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待望のKey最新作『anemoi』にはポストアポカリプスな一面もあった―「幸せになって欲しい」と思える、過酷な世界を前向きに歩む人たちの物語

タイトルの「アネモイ」とは、「風」や「風の神」を意味する言葉です。作中でも、「風」とそれに導かれるように進んでいく「旅」が重要なキーワード。

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待望のKey最新作『anemoi』にはポストアポカリプスな一面もあった―「幸せになって欲しい」と思える、過酷な世界を前向きに歩む人たちの物語
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都会から離れ、北の大地にある「風の町」で繰り広げられる物語を描いた、4月24日発売の恋愛アドベンチャーゲーム『anemoi(アネモイ)』。

アニメ化もされた人気作『CLANNAD』やスマートフォン向けアプリ『ヘブンバーンズレッド』など、数々のヒット作で知られるビジュアルアーツのブランド「Key」から贈られる最新作であり、フルプライス作品としては2018年の『Summer Pockets』以来、約8年ぶりの新作タイトルとなります。

「約束は、風のなかに―」。本稿では、そんなキャッチコピーで描かれる「風」がテーマの作品の先行プレイレポートをお届けします。ネタバレはせず、あくまで物語冒頭や本作の雰囲気について言及しています。

旅の途中で訪れた「真澄町」で巻き起こる賑やかな日々

本作の主人公は、妹の「速川 六花」と共に北の大地を旅する青年「速川 麦」。

彼らが旅の目的地を前に滞在することになった「真澄町」を舞台に、人々との出会いや交流の日々が描かれる作品となっています。

麦ら兄弟は野宿の最中に馬に乗った少女「スピカ」と出会います。

彼女が出入りする動物病院から町役場の観光課を紹介され、「移住体験プログラム」によって、町の手伝いをしながら廃校の一室に住まわせてもらうことに。

真澄町は人口千人ほどの小さな田舎町で、人々は助け合いながら暮らしています。麦も旅の経験を生かし、大工仕事などで町民の手助けをする仕事を通じて、ユニークさ溢れる人々との邂逅を果たしていくのです。

風車の修理に赴けば、傘を手に空を飛ぶ少女「総羽 愛乃」に。

町中では、真澄町唯一の郵便屋として一人前になるべく、危なっかしくも自転車での郵便配達に勤しむ「白渡 小詠」に。

そして夜に天文台に行けば、星空を眺めながら自らの方が美しいと称し、美しいものだけを集めた「美地図」を作っていると語る、結構ヤバそうな美女「淡雪 陽彩」に遭遇。

兄の嫁候補採点ノートを作成するほど、心からリスペクトを抱いてくれている妹の六花も含めて、ヒロインたちはそれぞれインパクト十分です。

本作ではそのほかの登場人物も、急に町に現れた麦たちに好意的な親しみやすいキャラクターばかり。日常におけるやり取りは明るいコメディタッチで、心地よいテンポ感で読み進められます。

スピカの焼いてくれる絶品のピザを楽しんだり楽しみ損ねたり、さまざまな事情で学校に通えなくなった子供たちや、学校に憧れる六花のために「青空教室」を開くべく動いたりと、流れ者である麦もこの真澄町での日々を、次第にかけがえのないものへと感じていきます。

10年前の深刻な災害と、風を巡る「不思議」

そうして穏やかな日々を迎えていく中、学校に棲み付く人ならざる「なにか」に対峙することになるあたりから、次第に物語の表情は変化をはじめます。

スピカの協力によって「なにか」を退けたものの、「風」からのメッセージを読み取れるという彼女の言葉の数々や、窮地に陥った麦が発揮できる瞬間的な時間を超越した集中力など、ストーリーにおける「不思議」なテイストが表層へ。

そして明かされるのは、この世界で10年前に発生したという「地球規模の大災害」についてです。

当時、多くの人々が犠牲になり、電子機器や交通網は破壊され磁場が乱れたことで、その後も異常気象や突発的な自然災害が当たり前になってしまっていたのでした。

ここまで描かれてきた人々の会話や交流における現代的なエッセンスに対して、らしからぬ日常の不便さやそれぞれの境遇は、10年前の災害によるものだったのです。麦も、ヒロインたちも、町の人々も、生き残った人々は何らかの心の傷を抱えたまま、それでも寄り添い合うことで前を向きながら日々を力強く生きているのでした。

