5月30日に発売が控える『エルデンリング ナイトレイン』は、『エルデンリング』の世界をベースに、Co-opの遊びを中心に再構築したアクションゲームです。
挑むたびレベル1からスタートし、効率のよい強化を目指すMOBAやローグライトに近いサイクル。ダメージウォールで徐々に探索範囲が狭まるバトロワ的なシームレスなマップ。キャラメイクなしで、固有のものから選択することになる操作キャラクターなど、ソウルシリーズをベースにした新たな遊びとしてみても、単純にCo-opゲームとしてみても、かなりユニークかつ、ハードな作品に仕上がっていました。
本記事では、そんな本作を発売前にプレイした感想を詳しくお届けします。なお本作はマルチプレイタイトルということで、Game*Sparkではさまざまな視点から紐解くレビューやプレイレポートを掲載しています。
Co-opに特化した新たな『エルデンリング』の形

『エルデンリング』でもおなじみの「円卓」が本作でもハブのような役割を担っており、そこから「夜の王」を倒すべくフィールドに出撃します。3人チームのCo-opとなっており、プレイヤーはそれぞれユニークなキャラクターから1人を選びます。
それぞれのキャラクターはクールタイムを持つ固有の「スキル」と、大技となる「アーツ」を使用することができます。基本的には『エルデンリング』および過去のソウルシリーズと大きく操作の変わらない本作ですが、この「スキル」はY+LT、「アーツ」はY+RTで発動する形となっており、このあたりが一応『エルデンリング』にはない操作になっています。

たとえば、キャラクターの一人である「守護者」は初期装備に対物100の大盾を持つ、いわゆるパラディンのような役割のキャラクターです(鳥人といった外見で、羽が片方折れているのがかっこいい)。スキルはシンプルな範囲攻撃となっていますが、アーツでは周囲にダメージを無効化する防御陣を展開することができます。

THE・魔法使いな性能の「隠者」は、魔術や祈祷を使って戦うキャラクターです。本作にはFPの回復手段である「青雫の聖杯瓶」がないのですが、代わりに、敵に攻撃したさいに付与される「属性痕」を吸収するスキルを使うことでFPを回復することができます。属性痕を3つ吸収すると、その属性の組み合わせによって異なる強力な魔法を放つことも。

キャラクターを決めたら、いよいよフィールドに赴きます。フィールドはある程度の大きさのシームレスなマップになっており、プレイヤーはあらかじめ定められた地点まで霊鳥で飛ぶことで探索を開始します。
フィールドに降り立った時、プレイヤーはレベル1の状態でスタートします。まずは周囲のザコ敵を倒し、ルーンを入手して、祝福でレベルアップをしましょう。レベルアップ時には能力の振り分けをすることはなく、キャラクターごとに定まった値で自動で成長します。

マップ画面を開くと、フィールド上にある施設の場所をみることができます。鍛石が入手できる坑道や、敵が闊歩する拠点、聖杯瓶の上限を増やせる教会の場所などが表示されており、今必要な強化に合わせて目的地を定めます。ピンを打ってそこへ向かい、チームで協力してその場所を制圧したり、そこにいるボスを倒したりしながら、新たな武器やアイテムの入手、レベルアップを目指していきます。

味方のHPが0になり、倒れてしまった時は、制限時間内に味方を攻撃し続けると復活させることができます。しかし、倒れるたびに、復活に必要な攻撃量が増えるため、何度でも簡単に復活させられるわけではありません。敵の攻撃をかいくぐりながら味方に攻撃し続けるのは至難の業。あたりまえですが、まずは死なない立ち回りが求められます。
バトロワ的な縮小円をかいくぐり、夜の王へ挑む

夜の王を倒すには、このフィールドでの3日間を生き抜かなければいけません。フィールドを取り囲む、入るとダメージを食らってしまう「夜の雨」のエリアは、時間経過とともに徐々に狭まっていきます。夜の雨が次にどのあたりまで迫ってくるのかは、マップ画面に表示される円を見ればわかるため、それも参考にしつつ目的地を定めます。このあたりのプレイ感覚はかなりバトロワに近い印象。
とはいえ、これは対人戦ではなく、あくまで夜の王を打倒するための協力プレイ。何度もフィールドを訪れていると、だんだんと美味しい敵の存在や、優先的に訪れたほうがいい施設などが分かってきます。しかし、フィールドは入るたびに様相を変え、そうもいかないトラブルなども当然発生するため、臨機応変な対応が必要です。

夜の雨が最大まで狭まると、その範囲内でのボス戦がはじまります。今まで手に入れた強化やアイテムを総動員して倒せば、その1日は終了。2日目がはじまると、夜の雨は一番外側に戻るので、1日目に行けなかった施設や、さらなるアイテムを求めて探索を続けます。2日目のボスも倒し、3日目がはじまると、ようやく夜の王に挑むことができます。

最初に挑める夜の王は「三つ首の獣」と呼ばれており、その名の通りケルベロスのような外見をしています。体から伸びる鎖についた剣でリーチの広い攻撃を行ってくるほか、突然炎を吐いてきたりとやりたい放題。初見は惨敗に終わりました。
2回目に三つ首の獣の元にたどり着いた際には、自身もチームもだんだんと慣れてきており、強化も十分といった状態での戦いとなりました。結構倒せそうなところまで行ったものの、これも敗北。
『エルデンリング』およびソウルシリーズは、基本的にボスとの再戦までのサイクルは短く、何度も何度も挑んでコツを掴み、勝利することになります。しかし、本作は3日目までのフィールドでの強化のサイクルを挟んでようやく挑める形なので、再戦自体がなかなか遠いのです。その分、フィールドへの理解が深まり、だんだんと効率よく強化できるようになってきて、フィールドそのものへの攻略が上手くなっている実感は出てきます。

4回目の挑戦では、効率のいい強化方法への活路が見え、かなり余裕のある状態で挑むことができました。それでも苦戦は強いられましたが、なんとか撃破。その後、これからが本番だと言わんばかりにいろいろなコンテンツが開放されました。これでチュートリアル……!さすがにフロムゲーといった感じです。
実際に本作がリリースされれば、ネット上に効率のいい強化方法などがすぐに出回りそうな予感もしますが、決まった3人と一緒に完全に手探りで遊ぶのもそれはそれで楽しいかも。いずれにせよ、全体的に「『エルデンリング』をクリア済みの3人と遊ぶの前提」と言えるほどの難易度や要素の数であり、なかなかにハードなタイトルとなっていました。
『エルデンリング ナイトレイン』は、PC(Steam)/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに2025年5月30日発売予定です。