gloopsのソーシャルゲームは登録ユーザーが1800万を突破し、月間PV数が156億と成長を続けています。「大乱戦三国志バトル」や 「大召喚マジゲート」といったタイトルが人気であり、現在のコンテンツ数は19本となっています。
大和屋氏はソーシャルゲームの特徴を「1回のプレイ時間が5分程度」、「終わりのないループするゲームデザイン」、「ユーザー間のコミュニケーション」という三点にまとめ、説明を始めました。
技術的にはモバイル端末を利用し、3G回線やWi-Fiを利用し、HTMLやJavaScript、Flashを利用していることから、ゲームである以上にモバイルウェブサービスとして位置づけることができます。
現在ではかなりポピュラーになったソーシャルゲームですが、日々ゲームタイトルが増加し、プレイ日数も長期化する傾向にあります。そのため、ユーザーの目が肥えてきていると、大和屋氏は分析します。
そこでgloopsが目指すソーシャルゲームのあり方は、表現がリッチでありながらも、ライトなサービスであると、大和屋氏は言いました。ゲームは技術の進展と共に常にリッチな方向に進化してきましたが、モバイルを中心としたソーシャルゲームには様々な技術的制約があります。第一に、Wi-Fiが浸透していますが、回線速度は通常のオンラインゲームと比べると未だに速いとは言えません。さらにプレイ環境が多様であるため、数多くの端末に対応する必要がある点です。
このような技術的制約を克服しつつ、リッチかつライトな表現を可能とするソーシャルゲームをgloopsは目指していると、大和屋氏は強調しました。そして具体的な取り組みの一例として、ユーザーインターフェイス(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)のチームの取り組みが紹介されました。
Gloopsの現在のプロジェクト体制は、プランナーが3人、開発者が3人、デザイナーが3人という小規模なものになっています。今後はプロジェクトごとにUI/UX専門のチームを組織して、リッチかつライトなソーシャルゲーム開発を目指すそうです。
UI/UXチームの役割は、リッチなUIの改修・改良です。UIの改良では、現在は個別に「ここのボタンをもっとリッチにしたい」といった声が開発側から上がってくることが多いといいますが、UI/UXチームではそのような意見をそのまま受け入れることはありません。そうではなく、UI改修の目的や問題点を分析した上で、データを活用して問題を解決することに力点を置くと、大和屋氏は強調しました。
そして、実際にリッチかつライトなUIを実現するために行なっている取り組みが紹介されました。大和屋氏によれば、「ライト」であるとは、簡単に言えば待ち時間が少ないことであるといいます。そのため、まずグラフィックを呼び出すリクエスト回数を削減し、場合によってはパーツを使いまわすといった割り切った判断を行ないます。さらに既存のライブラリは使用するのではなく、より軽量な独自ライブラリを開発することも行なっています。またHTML5やCSS3といった最新の技術を用いることによる軽量化にも取り組んでいるといいます。
最後に大和屋氏は、現在のソーシャルゲームが転換期にあると指摘しました。技術の進展によりリッチな方向が強く押し出されている一方、回線や端末における制約が未だに強いため、リッチかつライトであるためには様々な努力が必要だと、再度強調し発表を締めくくりました。
gloopsのブースでは、その他にも各タイトルのプレアイブルデモやコンパニオンの撮影会などソーシャルゲームの会社としては大規模な展示を行なっており、盛況に賑わっていました。
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