アメリカインディアンの血を受け継ぐ主人公キャラクター、トミーが、スピリットパワーとゲーム内の武器を用いて、さらわれた恋人ジェーンを巨大宇宙船から救い出すというアクション大作で『Prey2』はその続編にあたります。
ですが本作では前作における「多数のエイリアン」が世界に存在するという部分を主に発展させ、惑星エクソダスを舞台としたフリーワールド型ゲームに一新。「エクソダス」というのは、旧約聖書の中で、予言者モーゼスがエジプト人の奴隷となっていたアブラハムの民を率いて約束の地を求めるという逸話を示し、日本語では「出エジプト」と訳されています。これもゲーム上の何かを示唆しているのかもしれませんね。
一方、主人公もトミーから、地上世界での記憶を失った米国連邦保安官キリアン・サミュエルに交代し、同惑星で賞金稼ぎとしてエイリアンを捕まえつつ自身の記憶を取り戻していくことになります。
今回のgamescom2011 ではヒューマンヘッドスタジオのテクニカルレベルデザイナー、ノーム・ナゾロフ氏がゲームプレイに関するプレゼンテーションをおこなってくれました。
プレゼンではSFノワール的メガロポリスのダウンタウンを舞台に、賞金稼ぎの標的となっているエイリアンを追跡しながら本作独自のゲームメカニクスを解説していきました。
冒頭では、プレイヤーが使える様々なアクションについて解説。「FPSジャンルのボキャブラリーを拡大していく」を目標に、従来の走る、標準を合わせる、攻撃をかわすといったアクションの他に、大ジャンプ、よじ登る、手すりにつかまるといったことも可能になっているとのこと。デモを見る限りでは、DICEが開発した傑作、『ミラーズエッジ』が追求したアクション性にも近いところがあります。
ただし、パズル的要素は極力外している様子。おそらく本作の目指すところが敵の追跡であるということだからでしょう。事実、ノーマ氏の解説は、主人公が兼ね備える索敵能力へと移っていきます。賞金稼ぎとして、キリアンは特殊なスキャンデバイスを装備しており、周囲にいるエイリアンを瞬時に色分け出来ます。緑は非敵対的、赤は生命の危険が訪れているということを現し、その他にも様々なカラ―がアサインされているとのこと。
なお、一般的なFPSでは常に銃を装備した状態で移動していることに違和感を感じていたとノ―ム氏。本作では「装備」を選択しない限り銃火器類の装備はしていないシステムを採用したこと、銃を装備しながら移動していると、非敵対的なキャラクターもそれに反応することについて説明しました。
1体のNPCの前で銃を「装備」してみると、NPCは恐怖におののいた様子両手をあげています。この状態であればプレイヤーは、NPCから金品を脅し取ることも可能とのことです。優れたA.I.が実装されているというのが伺えますね。
プレゼンテーションはいよいよ賞金首の追跡シーンへと移っていきます。標的を発見すると、そのエイリアンが白色で示され、「トラッキング・オン」との音声がスキャンデバイスから発せられるとともに、追跡がはじまります。賞金首には捕獲や、生死構わずといった様々な条件が課されています。
プレイヤーは、ターゲットに忍びより一気に捕獲することも出来れば、その場で銃を抜き狙い撃ちというのも可能なのです。エイリアンもこれに「気づき」、逃走します。プレゼンではそのまま狙撃し、相手を倒してしまいましたが、実は逃走せずに一人で攻撃してくる場合、近くの仲間とグループでプレイヤーを倒しに来るケースなどケースバイケースであるとのことです。
追跡時の行動結果もそのまま名誉システムに反映されるとノーム氏。善良な人とも犯罪者とも認識される可能性があるのですが、それによって街中のエイリアンたちの反応も変わってくるとのこと。またエクソダスには、セキュリティシステムが存在し、住民の行動を常に監視しているとのこと。もし一般住民を殺害しつづけるといったことをすると、セキュリティシステムが反応し、プレイヤーを攻撃。状況によっては援軍も連れてくるとのこと。この点は『ファーブル』シリーズや『GTA』シリーズなどで実装さているシステムに近いようですね。
次のターゲットは、捕獲が条件のマフィアのボスを選定。ただ今回はターゲットの所在すら分かりません。そのような場合は、情報提供者に確認をすればいいとノーム氏。ただし、デモでは、不当のギャラを要求してきました。無放地帯のこの世界。そんなときは躊躇なく「脅し」で対応とノーム氏。情報提供者のボディガードは、プレイヤーキャラクターによって殺されてしまったわけですが、その状況を「理解」した情報提供者は金品も要求せずに賞金首の居所を吐いたのです。
ターゲットはあるタワーの高層に位置する高級クラブに隠れていたのですが、そこに辿りつくためにタワーを登っていきました。そこからクラブの裏側へと回るのです。そこからいろいろなエイリアンをスキャンすると、客の1人がターゲットの属する組織の中尉であることが分かりました。そこで彼を「人質」にしてターゲットの捕獲に向かいます。結局これは失敗に終わり追跡を再開するのですが、NPCを人質に出来るというアクションの多様性には改めて驚かされます。
ターゲットもテレポーテーション能力を備える強者。ノーム氏もロケットランチャーや、反重力手榴弾などを駆使してターゲットの動きを封じていきます。多種多様なアクションがフルに活かされていますね。最終的には。エレクトロニック捕獲デバイスでターゲットを捕獲。そのままクライアントに電送しました。ところがここでデモも終了というわけにはいきませんでした。巨大な敵、ブルートが現れたのです。まさにここから戦いが始まるというところでデモは終了。たった15分程度のプレゼンでしたが、本作の可能性を示すのには充分でしたね。『Prey2』の今後の動向には要注目です。
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