ただ、ネットでは賛否両論のようですね。その象徴がAmazonのユーザーレビュー欄で、議論が白熱しています。感情的な書き込みもありますが、冷静な分析も多く、なるほどと唸らせるものもある。こうした現象は、シリーズでも初めてでしょう。
これには、いろんな理由があるとは思いますが、一つ言えるのは、ゲームユーザーの多様化が進んで、もはや「ドラクエの新作」といえども、みんなの期待を満足させる内容にするのが、困難になったということなんでしょうね。僕はファミコン世代なので、前作「VIII」の8頭身キャラクターは、どこか違和感がありましたが、プレステ世代ではそれが当たり前だったりする。次回作はすでにWiiでの発売が決まっていますが、こうした問題に、どう落としどころをつけてくるのか、楽しみです。
もっとも、ユーザーの多様化という意味では、国内以上に海外市場が大きい。これまでドラクエの売り上げは海外では低調でしたが、これも文化の違いが背景にありました。ドラクエに限らず、最近では「JRPG」というラベリングも、海外のコアユーザーで広まりつつあります。日本製で、アニメっぽいキャラクターが主人公で、ストーリー主導型のRPG、という意味合いで使われるようです。
ただし、同じ国産RPGでも「ポケットモンスター」はJRPGとは呼ばれないようですね。日本と違い、海外ではアニメ版の放映をはじめ、当初からクロスメディアでゲームが展開されたことと、キッズ層向けのタイトルなので、文化的な障壁が低かったからでしょうか。それとも本当におもしろいゲームは、日本も海外もない、ということでしょうか。
「IX」の海外展開には任天堂もバックアップするとのことですが、JRPGという枠を超えて「ドラクエ」が世界の共通語になることを期待しています。
■小野憲史
1971年生まれ。関西大学社会学部卒。「ゲーム批評」編集長などを経て2000年よりフリーランスに。ゲーム業界でジャーナリズム活動を行っている。共著に「ニンテンドーDSが売れる理由」(秀和システム)、「ゲームニクスとは何か」(幻冬舎)構成協力など。
関連リンク
編集部おすすめの記事
任天堂 アクセスランキング
-
【特集】『ロックマン エグゼ』15周年特別スタッフ座談会!プリズムコンボ発覚から完結の理由まで
-
【特集】『ロックマン エグゼ』15周年記念アンケート結果発表!熱いコメントの数々をご紹介
-
『遊戯王 マスターデュエル』で人気の可愛いカードは?3位「ブラマジガール」、2位「閃刀姫」、1位は貫禄の“ドヤ顔”
-
『ポケモン スカーレット・バイオレット』御三家はだれを選ぶ?ニャオハ、ホゲータ、クワッスの人気を調査【アンケート】
-
『あつまれ どうぶつの森』島の名前アイデア50選!命名に迷っている人は要チェック
-
元ドット職人が教える『あつまれ どうぶつの森』マイデザインお役立ちテクニック!描き方の初歩から独特な「なめらか補正」まで幅広く解説
-
『ポケモンレジェンズ アルセウス』“御三家”最終進化も異なる姿に!?―新ポケモン&「ヒスイのすがた」情報まとめ
-
その「ポッチャマ大好き」に愛はあるのか?無料で貰える「特別なポッチャマ」に転売相次ぐ【注意喚起】
-
SF人狼ADV『グノーシア』の「ジナ」が魅力的すぎるので話を聞いて欲しい─彼女が深刻に好きなあの人からのコメントも
-
『あつまれ どうぶつの森』マルチプレイをさらに楽しむ10のコツ! 準備しておけば一緒に遊ぶのがさらに楽しく