―――まず、ユービーアイソフトがグリーさんとの協業に至った経緯を教えていただけますか?
辻: 昨年の東京ゲームショウで初めてミーティングを持たせていただいたのが直接のきっかけになります。以前から日本国内においてGREE Platformというものが非常に大きな盛り上がりを見せているというのは耳に入っていて、ユービーアイソフトとしても日本国内での戦略というだけでなく、ワールドワイドでのソーシャルゲームの可能性について議論を行い、そこから進展していったという経緯があります。
―――ユービーアイさんは兄弟会社のゲームロフトでこれまでモバイル分野をやられていましたよね
辻: 実はそこも変化していて、ユービーアイのIPに関してはユービーアイが包括的にやっていくという形に変わりつつあります。以前は家庭用とモバイルが全く別のものという状況がありましたが、今は家庭用もモバイルも含めてブランド戦略として一貫した展開が必要ではないかという風になっています。
―――協業に際して「アサシンクリード」という一番重要なIPを持ってきましたね
辻: やはり最初から成功したいというのは当然の考え方でしょうね。一番その確率が高いものとして「アサシンクリード」を選択するということです。これは日本国内だけをターゲットにしたプロジェクトではありませんが、日本で一番上手くいっているのは「アサシンクリード」ですし、海外でも一番大きなタイトルと言っても問題ない作品を選んだということです。
―――「アサシンクリード」のユーザー層を広げたいという意味もあるのでしょうか?
辻: そうですね。ある調査では「アサシンクリード」の購入者は9割ほどがシリーズを通じて購入しているということが分かりました。しかも大半が年間5本とか10本のゲームを買っている方です。つまり「アサシンクリード」はゲームコミュニティに根付いたシリーズと言えます。ただ、アクションとしての面白さだけでなく、世界観やストーリーの面白さというのも評価されるポイントです。中東や十字軍と同時にSFや未来的な話も描かれます。テンプル騎士団という史実に忠実なものに対してアサシンという架空に近い存在が歴史の裏で暗闘しているというような、ダン・ブラウンが流行らせた歴史ミステリーのような要素もあります。しかし家庭用では本体を持っていないユーザーにリーチするのはほぼ不可能です。そうした時に、普遍的に普及しているスマートフォンをベースにすれば遥かに多くの人に触れてもらう可能性が出てきます。それは大きい事です。
―――開発はどのように進められているのでしょうか?
辻: 開発はユービーアイとグリーさんとの共同開発という立場を取っています。ゲーム自体の設計や絵のコンセプト、ストーリーなどは「アサシンクリード」の元締めであるモントリオールスタジオが音頭を取ってやっています。その先の具体的な開発についてはグリーさんが経験あるところですので、ユービーアイの「アサシンクリード」を展開するというのを念頭に置いていただきながら、モバイルで楽しめるものを考えていただいているというところです。
―――モバイルでの在り方やソーシャル要素などはグリーが指揮しているわけですね
辻: そこはやはりグリーさんが圧倒的にノウハウをお持ちの部分で、逆にユービーアイとしては経験が無く、だからこそグリーさんと一緒にやる意味を見出しているわけです。
―――ゲームの概要を教えていただけますか?
チェン: メインの要素はバトルです。全ての要素がバトルを優位に、面白くすることに繋がるようゲームデザインされています。舞台はアメリカの植民地時代で、最強のアサシン教団を作り上げることが目的です。大まかな基本サイクルとしては街を大きくして、経済力を高めて、様々なアサシンを獲得、獲得したアサシンを育ててアサシン軍団を作り、他のアサシン軍団と戦いを繰り返していきます。それによって強大なアサシン教団を作っていきます。
―――カードバトルゲームの要素があるように感じました
辻: カードゲームよりはもう少しゲーム的な要素が多く入っています。単純なカードバトルゲームにはなりません。レベルやユニットの種類・それぞれの特性といったものがかなり細かく設定されていて、プレイヤー側が工夫できる余地が多く入っています。海外でサービスするということも考慮して、海外での流行りなどもゲーム作りの中では大きく考慮しています。
―――バトルはどのようなものが登場するのですか?
チェン: 色々なバトルの局面を用意しようと思っています。その軸となるのは対人戦になってくると思いますが、それだけに限らず、CPUが襲いかかってくるようなこともあります。ログインすると自分の町の一部がならず者やもっと大きな敵に占領されていく時にそれを排除していくということもあります。日本のソーシャルゲームの知見の一つである期間限定イベントとも絡めつつ色々なバトルを提供していくつもりで、ユーザーさんが協力して一つの敵と戦うような場面もあるでしょう。
―――オンライン要素をもう少し教えてもらえますか?
