■「値段の変動は面白いですね」

『カービィのエアライダー』が持つユニークさのひとつに、「オレマシン」という機能があります。柄やデカール、アクセサリーなどと自分好みにデコレーションし、自分だけのマシンを生み出すというものです。

しかも、作り上げたオレマシンは、オンラインにある「オレマシン市場」で出品できます。売れれば売れるほど値上がりするため、魅力的なマシンを作れば人気に応じて高値で取引されることでしょう。

出品しても手元のマシンはなくならないので、安心して出品できます。ただし、市場でマシンが売れても、出品者にお金は入りません。失うものがない代わりに、お金も手に入りませんが人気の度合いで満足感を得られるというユニークな仕組みになっています。桜井氏も「お金が儲かるわけではありませんが、値段の変動は面白いですね」と述べています。
■「ちょっとしたズルもOK!」

『カービィのエアライダー』にも、お題をクリアしてマスを埋めていく「クリアチェッカー」という機能があります。シートの中には「オンライン」もありますが、オンラインのシートで得られる報酬の中には、マシンやライダーなどは含まれていません。

難しいと感じた時は、ルールをいじって有利な状況にしても、何ら問題ありません。「まっとうに挑むのも良いですが、ちょっとしたズルもOK!」「それも遊び手の工夫かなと」と、桜井氏の頼もしい発言が背中を押してくれます。
桜井氏はかつて、自身のYouTubeチャンネル「桜井政博のゲーム作るには」にて、「ズルを許す 【ゲーム性】」という動画を公開したことがあります。
この映像内で、内部パラメーターを書き換えるようなものは論外だとしつつ、「ゲーム内でできる、ある程度のズルは許容したほうがよいと思います」「完全に平坦な道を進むのは、あまり面白くないですからね」と語っていました。その姿勢が、『カービィのエアライダー』にも受け継がれているのでしょう。
■「“おグミもち”を目指してください!」

収集要素のひとつ「グミ」は、作中に登場するマシンを模しており、様々な形のグミが存在します。オンライン対戦で順位が上回ると、そのライバルが乗っていたマシンのグミを手に入れることができますし、オフラインのひとり用プレイでも少しずつ入手可能です。

このグミは、発射したり吸い寄せたり眺めたりと、現実世界の玩具のように遊べるもので、レースが有利になるような要素ではありません。そのため、無理に集める必要はないものの、あればあったで楽しそうです。桜井氏も、「“おグミもち”を目指してください!」と、収集をお勧めしています。
■「ゲームは面白くなくなってしまうかもしれませんが」

桜井氏が特に力を入れたかったものとして、「酔い対策」が挙げられました。個人差こそありますが3Dのゲームは酔いやすく、遊びたいけど気分が悪くなってしまって遊べない、といった人も少なからず存在します。

こうした画面酔いへの対策が施されており、酔いにくいよう表示を増やしたり、画角を変更できるなど、細かな設定変更が可能です。また、細かく設定するのが面倒な場合、「酔い対策セット」(強弱の選択も可能)が用意されています。

「酔いにくいカメラは演出のないカメラ」「ゲームは面白くなくなってしまうかもしれませんが、それでも体質などによりますからね」と、ゲームの質だけでなく、より多くの人が体験できる選択を選んだ桜井氏。この機能で救われるユーザーもいることでしょう。
■「22年前かー」

『カービィのエアライダー』のamiiboは、従来のものと違い、そのサイズがボリュームアップ。また、ライダーの載せ替えも可能と、機能面でもパワーアップしています。またゲームとリンクし、フィギュアプレイヤーとしてライダーの育成も可能です。

「こんなに豪華な仕様だと、あまり種類は作れないだろうなあ」と口にしつつも、その直後に桜井氏は、新たな『カービィのエアライダー』のamiiboを取り出します。

以前発表した「カービィ+ワープスター」「バンダナワドルディ+ウィングスター」に加え、新たに「メタナイト+デビルスター」「デデデ大王+タンクスター」「コックカワサキ+ホップスター」の3種類をお披露目し、またしてもユーザーを驚かせました。もちろん、この3種類も載せ替え可能です。


ただし、この展開には桜井氏も少なからず驚いたようで「ホントに作るの!?」「これは驚き!」「こんな時代が来るとは、前作制作時には考えもつかなかった」と率直に明かしました。「22年前かー」と感慨深げに締めくくる姿も印象的です。


今回の「Direct 2」でも、刺激的な発言や桜井節がいくつも飛び交いました。この他にも、「DLCの発売は予定していない」「ここにあるものがすべてです」「シリーズを重ねるつもりもありません」「最初から本作は全力投入のつもりです」とも述べており、本作に対する手応えを感じさせます。
桜井氏渾身の『カービィのエアライダー』は、2025年11月20日に発売されます。当日から遊びたい人は、今のうちに予定を空けておきましょう。














