任天堂らが輸入業者を提訴し、戦う姿勢を見せたことから一般にも広く知られることとなったマジコンの被害ですが、その実態については今まで本格的な調査が行われてきませんでした。今回の調査はDSとPSPを対象に、ダウンロードサイトを介してのマジコン被害に限定したものですが、初めての被害状況の推計ということで非常に興味深い内容となっています。
調査では114の違法ダウンロードサイトを調べ、ダウンロード回数のカウンターを手がかりに被害状況を推計しています。それによれば、DSとPSPを合わせた世界の被害額(発売されてから)は約3兆8160億円となり、うち日本は約9540億円となります。
被害額が多いと推計されるのは、『ポケットモンスター プラチナ』が約431億円、『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』が約402億円、『マリオカートDS』が約301億円、『おいでよ どうぶつの森』が約212億円、『ディシディア ファイナルファンタジー』が約1396億円、『ファンタシースターポータブル』が約1021億円などとなりました。この数字ではDSの数字がPSPに対して過少に出ていますが、これはDSでは日本と海外との人気タイトルが大きく異なるためではないかとしています(調査では日本の売上ランキングトップ20を対象に調査)。
違法ダウンロードサイトのサーバー設置国では1位が米国、2位が中国で、これらで60%を占めます。日本国内には確認されなかったとのこと。一方でアクセス数では1位が米国で、次いで2位が日本、3位が中国という数字になっています。
今回の調査ではダウンロードサイトのみが対象で、Winny、ShareのようなP2Pのファイル交換サイトや、メッセンジャーやメールなどのファイル送信機能を使った違法な交換については対象外とされていて、今回の推計結果を遥かに超える被害が出ているのではないかと考えられます。P2Pも対象にした更に包括的な調査も期待したいところです。
CESAでは「このような状況は、日本および世界のゲーム産業にとって死活問題で、関係省庁にも協力を依頼しつつ、各国の関連団体とも連携し、違法複製ゲームソフトの撲滅に向け、種々の活動を展開していく」としています。
※タイトル別の被害金額は資料から筆者計算
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