チェン: 本作ではカードバトルの対戦に近いような非同期のバトルが中心になります。オンラインでは、対戦以外にも幾つかのコミュニケーションの形を取り入れるつもりです。例えば、街作りを手助けするといったことです。
―――これまでの「アサシンクリード」シリーズとの関係はどのようになっているのでしょうか?
辻: ストーリーや世界観といった部分が一番大きいです。家庭用で展開している「アサシンクリード」がそのままスマートフォンでできる可能性は無いので、そこを追求する必要は無いと思っています。ただ、「アサシンクリード」はアクション性やテクノロジーだけが評価されたゲームではなく、設定や世界観に惹かれている人も非常に多いわけです。ユービーアイとしては、これを多彩な展開に広げようとしていて、今回もその一環と言えます。
―――キャラクターは今までのシリーズのキャラクターが登場するのでしょうか?
当初はそういった予定はありません。
―――開発で苦労した部分を教えてもらえますか?
チェン: 「アサシンクリード」は世界的な人気と知名度を持つゲームで、かつ歴史もあります。シリーズが培ってきた世界観は崩せませんし、やってはいけないこともあります。例えば、魔法なんかは駄目ですよね(笑)。シリーズで一貫してきたリアリズムにこだわり、世界観を壊すような誤った歴史解釈にも気をつけています。何よりも世界中の超人気フランチャイズで、その期待の高さに違わないタイトルを作らなければならないというプレッシャーが大きいですね。
―――「ユートピア」というタイトルの由来を教えてもらえますか?
チェン: モントリオールスタジオの方々と熟議して決めました。弊社側からもスタジオ側からも色々と案を出しました。「ユートピア」というのは元をたどると、ヨーロッパのとある哲学者が書いた本のタイトルに由来します。それはそれは理想郷、理想の町とはどんなものかを書いた本です。ゲームの舞台はアメリカの植民地時代です。それはヨーロッパから人が入ってくる過程の時代です。この自体は『アサシンクリーズIII』で描かれる独立戦争につながっていくわけですが、アサシンもヨーロッパから自分達の理想の社会、コミュニティを作るためにアメリカにわたってきたという解釈があります。建物を作り、集落から町へ、アサシン教団にとっての理想郷を作るということで「ユートピア」というタイトルが選ばれました。
辻: イギリスからピューリタン(清教徒)たちがアメリカにメイフラワー号で渡ったわけですよね。迫害されたイギリスから離れた理想郷を作りたいと。
チェン: アサシン教団も同じです。迫害されていたかどうかは分かりませんが、アサシンたちがアメリカに渡ってきて、それが巡り巡って『アサシンクリードIII』の主人公たちに繋がっていく。
辻: テンプル指揮団も渡ってきたわけです。自分達の理想の国を作りたい、というのはアメリカに渡ってきた人々の共通点でした。アメリカ建国の秘話みたいなものがありますよね、本当か嘘かは別にして。秘密結社的なものや世界を支配する幾つかの家族・・・。そういったものは「アサシンクリード」で直接的ではないにしろ暗喩されてきました。「アサシンクリード」は歴史を背景とした物語をずっと描いてきました。本作の「ユートピア」もゲーム内容を表す名前であると同時に、物語の背景でもあるわけです。脈絡もなく単純ソーシャルゲーム的だからという意味でこのゲームデザインが作られたわけではありません。
―――リリースはいつ頃になるのでしょうか?
チェン: 2012年冬の予定です。
辻: 国内では11月15日に『アサシンクリードIII』が発売になります。「ユートピア」も「III」の世界の一部です。「III」はアメリカの独立戦争を舞台にして18世紀の終わりのボストンで展開する物語です。Vita版は同じ時期、ニューオリンズで展開する別ストーリーです。それに対して「ユートピア」は17世紀の終わりの独立戦争に向かうアメリカという構成になっています。それぞれが直接結びついていなくても世界観を共有している作品です。その時期に出ることにも意義があるのです。
―――最後に楽しみにしている方に一言お願いします
辻: ちょうど「III」が3年ぶりのナンバリングとして登場してきます。「ユートピア」も世界を構成する一部であって、これをプレイすることが「III」の前半をより深く知ることに繋がりますし、プレイ自体も楽しくなるはずです。一方で「アサシンクリード」を名前だけ知っていてゲームは未体験の方や、「ユートピア」のゲームに面白さを見出した方がいらっしゃれば更に広大なアサシンクリードワールドを家庭用でも体験してもらえればと思います
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