そしてプロローグを終え、物語は分岐点へ。麦は拠点となるバーに寄せられる町民からの依頼を解決していくこととなります。

時には何気ないお悩み解決に、時には依頼とも言えないような穏やかな時間を過ごし、その過程で少しずつ、ヒロインたちの背景へと歩み寄ることで個別のChapterへと枝分かれしていきます。

拠点となるのは「真澄町観光兼移住振興兼子育て支援課」兼Bar。良い店名ですね。

それぞれの想いや事情を抱きながら生きるヒロインたちと、「10年前に家族で思い出を埋めた地」へ向かって旅をする麦と六花の物語は、どのような結末へと導かれていくのでしょうか……。

「幸せになって欲しい」と思える作品

『anemoi』における「10年前の大規模災害の影響が色濃く残る世界」という舞台設定は、「ポストアポカリプスもの」と表現することもでき、実際に登場人物たちは災害に家族や思い出の数々を奪われた過去を抱えています。

しかし、物語全体に暗い影が落ちているかと言えばそんなことはありません。誰もが一生懸命に生活する姿に加え、下ネタやパロディも遠慮なく盛り込まれたギャグや、明るいキャラクターたちによるコミカルな掛け合いが中心となったテキストによって、プレイ中は思わず笑ってしまっている時間も長かった印象です。

野球ネタ、そして北の大地ネタ多めでお送りいたします。

それだけ明るい物語であるからこそ、時折見える"影”の部分や各Chapterで見えてくるシリアスさが際立って感じられ、ロジックだけではない「不思議」な要素によってストーリーが大きく動き、ムードが変化していく体験が本作の特徴であり魅力と言えます。

グラフィックやサウンド、演出も心地よく、クリックで読み進めて行くだけでも没入感は十分。恐らく分岐に影響がないであろう選択肢でもテキストが変化して楽しめますし、その選択によってゲーム中に達成した「Reword」がカウントされていくので、周回しながら全部集めたくなる遊び心も素敵です。

そして恋愛アドベンチャーゲームの肝とも言えるヒロインたちは、いずれも可愛いだけでなく生い立ちを掘り下げたくなる“気になる”存在であり、かなり魅力的。

中でも自己肯定感ストップ高のポエティックニートである淡雪は、非常に「おもしれー女」として常に笑わせてくれたので、個別シナリオでどんな一面を見せてくれるのかという期待感もあります。

「放っておけない」と「放っておいてはいけない」の絶妙なバランス。

対して、主人公の麦は何でも起用にこなすタイプですが、真澄町を訪れてからも根底には「旅」という目的があり、最初はそれ以外の物事や人々に対して距離を保っている、どこか“諦め”のような雰囲気を抱えた人物に映りました。

そのため感情移入しづらく感じる面もありましたが、彼もまた抱える過去の傷と向き合い、物語の中で成長をしていきます。

そうしたキャラクターたちの良さもあって、過酷な状況でもお互いのことを思いやりながら、そして確かな個性を溢れさせながら生きる人々に「幸せな結末を迎えて欲しい!」と強く感じることが、大きなプレイの動機付けに。

ひとつの個別シナリオを終えるとまた次へと進みたくなる作品でもあり、「やっぱり恋愛アドベンチャーゲームって良いな」と思える魅力がありました。

攻略対象ヒロインじゃないのが惜しいサブキャラクターも。

『anemoi』は、数々の名作を生み出してきた「Key」ブランド、久々のフルプライス作品であり、それぞれ思い出に残る作品によっても「らしさ」を感じるポイントは変わるはずですが、この「みんな幸せになって欲しい」気持ちや温かみ、そして「不思議さ」は、ブランドのファンにも初めての人にもオススメできる部分ではないでしょうか。

タイトルの「アネモイ」とは、「風」や「風の神」を意味する言葉です。作中でも、「風」とそれに導かれるように進んでいく「旅」が重要なキーワード。

気圧の差によって空気が動く自然現象が、不思議と心地よく感じられ、生活に利用することもあれば、災害となって人間を襲うこともある。身近で、それでいてコロコロと姿を変える、不思議な「風」にまつわる物語が楽しめる作品になっています。


anemoi』は、2026年4月24日よりWindows PC向けに発売中です。

©VISUAL ARTS/Key


anemoi 初回限定版
¥10,295
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
anemoi クリアファイル キービジュアル CFGA-A001-m06
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