気温もどんどん上がっていく6月中旬。お隣のオンラインゲーム界では、韓国のお国柄を反映したイベントが開催されました。
MMORPG『ストーンエイジ』韓国版では、愛国心を考える護国報勳の月を記念するイベントを開催。国旗である太極旗を入手して経験値アップなどのアイテムと交換することができます。『ストーンエイジ』は日本産のMMORPGですが、オンラインゲームで大切となるのが現地を意識した内容とすること。年中行事に積極的に働きかけていくのは現地プレイヤーへ有効なアピールといえるのではないでしょうか。
MMORPG『新・天上碑』韓国版では、プレイヤー製作によるラジオ番組の配信プロジェクト「天上碑音楽放送」が4年ぶりに復活。プレイヤーの中から選ばれたDJが音楽をかけたりトークを披露したりします。メーカースタッフが配信するネットラジオは日本のオンラインゲーム界でもよく見られるのですが、プレイヤーが番組を作ってゲーム内で配信するというのはUCC(User Create Contents:ユーザーが自主製作したコンテンツ)に注目が集まる韓国ならではのできごとです。
MMORPG『RF online』韓国版では、ゲーム内の「族長」にリアルマネーによる給料が支給されます。「族長」はゲーム内選挙で選ばれ、種族をまとめて戦争で勝つことが要求される責任ある仕事。任期が長くなるほど給料も上がり、政権を一ヶ月維持すると約38万円となかなかの収入となります。やろうと思えば『RF online』で生活することも夢ではないはずで、プロゲーマーの新たな形といえるでしょう。
ゲームと現実が結びつくのは韓国オンラインゲーム界の大きな特徴。今回取り上げたニュースはいずれもゲームが現実へと働きかけをしているものです。石器時代を舞台としたMMORPGに現代社会のイベントが関与する。武侠小説がテーマのMMORPGで現代のロックやイージーリスニングがかかるラジオを放送する。ゲームをプレイすることで現実のお金が得られる。『ウルティマ オンライン』をはじめとするオンラインゲームは、ゲーム内で現実を再現することに心血を注いできましたが、今回取り上げたケースはその変形といえなくもないでしょう。
現実の介入は魅力的である反面、様々な問題も引き起こします。韓国では新タイトルを立ち上げる際にゲーム機や商品券などを用意したイベントを行いますが、イベント後に接続数が激減する例も少なくありません。ゲームのデータに人気が集まればRMT(リアルマネートレード。ゲーム内のアイテムやお金を、現実のお金すなわち円で買う行為)や育成代行(キャラクターを代わりに育てる)が行われ、業者がオイシイ狩場を占領したりといった弊害が発生します。オンラインゲームの歴史とは、ゲームと現実がいかに折り合いを付けるかという手探りの歴史であるのかも知れません。
今回取り上げた3つのアプローチは現実への関与の度合い、影響を与える度合いも様々です。国民意識に訴える『ストーンエイジ』型か。数として埋没しがちなプレイヤーの個性を押し出す『ストーンエイジ』型か。そして生活の中心へとゲームを据える『RF online』型か。どのやり方が支持されるのか。どのやり方が接続数を稼ぐのか。どのやり方が話題を呼ぶのか。そして、どのやり方がオンラインゲームの発展にプラスの寄与をするのか。ゲームから現実へのアプローチは、様々な問題をはらみつつもオンラインゲーム界の重大なテーマとして模索され続けそうです。
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