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【CEDEC 2010】グリー田中社長が語るソーシャルゲームの未来展望

昨年のCEDECで業界の注目を集め、以後も勢いを増す一方のソーシャルゲーム。その現状と展望を、グリー株式会社代表取締役の田中良和氏らが語りました。

ゲームビジネス 開発
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昨年のCEDECで業界の注目を集め、以後も勢いを増す一方のソーシャルゲーム。その現状と展望を、グリー株式会社代表取締役の田中良和氏らが語りました。

グリー田中社長


司会を務めるのは株式会社エンターブレイン浜村弘一氏。SNS「GREE」にゲームを提供するサード・パーティとして、芸者東京エンターテインメントの田中泰生氏と株式会社スクウェア・エニックスの原口洋一氏が登壇しました。

■人気の要因は3つ!

「ソーシャルゲームという言葉を聞くようになったとはいえ、家庭用ハードのゲームを開発してきた人たちにとっては、わからないことが多いのでは」と浜村氏。まずはソーシャルゲームの現状について話が進められました。

国内のソーシャルゲームプラットフォームでは「GREE」が最大規模で、2125万人の会員数を誇ります。これは2007年ごろ同社がモバイルのソーシャルゲームに注力し始めてから加速化したもので、「当初はソーシャルゲームという言葉すらない時代だった」といいます。
これまでは内部製作のゲームが中心でしたが、今年、サードパーティからのゲーム提供を受け、さらなる伸びを見せているとのことです。

ユーザー層は30歳代がメインとなりつつあり、家庭用ハードのユーザー層に重なりつつあります。ただし「GREE」ユーザーの男女比はほぼ1:1。「る年齢性別に偏ると、一番大きなパイが取れないことがあるので、あらゆる年代の人に使ってもらえるサービスを考えている」とグリーの田中氏はいいます。

モバイルでのソーシャルゲームが好調な理由について、グリー田中氏は次のように分析しています。「要因は3つ。まず、『モバイルサービスであること』。これによりゲームをできる時間が絶対的に増えます。次に『ソーシャルであること』。どこでも大人数で楽しめます。そして『アイテム課金』というビジネスモデル」。この「3段コンボ」でイノベーションが起きたということです。
また、基本的にオンライン以外のプレイヤーが存在しないことが大きく、「たまにしかオンラインにならないハードと、常にオンライン状態であるハードではゲーム作りが違ってくる」とし、ソーシャルゲームは誰もがオンラインであるという前提で作り始められるといいます。ソーシャルゲームとパッケージゲームは、TVと映画の違いに似ており、パッと見はよく似ているものの、別モノだというのです。


■サードパーティのゲームも無問題

「プラットフォーマーのゲームだけが売れているのかと思ったら、サードパーティ製のものも売れている」と浜村氏。「GREE」にソーシャルゲームを提供する芸者東京エンターテインメントの田中泰生氏を紹介します。

田中氏は「クリエイターと名乗ると数字に弱いと思われるのがイヤ」と、自ら「ファンタジスタ」を名乗っています。

同社は『おみせやさんforGREE』を展開。これは材料を仕入れ、こねて作った商品をプレイヤー間で売買するといった内容。プレイヤーは週ごとに出される「パフェを10個集めましょう」といった指令に従い、友達の店に品物を購入する遊びです。「携帯でままごと遊びをやってもらおうというゲームです」とファンタジスタ田中氏。開始1ヶ月間でユーザー数が100万人突破し、「僕らすげーな! グリーすげーな!」と驚いているといいます。

『おみせやさんforGREE』では、レアな材料やキャラクターの服を購入する際にアイテム課金が生じます。たとえば、店に人気商品のウェディングケーキを置きたい場合、ゲーム内で出る確率は低いため、課金して材料をそろえることになります。「レアなものを売りたい」、「『○○ちゃんのところでウェディングケーキを見たよ』と言われるとうれしい」といった思いが、プレイヤーの課金のモチベーションになっているといいます。

