
任天堂は、ものづくりに対する考えやこだわりを開発者みずからの言葉で伝えるインタビュー企画「開発者に訊きました」の第18回を公開しました。ニンテンドースイッチ2向けに発売される『マリオカート ワールド』が、当初はスイッチ向けに開発されていたことを明らかにしました。
当初はスイッチ向けに開発―企画と性能のバランスが問題点に

スイッチ2向けに6月5日に発売予定の『マリオカート ワールド』。プログラムディレクターの佐藤賢太氏は、2017年3月に試作を開始し、その年末にプロジェクトとして正式にスタートしたと説明しました。
開発当初はスイッチでの発売を想定しており、企画と性能のバランスが問題点となっていたそう。本作に実装したい要素を全て詰め込むと60fpsでは動かず、常に処理落ちしてしまう状態であったと語っています。
やりたいことを全部取り入れるのは厳しい状況であったため、「何をあきらめるのか」を常に意識していたという佐藤氏。「絵を少し削るとか、解像度をあきらめるとか、場合によってはフレームレートを30にしようか、という議論まで出ていましたから、厳しい状態ではありましたね」とスイッチでの開発を振り返っています。
2020年頃にスイッチ2への移行が企画される

開発に苦戦する中、2020年頃にプロデューサーの矢吹光佑氏からスイッチ2での開発に移行する話が上がります。当時は想定されるスペックがある程度判明していたものの、実際に動かせる開発機は届いていなかったため、試算しながら開発が進められたそうです。
スイッチ2での開発が決定した後は、スイッチの性能面での限界で生じていた問題点が解消する見込みが立ちました。佐藤氏は「当初目指していた以上に充実した表現も見込めるとわかり、とても嬉しかった記憶があります」と当時の気持ちを述べています。
約8年ぶりとなるシリーズ新作の『マリオカート ワールド』は、ニンテンドースイッチ2向けに2025年6月5日に発売予定です。開発者インタビュー「開発者に訊きました:マリオカート ワールド」の全文は任天堂公式サイトよりご確認ください。