先日は本体篇として、Wii Uのテクニカルな話が展開されましたが、GamePad篇でも勝るとも劣らぬ濃厚な話が繰り広げられています。ただ、「最後はガッツ」と岩田氏が語るように、Wii Uにかける熱い思いが伝わる内容になっています。
ご存知の通りWii U GamePadはタッチスクリーンを搭載したコントローラーで、常にゲームと連動した画面が手元に表示されます。有線ではなく、無線で映像データや入力信号を相互でやりとりするため、設計は困難を極めたそうです。
通常の動画転送技術は、多少のレイテンシー(≒遅延)があっても動画がスムーズに再生されれば良いという考えで設計されていますが、Wii U GamePadの場合は「マリオは、ボタンを押したらすぐ跳ばなきゃいけないもの」ということで、レイテンシーがあるとゲームとして成立しなくなってしまいます。そこで「いままで誰もやっていないことにチャレンジしなければいけなかった」と岩田氏は述べています。
そこで、レイテンシーをなくすために映像転送の考え方を大きく変えたということです。通常は必要な画像が揃った時点で圧縮を開始し、転送した後に展開する。この作業が終わってはじめて映像をモニターに送るという作業を繰り返します。ところが、これではどうしてもレイテンシーが生じるため、Wii Uでは画像を細切れにしたまま画像を転送する方式を採用しています。また、GamePadが手に持って遊ぶコントローラーというのもネックだったそうで、人間の身体そのものが電波を妨げたり、激しく動かすことでドップラー効果が起きてしまったりと、そういった事象に全て対応していき、Wii U GamePad側で画像を表示していると思うくらいの製品になっているとのこと。むしろ、TV画面よりも遅延なく表示されることもあるという性能になっています。
なお、GamePadが使用できるのは「同一空間内」とされていますが、金属などの障害物があると距離は短くなってしまうそうです。一方壁1枚くらいならある程度は届くようで、家の構造によってはトイレでも遊べるのだとか。いずれにせよ「まずはご自宅でお試し下さい」と岩田社長が述べています。
デザインについては3~4回は抜本的に見直しがあったそうです。以前お伝えした通り、当初はリビングに置いておくというデザインを重視し、グリップもなく、コントロールスティックもスライドパッドでした。ところが2011年のE3で展示後、遊びにくいという声が相次いで変更になったとのこと。デザイン性とゲームの遊びやすさの両立には最後まで悩んだということです。
コントローラーを作っているはずなのに、NFCもTVコントロールボタンも地磁気センサーもカメラも搭載され、「携帯型ゲーム機の機能が全部載っている」状態になったというWii U GamePad。カメラもタッチスクリーンも、Wii U GamePadの入力信号を1度本体で処理して、再度転送するという順序で表示されるにもかかわらず遅延を感じずに遊ぶことができるそうです。岩田氏はこうして完成したWii U GamePadについて、「ほかの人がテレビを使っていても遊べるテレビゲーム機が、はじめてできた」そして、「テレビとWii U GamePadをセットで使うと、テレビがもっと魅力的になる」という二つの側面があると語っています。
このほかにも開発陣のたゆまぬ努力がヒシヒシと伝わるエピソード満載ですので、ぜひチェックしてください。
関連リンク
編集部おすすめの記事
特集
任天堂 アクセスランキング
-
『あつまれ どうぶつの森』ホラーで有名な「アイカ村」が再び夢で登場……! 恐怖の島を体験せよ
-
違法行為禁止 ― DSゲーム起動時に警告メッセージ
-
【そそれぽ】第22回:俺達は弱いMSの強化を・・・強いられているんだ!『SDガンダム ジージェネレーション3D』をプレイしたよ!
-
風間雷太氏が『ポケモン』シロナのイラスト投稿!同氏手がける『ポケカ』デッキケース&スリーブも新発売
-
元ドット職人が教える『あつまれ どうぶつの森』マイデザインお役立ちテクニック!描き方の初歩から独特な「なめらか補正」まで幅広く解説
-
ニンテンドースイッチでプレイできる農業系ゲーム5選!『ルーンファクトリー5』など大自然に囲まれてスローライフを満喫しよう
-
PS4・スイッチで美しい世界を旅できるゲーム10選!宇宙から古代まで幻想的な冒険に繰り出そう
-
『桃鉄』ソロプレイ全物件制覇こそ、“おうち時間”を最高に楽しむエンドコンテンツ!ワンミスで資産が吹き飛ぶ地獄のサバイバル100年を生き延びろ
-
【特集】世界はカラフルになった…ポケモンゲーム史「ゲームボーイカラー」編
-
『スプラトゥーン3』で真っ先に慣れたいジャイロ操作のコツ―初心者はまず、思わず傾く体をこらえて!






