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【P.D.M】第4回 『ひゅ~ストン』開発開始

どうも、ポイソフトの中川(晃)です。

任天堂 3DS
どうも、ポイソフトの中川(晃)です。

今回で開発秘話も第四回を迎えました。読んでくださっている皆様、本当にありがとうございます。

ポイソフトなんてものはWikipediaに専用のページがないくらいのプチ企業ですが、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。いつかページができたら、それを見てニヤニヤするのが夢です。

・・・そんなことはさておきまして。


この記事は前に投稿した記事との連作ですので、ここから読み始めると、話がよくわからないと思います。

そんな方は是非、ページ下部の関連記事から古い記事を御覧くださいませ。


さあ、前章でついに動き出した『ひゅ~ストン』プロジェクトが一体どうなるのか!
第四章、はじまるよー!


■第四章 『ひゅ~ストン』開発開始

プロジェクトが始まると、任天堂に企画を出し、仕様を策定し・・・、といったディレクター的な仕事と同時に、今度はメインプログラマーとしてのお仕事が待っております。
つまり、プログラムを作成して実際にゲームとして動かせるようにする、という仕事ですね。

しかしながら3DSの開発機材はこの時点では手元にありませんでした。

なのでここはひとつ、Wiiのテストプロジェクトを用意し、機材が届いたら3DS向けに移植を行う、という方向でプロジェクトを進めることにしました。


『ひゅ~ストン』に欠かせないのが、リアルな挙動。となれば、物理エンジンなんかを組み込んで使っちゃいたいなと思うのが人情です。

そこで、フリーで使用可能なBulletという物理エンジンを採用しました。
(こちらの苦労はまた別のところで語れたらいいな!)

そして、デザイナー北郷に井戸と石のモデルデータを作ってもらい、井戸の上から物理シミュレーションで石を落下させてみました。


全く立体視でもない、ただ石が落ちるだけのシーンでしたが、私のその時の率直な感想は「おぉ・・・なんか気持ちイイ気がする」でした。胃のあたりがキュっとなる、ジェットコースターに乗ったときのような気分。

私は自分の思惑が的外れじゃなかったことに満足し、
これが立体視になったら、なおのこと気持ちいいんじゃないの!ウヒヒ!
なんて勝手に喜んでいたりしました。


そんなこんなで、企画を提出、開発機材の手配、テストプロジェクト作成。忙しいながらも密度が濃い、楽しい開発期間が過ぎていきます。

そしてある日、3DSの開発機が手元に届きました。さっそくWiiプロジェクトから3DSプロジェクトへの移植作業。そして立体視の検証や組み込みも同時に開始します。

そうして、3DS開発機で立体視とともに井戸の物理シミュレーションができるようになり、社員みんなで井戸に石を落とすテストプログラムを確認することになりました。


社員がそれぞれ井戸に落ちる石を体験した結果、細かな問題点はありましたが、「これは面白い!」というのが社員共通の感想でした。

なんといっても、井戸の奥行き感、そして通り過ぎぎわに飛び出るオブジェクト。モノが重なったときには前後の関係がとても分かりやすい。想定していた効果ではあるのですが、実際に目にするとまた一味違いました。

また物理エンジンによるリアルな挙動も、それを一段と際立たせているように感じます。

立体視がここまでゲームの感じ方に影響すると思っていなかった私は興奮して、「ねえねえ、これ結構すごくない?」と、社長やデザイナー北郷や営業の中川にしつこく同意を求め、苦い笑顔を返されたのも今ではいい思い出です。


そんなこんなで、確信を得られたチームは、ガンガンプロジェクトを進めていきます。

ステージを増やし、オブジェクトを増やし、画面をどんどん追加し、すれちがい通信もできるようにし、ゲーム自体が徐々に現在のひゅ~ストンに近づいていきます。

まさに順風満帆!・・・のはずだったのですが、ここでまさか私と社長との意見の相違が表面化するのです。


【続く】


【著者プロフィール】
中川晃宏(なかがわあきひろ)株式会社ポイソフト/プログラマー
愛知で生まれ、大阪で大学時代を過ごし、名古屋→東京でお仕事、今は福岡。まさに根無し草。
なんだかんだでポイソフトで仕事するのが一番楽しいと実感する今日この頃。
小さな夢を叶えたいそこのキミ!ポイソフトに来ないか!?
《中川晃宏》
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