■ゲーム情報のパイプライン 岩田社長からのプレゼンテーションが終わったあとは、体験会が行われた。なかでも人気だったのは同時発表されたWii版の『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』で、約30分待ちの行列ができていた。ニンテンドー3DSのタイトルでは『新・光神話 パルテナの鏡』『マリオカート7』『モンスターハンター3(トライ)G』『NEWラブプラス』に来場者は集まる。 この光景は何に似ているかといえば、9月15日から開幕する東京ゲームショウだ。 任天堂は「顧客層が違う」という表向き(注・筆者主観)の理由により、東京ゲームショウに展示ブースを持たない。また、同様の理由と言っていいのか。小学生をメインターゲットにしたタイトルを持つ、レベルファイブも東京ゲームショウの出展スペースを大幅に縮小させ、単独イベント「LEVEL5 WORLD 2011」を10月15日・16日に開催することをすでに発表している。 日本国内において、ゲームイベントが分散するのは望ましくない。 コスプレ、コンパニオンの写真撮影のイメージがつきまとってしまった東京ゲームショウはリニューアルできないものか。その結果として任天堂も東京ゲームショウに出展ブースを持つ、またレベルファイブも東京ゲームショウに、去年までのように巨大ブースを構えてほしい。 東京ゲームショウには、外国からの取材者も多数やってくる。 今年、私はフランスからの視察団と同行する予定となっている。 その時に、否応なしに比較されるのはE3だ。 「E3では任天堂は出展し、東京ゲームショウには出展しないのはなぜか?」 東京ゲームショウが初開催された1996年以降、何度となく質問された。 今週もまた、この質問をされるのだろう。 日本のゲーム業界の存在感を示すために、全社が集まるゲームイベントが行われるのが望ましい。 あるいは、1996年と今は時代が変わった。 主催者も、出展社も、来場者もコストがかかる大型イベントは縮小させて、インターネット中継を活発化させる選択肢もあるのではないだろうか。 ニンテンドー3DSカンファレンス2011で報道関係者に渡されたプレスキットは、1枚のCD-ROMであった。このCD-ROMをPCに挿入すると、自動的に任天堂ホームページの特設サイトにアクセスできる。そこからは、今日発表されたタイトルの画像が自由にダウンロードできる。 著作権保護の問題など、実現するにはハードルがあるが、この恩恵はすべてのユーザーに与えられても良いのに、と思いながら本稿を執筆した。
《平林久和》
この記事が気に入ったらフォローしよう
インサイドの最新の話題をお届けします