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JRPG新境地―イメージエポック御影氏が語る・・・中村彰憲「ゲームビジネス新潮流」第16回

JRPG――いつごろから、このような形で日本のRPGが呼ばれる様になったのでしょうか?すくなくとも筆者が米国留学時代、『ファイナルファンタジーVII』のトレイラーを店頭や劇場(!)で見たときは、そのような括りで日本制RPGが捉えられた事はありませんでした。

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―――起業直後は苦労が多かったのでは?

いやそれが、すぐにメディアビジョン、ゲームアーツなどから背景やモーション、ゲーム内シーンムービーの監督などを1人で受託しました。特段人脈があったわけでもなく、全部飛び込み営業からはじめました。電話一本で仕事を受けてきたんです。起業に関してですが、儲かることは最初から分かっていましたし、僕、営業で仕事とれなかった事ってほぼ無いので、非常についていた記憶があります。ですから悩むことも全くありませんでした。

―――営業で仕事を勝ち取る秘訣はなんでしょう?

そうですね・・・秘訣なんてものではないですが私自身が努力して培ってきたゲーム市場への知識やゲームデザインへの理解、あと売上本数をとにかく予測しまくることやゲームを作る工程に対する理解を深めるような努力、というのを心がけました。とにかく仕事を次々と請け負っていったんです。これもほとんど運ですね(笑)。

―――当然そうすると一人では請負切れなくなりますよね?

はい(笑)。そこで当時既に多くの現場で得た業界内の友達がいましたので携帯で「ちょっと会社つくって、仕事が山のように溢れているから来て!」って。気がついたら3年で100名程度のスタッフに拡大してました。しつこいようですがまたまた運です(笑)。

―――私も御社の成長ぶりを見ながらこの不況でどうして急成長したのかとただ驚いていました

いまでは大手のリードプランナーのトップがウチにいたりとか、『世界樹の迷宮』シリーズを開発した新納一哉さんや他にも沢山の経験値の高いスタッフが入ってきました。

―――大手のリードプランナーとはバイト時代に知り合ったのですか?

知り合ったというよりは、最初にご飯に連れて行ってくれた方です。お世話になった大先輩です。年齢も一回り以上上ですしね。企画のレベル自体、僕より全然凄くて、素晴らしい方です。

―――なぜそこまで優秀な人材が集まるんでしょう?

なんか、面白いんです。ウチの会社って。まず単純な請負専門からデベロッパーになるとき、「そんなに簡単に仕事取ってこれるわけない」って言われたんですが、二週間もかからず契約してきましたし、デベロッパーをはじめて2年たった時、他のスタッフと食事をしながら「イメージエポックという会社だと、デベロッパーのままじゃ将来メシ食えないや」って言ったんです。基本的に作品など著作物の権利も無いし、持って7年、企業寿命もせいぜい10年だと。そこで、08年に社内で「パブリッシャーやるぞ!」と宣言したんです。私は今29歳なんですが、30歳になる前にパブリッシャー宣言するぞと。単なる勢いかもしれませんね。

―――確かに20代のほうがインパクトがあります(笑)

で、僕が10月生まれなので、4月と8月にタイトルリリースを準備させていただきますという形で昨年パブリッシャー宣言をさせていただいたんです。こんな感じで、「それって難しいでしょ」と言われる課題を私が比較的に簡単にクリアしているようで、それを面白く思ってくれる人が多いみたいです。中身は死ぬほど働いてほら出来たと外では余裕を振りまくと!(笑)あと、将来何をやっていくかについては積極的に社内のスタッフとしゃべるんです。悩んだりすると先輩を捕まえては「僕今こういうステージだけどどう思う」って喋るんです。相談しても答えは帰ってこないので、喋るだけ。 でも、スタッフからは「御影さんが考えている事は良く分からないけど、そうやって喋ってくれるからなんとなくは理解できる」って言ってくれるんです。

―――パブリッシャーになるのは本当に大変だと思うのですがその理由は?

日本のゲームバブルは05年がピークでした。ここから10年で需要も減少していくだろうと思いました。ただ、イメージエポックという会社をうまくユーザーの皆様との対話型にシフトできれば05年から12年まではなんとかメシを食っていけるだろうと...でも、ゲーム産業の勢いが残っているうちに、パブリッシャー宣言しないともう持たないと確信したんです。米国のほうではゲームの景気が06年ごろから良くなってきたので、後は持って10年、更に7年目で一気に崩れていくので12年、13年位がやばいと思っていたんです。私が北米で確認したデータでは2010年は、コンシューマ市場が遂に広義のオンラインゲーム市場に食われました。51%がオンラインに、49%がコンシューマ市場になったんです。おそらくアメリカのゲームバブルは今年後半から来年以降数年で弾けると見ています。まあ、このことは僕が言うよりも皆さん4、5年前から計算済みだったと思いますが。

―――『ブラック★ロックシューター』は全方向で展開するとのことですが、ゲームデザインと言う視点でプラットフォームごとの棲み分けは考えていますか?

プラットフォームごとの棲み分けというのは全く考えてないです。面白そうであれば、戦略的に意義があればやるという方向です。いま、オンラインゲーム市場については導入期から成長期に突入したと見ているので、オンラインゲーム会社もぼちぼちセグメント化、細分化が進み始めているかなと感じています。いわゆる上位ソフトというのが揃ってきていて、参入障壁も高くなってきたという状況ですね。

―――今後もこのような形でコラボを進めていく予定ですか?

いま、現時点で面白く、売上も伸び、ユーザーも自分たちも幸せになる確率が高いと思っているのでやっていますが、出来れば全て社内でやりたいですね。

■「JRPG宣言」を旗印に皆で次世代のJRPGをつくりあげたい
《中村彰憲》
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