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『ペルソナ3 リロード』は全力疾走した後の心地良い疲労感と“筋肉痛”が心地良い。スイッチ2でも月光館学園に編入できるぞ!【祝】

ニンテンドースイッチ2版は発売中!この機会に推すしかない!

ゲーム 特集
『ペルソナ3 リロード』は全力疾走した後の心地良い疲労感と“筋肉痛”が心地良い。スイッチ2でも月光館学園に編入できるぞ!【祝】
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本記事には『ペルソナ3 リロード』
エンディングのネタバレが含まれています。
読まれる前はご注意ください。

『ペルソナ3 リロード』ニンテンドースイッチ2版が、10月23日に発売されました。月光館学園での胸躍る1年間がスイッチ2でも味わえるとあって、期待に満ちている月光館学園OBの方々も多いのではないでしょうか。

もう他機種でプレイしたし……という方でも「最新ハードのスイッチ2でプレイする」というワクワク感はありますし、反対にスイッチ2しか持っていないという方はもちろん、これまで遊ぶ機会を逃していた方もいよいよ本作をプレイするチャンスです。

そこで本稿では『ペルソナ3』好きの筆者が、『ペルソナ3 リロード』スイッチ2版の発売を記念して、改めてその良さを語っていこうと思います。『ペルソナ3』は青春を命がけで駆け抜けるから良いんだよ!!

◆“無個性のように見える主人公”という「仕掛け」

「ペルソナ」シリーズに用いられる“ペルソナ”という単語は仮面を意味しており、ユング心理学で用いられる言葉です。「ペルソナ」は相手に見せる自分、「シャドウ」は抑圧された自分を指していて、本シリーズでも敵・味方として両方がもろに言及&反映されています。

そしてユングが提唱したモノの中のひとつに、“集団的無意識”というのもあります。これはザックリ言うと、「意識」と「個人的無意識」があって、そしてその奥にもうひとつ「人類すべてが共有している無意識」があると提唱したものです。

例えば“月”を信仰するとか、遠く離れた人々の思考が似通うのって変じゃない? つまり、人間はみな精神の奥底で繋がっている!……とユングは考えたわけですね。

「ユング心理学はプレイしていたらちゃんと理解できるし、この説明も必要かな……?」と思うくらいですが、最近ではフロイト、ユングの影響を受けたと公言する作品も減った令和7年のため、改めて書いておきます。「ペルソナ」シリーズは、フロイト、ユングの心理学に目を向けていればなおのこと楽しいからです。

余談ですが、フロイト、ユングの心理学は芸術にも大きな影響を与えました。アンドレ・ブルトンの「シュルレアリスム宣言」からシュールレアリスムが生まれ、その過程で“概念そのもの”を描写する流れが生まれたのです。

「ペルソナ」シリーズは端を同じくすれどもシュールレアリスムではありませんが、「ベルベットルーム」はエレベーター、車内、牢屋と、“無意識”を感じさせてくれるような要素が多く、近い何かを感じますね。影時間の人間たちが棺桶になっていることは、実にシュールレアリスムチックです。

そんな『ペルソナ3』において、主人公は冒頭、“ほぼ何もない存在”です。作中でも触れられている通り、その虚無から1年を生きていくということが物語。主人公は、無個性のように見えながら、しっかりと「物語の主人公」なのです。

選択肢は初っ端からぶっ飛んでいることもあります。

主人公は、序盤は本当に何を考えているか分からず、ともすれば「自己投影用のプレイアブルキャラかな?」くらいに思ってしまうかも。

しかし、本作に心つかまれたファンならもうお分かりの通り、それは違います。ストーリーは、次第にできていく周囲との関係性を通じて、“主人公がどういった人間なのか”が見えてくる構造です。

例えば、友達で仲間の「伊織順平」が主人公にライバル心を抱くことで、逆に「主人公が獲得している信頼度」がわかりますし、コミュニティを広げていくことで、優しさや変人度合いも明らかになります。

