
『サブノーティカ2』の開発元Unknown Worldsが、創設者2人と元CEOを相手に訴えを起こしました。3人が解雇前に機密資料を盗み、スタジオと『サブノーティカ2』の評判を傷つけたとしています。
長く続く『サブノーティカ2』騒動
2026年への発売延期が発表された『サブノーティカ2』を巡り、Unknown Worldsとそこにいた元社員、パブリッシャーのKRAFTONの間で以前より騒動が起きています。
Unknown Worldsを解雇された元幹部であるチャーリー・クリーブランド氏、テッド・ギル氏、マックス・マクガイア氏、の3人が、パブリッシャーであるKRAFTONに訴訟を起こしたのは、Game*Sparkでも既にお伝えした通りです。
該当の3人は一部メディアが伝えていたインセンティブの独占といった噂を否定し、「『サブノーティカ』は私の人生の仕事であり、それを自ら放棄することは決してない」とコメントしていました。
一方、KRAFTON側も公式声明を発表。元幹部らの職務放棄が『サブノーティカ2』の開発に混乱とスケジュールの大幅遅延をもたらし、経営陣交代に至ったと述べました。
元幹部による「悪質行為の“三重奏”」と批難
そして、ファンだけでなく業界注目の法廷闘争に新たな展開が訪れました。創設者含む3人にとって古巣であるUnknown Worldsが、「解雇直前に数万件もの社内データをダウンロードし雇用契約に違反しただけでなく、スタジオと『サブノーティカ2』の評判に傷をつけた」とし、訴えを起こしたのです。
訴状によると、クリーブランド氏は同社のGoogleドライブと会社の共有フォルダから72,140個のファイルをダウンロード。ギル氏は、すべてのメールやデータを丸ごとダウンロードし、「ITセキュリティのアラートを発動させた」うえに、解雇が近いことを知った数日後にも同様の行為を繰り返しました。
そしてマクガイア氏は『サブノーティカ2』だけでなく、他作品に関するデータ含む99,902個のファイルをダウンロードしたと主張。その中には「ゲームデザインや『サブノーティカ』のコンセプトなど、機密情報、専有情報、および機密文書を含む大量の資料が含まれている」とのことです。
またGamesIndustry.bizによれば、この大量ダウンロードについて追及された3人は、「ファイルを削除すると脅迫し、機密情報をDLしたと思われるデバイスの提供・返却・確認を拒否」したそうです。
Unknown Worldsは3人が持ち出した全資料の返還と、「雇用期間中に開発したゲームデザイン、ゲームコード、プレイテスト、シナリオや映像」に対する権利・所有権・利益は同社にあるとする決定を求め、訴訟費用含む損害賠償を要求している、と報じています。
また、このほかにも訴状には元幹部3人が『サブノーティカ2』をKRAFTONによるマーケティング、プロモーションといった支援をなしに、自社でリリースすると脅迫したため、「彼らを解雇せざるを得なかった」などの主張も見られます。裁判の泥沼化は避けられそうにありません。