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【TGS2008】10年間のノウハウが注ぎ込まれた自信作『カルドセプトDS』

シリーズ10周年を記念する作品であり、初の携帯機対応となる『カルドセプトDS』。セガブースでは『カルドセプト』の世界を代表する3人のクリエイターが登場しました。

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シリーズ10周年を記念する作品であり、初の携帯機対応となる『カルドセプトDS』。セガブースでは『カルドセプト』の世界を代表する3人のクリエイターが登場しました。

シリーズのビジュアルを手がけるイラストレイターの加藤直之氏、中井覺氏、そして大宮ソフトの鈴木英夫社長の順で登壇されると、セプター(『カルドセプト』のプレイヤー)の視線が舞台に集中。『カルドセプトDS』のできばえに関して、鈴木社長は「10年間のノウハウを全て注ぎ込み、バランスもまろやかな自信作となっています」と自信の程を伺わせます。

鈴木社長曰く「ゲームとしてはシステマチックな所に気を遣っていますが、アートが正統派ファンタジーであるという世界観を裏打ちしている」のが『カルドセプト』。加藤氏へのオファーは「描き込んだ絵画」であったといいます。

「こういうゲームでは剣士が決めポーズを取っているようなカッコイイビジュアルが多いんですが、カッコイイばかりではなく生活感のある絵をお願いしました」(鈴木社長)。大洪水が町を襲うイラストや、モンスターがたき火をするイラストなどがスクリーンに大写しにされ、『カルドセプト』世界の広がりが示されます。

『カルドセプト』の象徴とも言える女神「カルドラ」を、生みの親である加藤氏は「カルドラさん」と呼びます。

「僕にとってカルドラは“さん”付けなんですよ。最初のイラストを何ヶ月かかけて描いて、絵を見ただけで人となりが分かるようにしました」(加藤氏)

サントラを飾るイラストですが、これまでとは異なり「カルドラさん」の頭に機械のようなものが見えます。加藤氏によるとこの機械は直前に見学した粒子加速器のイメージが広がったものとのこと。普段はホログラム(立体映像)で見えないが、これを消すことで機械が姿を現す……という、鈴木社長も知らなかった裏設定が初公開されました。

続いては、中井氏が手がけた様々なカードのイラストが表示されます。その数なんと350枚。10年で350枚なので、10日で1枚描いた計算。10年の間にツールも手法も変わっているものの「絵の芯の部分は“中井味”になっている」という鈴木社長の言葉に信頼関係の深さがかいま見えます。

『カルドセプトDS』のために新たにカードイラストを描き起こす際も、昔のものと並べた際に違和感がないようにしてある……と歴史が長いシリーズならではの配慮も披露されました。なお、中井氏のイラストによる新カード「ドラコエイビス」は発売から2週間、先行配信が行われるとのこと。

『カルドセプトDS』のイベントも加藤氏、中井氏、鈴木社長からのメッセージで閉幕となります。

小説の挿絵では編集者が間に入るが、『カルドセプト』ではクリエイターと直接やり取りができるのが楽しい……とは加藤氏の弁。「僕にとって『カルドセプト』は代表作です」(加藤氏)。「新カード20枚を追加しました。中には極めて変わった絵もあります」(中井氏)。「『カルドセプトDS』には売りのポイントが色々あります。自分で練った戦略が上手くいって嬉しい、失敗すると悔しいというゲーム本来の部分を楽しんで欲しいです」(鈴木社長)。

鈴木社長によると「2画面やWi-FiなどDSと『カルドセプト』は相性が良く、10年間で一番いいプレイアビリティになっている」とのこと。鈴木社長の自信溢れるコメントと加藤氏、中井氏の明かす制作秘話で、満場のセプターの期待は大きく高まったようです。
《水口真》
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