しかし、そのような慣れないお客さんにとってゲームショップの店頭はどうでしょうか? ゲームの並べ方は基本的に20年前から変わらず、ある程度の知識のあるお客さんを見据えて構成されたものでした。任天堂は2004年に営業機能を再編し、波多野信治営業本部長の元、ゲームの売り方を変えていきました。
その基礎となったのは、波多野氏が毎週末、近所のお店に足を運んではお客さんの様子を観察したことでした。一般のお客さんにとってゲームショップは分かりやすい場ではないと感じた波多野氏は「コンシェルジュ構想」を打ち出し、営業部員が店頭に立ち、どのような課題があるのかヒアリングを続けました。コンシェルジェから集まった情報はゲーム人口を拡大する、ということが予想以上のインパクトであったということです。
「『脳トレ』を買ったら中に小さいカードしか入ってなくて遊べない」(ハードが必要という認識がない)
「大きすぎてハードに入らない」(パッケージをそのままDSに入れようとした)
これを受けて作られたのが「Wii はじめての人に。」「ニンテンドーDS はじめての人に。」という小冊子でした。ゲーム機について本当の基本から紹介し、ゲームショップにふらりと立ち寄った人にも理解してもらうためのものです。
続いて取り組んだのが店頭の分かりやすさです。一つはメリハリをつけることで売れ筋タイトルは入り口近くに大きく、そうでないものは奥にブック陳列(本のように背表紙だけで露出する置き方)でもいい、という提案をしたそうです。店舗と協力して実験をしたところ、既に旬を過ぎていた『リズム天国 ゴールド』が再度動き出すという成果を上げられたそうです。
さらに店頭での分かりやすさを実現するために生まれたのが「Wii・DSソフト おさがしガイド」です。『みんなのニンテンドーチャンネル』のデータと連携することで、世代や性別などに応じたオススメを知ることができるほか、パッケージをかざすだけでゲームの詳細を知ることができます。年間で発売されるタイトル数は1000近いゲーム市場で、それらを網羅したコンシェルジェとして期待されます。店頭で困っているお客さんを一人でも減らしたいという思いで作られたこのシステム。まだ実験段階ですが、広がることを期待したいですね。
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