まあ、「ペルソナ」恒例の「何股するんだこいつ」ということはちょっとわかりかねますが……!無口であるにもかかわらず「主人公のキャラ」が立っていく。これは『ペルソナ4』『ペルソナ5』でも同じですが、非常に見事な仕掛けだと感じられます。

もちろん、ゲームならではの没入感があるため、プレイヤーと主人公はかなり近い存在。主人公を浮気させているのは、最終的にその選択肢を取ったプレイヤーです。しかし、どこかで「主人公は自分とは少し違う存在なのだな」と理解していくのです。

そして、その彼が自分(プレイヤー)と決定的に乖離した瞬間が、本作のエンディング。この「自分と主人公が引きはがされる瞬間」が、筆者含むプレイヤーたちにはきっと忘れがたく、この瞬間こそが、今なお『ペルソナ3』が名作と語られるひとつの理由でしょう。

◆全力疾走した後に汗をかいて寝っ転がるような「ゲーム体験」

さて、『ペルソナ4』のテーマは真実の探求で、『ペルソナ5』は自由。そして『ペルソナ3』のテーマは“生と死”です。先ほど述べた乖離は『ペルソナ3』ラストシーンのことで、要するに「主人公のこの世からの消失」にあたります。

作中でも語られますが、「命の答え」で避けられないのは肉体的な死。『ペルソナ3』の主人公にはその先がないのです。

これは残された者たち(ファン含む)には本当に辛く、ゲームクリア後に狂ったように「キミの記憶」を聴きまくった人も多いでしょう。今聴きたくなった人のために、Spotifyのリンクを添えておきますね!

そして結局、「どこが『ペルソナ3』の良いところなのよ!」という問いには、青春ジュブナイルというジャンルで「青春を駆け抜けて消えていった」ことを答えたいと思います。

『ペルソナ3』は、この“青春という重さからの解放感”、まるで全力疾走した後に汗をかきながら……月光館学園の屋上で休むような心地良さ……。書いているだけで泣きそうになりますが、これがたまらなく美しいのです! ネタバレ上等で本稿を読まれている未プレイの方は、とにかくこの良さを味わうため、ぜひプレイしてみてください!!

青春とは甘い恋や汗飛ぶストーリーばかりではなく、ときに命を賭けていて、走り続けていて、ギラついているもの。順平のように迷っていたり、荒垣先輩のように荒んだりしている時も、ひたすらに「生きている」のです。

『ペルソナ3』の主人公は、それ以前は“うつろ”でしたが、しかし1年間だけ生きました。青春が命を賭けるものだとしたのなら、これを「青春ジュブナイル」と言わずしてなんと呼ぶべきでしょう。終わりがあるから美しいのです。

その一方で、終わりとか嫌だな……とか主人公助けてほしいな……とか願ってしまうのが性。それに対するアンサーが後日譚「Episode Aegis」だとは、頭ではわかっているんですよ!

でも『ペルソナ3 リロード』を起点に、今後も『ペルソナ3』IPが展開してほしい。そして『ペルソナQ』『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラス―プレックスホールド』『ペルソナ3 ダンシング・ムーンナイト』系列もほしい。

待望のフルリメイク作『ペルソナ4 リバイバル』も控えていますが、それとは別に何とかなりませんか……!? 複雑でめんどくさいファン心理が疼きます。

さらに『女神異聞録ペルソナ』『ペルソナ2』も忘れられないという方も、きっと多いはず。それでもひとまずは『ペルソナ3 リロード』ニンテンドースイッチ2版にて、もう一度月光館学園に編入してみてはどうでしょうか……筆者は沼り続けているので、まだまだ在学中です!


ニンテンドースイッチ2版『ペルソナ3 リロード』は、2025年10月23日より発売中。Game*Sparkでは発売記念インタビューも掲載しているので、ぜひあわせてご覧ください。




ペルソナ3 リロード 公式設定画集
¥3,850
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《高村 響》
【注目の記事】[PR]

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