ファンタジスタ田中氏はもともと、株式会社テクモ(現コーエーテクモゲームス)でゲーム開発をしていた経験があります。そのころとの発想の違いについて問われると、「ぶっちゃけこれはゲームじゃないんです」とファンタジスタ田中氏。ソーシャルゲームにはゲーム的なルールがなく、「twitterを使うのと似ていて、プレイヤーは他人のレスポンスに喜びを見出している」といいます。

一方、スクウェア・エニックスは現在、『チョコボとクリスタルの塔』など3タイトルを「GREE」で展開中。すでに3年前からアイテム課金型のソーシャル的なゲームをリリースしているものの、「数字を見て効果的に運営するのに出遅れていた」と株式会社スクウェア・エニックス原口洋一氏はいいます。

また、長年家庭用ハードでゲームを作ってきた立場として、家庭用ハードのゲームはある程度の時間と資金をかけ作り込むのに対し、ソーシャルゲームはあらゆる企画をそぎ落とし、なるべく単純なものをリリースする点があるといいました。
「チュートリアルがなくてもすぐ入れるようにしておいて、ユーザーがどの部分に介在するのかを見ながらシステムを作り直していく」と原口氏。ファンタジスタ田中氏も同意見で、「達成度を味わいたいという声に応え、パラメータを追加しました。逆に不要なものはどこかでカットしようかなというのも考えます」と、リリースしてから開発が始まるという意識を持つことの重要性に触れました。

これについてグリー田中氏は「パチンコはレバーを右にひねるだけですが、それと同じでボタンを押すだけで面白いものを目指さなければならない」といいます。

原口氏によれば、ソーシャルゲームではユーザーの嗜好がどこにあるのか見極めることと、課金ユーザー無料で楽しむユーザーのバランスが難しいとのこと。「無料のユーザーがいなくなると、課金ユーザーもつまらなくなって、いなくなる。だから無料のユーザーがいるところがにぎわう」と原口氏。「入ってくるお客さんも多いですが、出ていくお客さんも多い。約60%は翌月には出ていきます」と、運営の難しさを語りました。

こうしたサードパーティに対し、グリーはアドバイスや情報を提供することで、人気を支えています。「我々は日々、ユーザーのデータを細かく分析しています」とグリー田中氏はいいます。パッケージ型おゲームではプラットフォームメーカーがどんなゲームが遊ばれているか把握することはできませんが、「GREE」ではグラフィカルに分析できるツールを用意しているといいます。

実際、『おみせやさん』では、ゲーム内でのアイテムの値段について分析やアドバイスがあったほか、サイト上のバナーについてもこと細かくデザインや色づかいに関する提案があったとのことです。ファンタジスタ田中氏は「それまで気を遣ったことのないところにまでアドバイスがあって、びっくりした」といいます。
グリー田中氏は「ゲームを作りたい、新しいチャンスに賭けたいと思っている人を応援できるのがうれしい」と、こうした協力体制について話しました。

■連合を組み海の向こうへ

浜村氏が「ファミコン初期のころのような活気がある」というソーシャルゲームですが、次には当然、海外市場への進出が考えられます。

原口氏がスクウェア・エニックスでは海外に開発会社を置き、国ごとに作っていこう売っていこうとしていることに触れ、「ワールドワイドの戦略がなければ明日はない。『虎穴に入らずんば崖っぷち』というスタンスで挑む」と意気込みを語ると、対照的にファンタジスタ田中氏は、まったく気負うところはないといいます。「インターネット業界には、海外で流行ったものが2年後に日本に来るという考え方の人が多い。一方、ゲーム業界では自分たちのものが海外で遊ばれるというリアリティがある」とファンタジスタ田中氏
グリーが海外進出する際は、「ぜひ連れていってほしい」といいます。

ユーザー数1億を目指す


当のグリー田中氏も海外市場に対する意欲は強いものの、facebookやtwitterなど最近まで日本に事務所がなかったようなサービスが急速に伸びている現状をかんがみ、「ゲームは海外進出に成功した数少ない産業のひとつなので、日本の連合軍を組んで一気に乗り込もうと考えている」と、その熱意を語りました。
《D》
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