決算説明会では、主に第3四半期と年明け以降の販売動向が数字を中心に紹介されています。任天堂の業績は第3四半期時点では過去最高益を更新し好調でしたが、円高による為替差損もありました。第4四半期については、昨年の同期と比べると売上が減少する予想となっていますが、これは円高が進んだためで、仮に為替レートが昨年と同じであれば売上高は昨年度と比べて10%程度増加する計算になるということです。
足元の販売状況は北米、欧州ともに好調で、昨年Wiiは北米で1017万台、欧州で830万台、ニンテンドーDSは北米で995万台、欧州で1120万台が販売されています。また、年明け以降も昨年を上回るペースで販売が進んでいるそうです。
岩田社長は日本市場におけるDSとPS2の普及台数の比率から、海外でのDSのさらなる普及の可能性を指摘しています。既に日本国内ではDSがPS2の販売台数を超えていますが、この比率にもしも海外でも近づくとすると、北米では2760万台から5110万台まで、欧州では3140万台から3810万台まで数字を伸ばしていく可能性があるとしています。また、「1人に1台」という携帯ゲーム機の特性からすれば、人口規模まで拡大する可能性もあるのではないかとしています。
日本で1億2000万台売れるというのは冗談としても、任天堂の進めてきたゲーム市場の拡大はまだその途上というのが任天堂や岩田社長の考えのようで、昨年非常に大きく伸びた欧州市場や、欧州の中でもまだゲームが普及していない所要国以外にも拡大していくポテンシャルがあると説明会では述べられています。
とはいえ好調が永遠に続くわけではなく、岩田社長は「娯楽は天国か地獄しかない」という山内前社長の言葉を忘れず、今後も驚きがあり多彩な提案を続けていくと締めています。
ちなみに、任天堂は従来の5年毎に新ハードが出るというプラットフォームサイクルという考え方は取らないとしていますが、次のハードの可能性については、「確かに、技術はどんどん進歩しますから、ひとつのハードの寿命が永遠ということはありえないと思います。いつかは新しいプラットフォームが必要になるときは来ると思いますし、これまでもそうであったように、任天堂はそのための準備をもちろん始めています。しかし、お客様の層が劇的に広がっている今、"過去に5年サイクルでビジネスが一巡したから次も同じようになるはずだ"ということが本当に当てはまると考えるのは、必ずしも適切ではないと私たちは考えています」とコメントしています。
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