア (一本道) でない" ストーリーテリングを実現することを目指して制作されています。
そして Pacotti 氏にとって "リニアでない" とは、単にストーリーに分岐があったり、会話ツリーがあったりすることだけではないといいます。ミニゲームやパズル、アーケード風ゲームであってもストーリーは当然存在します。氏が受け持つ学生はそのようなゲームを扱うことが多く、ものそういったゲームでもストーリーを構築できるようにすることが目的であったそうです。
以下の動画は、Pacotti 氏がツールを紹介しているものです。最初の数分で、2D プラットフォーマー風画面上でセリフやアクションをレゴブロックのように組み合わせられている様子を見ることができます。
この動画は Game Blocks の基本を解説しているものですが、途中で Game Blocks のベースとなっている BYOB や Scratch (MIT 開発のプログラミング言語) との関係について、そして Scratch 系言語と他の言語/ツール/エンジンとの立ち位置の違いについても語られています (画像参照)。
なお本ツールも BYOB や Scratch と同様、パフォーマンスの問題からあまり大規模/複雑なゲームには向いておらず、あくまで学習者の最初の一歩として、あるいは非プログラマがプログラム構造を学ぶためのツールとして使われることを想定しているとのこと。
Game Blocks はオープンソースで、ダウンロードページから無料でダウンロードすることができます。
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