■「バトル」の隙間を「連携アクション」と「連携アビリティ」が埋め、テンポ&手応えアップ

ATBゲージを消費する行動(アビリティや魔法、アイテムの使用など)と、アクションゲームさながらの通常攻撃・ガード・回避も取り入れた『FF7 リメイク』のバトルは、コマンドRPGの新たな境地を生み出すことに成功しました。
『FF7 リバース』は前作のシステムを基本的に受け継いでおり、今回もアクションとコマンドが融合したバトルを楽しめます。ですがフィールドと同様に、バトルの手触りもまた『FF7 リメイク』とは一味異なっています。

『FF7 リメイク』のバトルは、敵の攻撃をガードや回避でいなしながら手数を稼ぎ、戦況に合わせてATBゲージを使ってアビリティや魔法、召喚獣などを駆使する戦い方でした。上手く立ち回れば戦局を有利に運べる反面、ミスが重なるとATBゲージがうまく溜まらず、ダメージを受けてるのに回復する余裕がないといったジリ貧に陥ることもあります。
そのため前作では、ATBゲージが溜まらないと、取れる行動の幅がかなり狭くなっていました。しかし『FF7 リバース』では、ATBゲージを消費せずに使える「連携アクション」と「連携アビリティ」のおかげで、戦闘に新たな選択肢が加わったのです。

「連携アクション」はタッグで行う行動で、その組み合わせも多種多彩。攻撃だけでなく、回避やガードといった「連携アクション」もあり、発動に必要な条件は皆無といってもいいほど。ATBゲージを含むリソースが一切不要なので、いつでも気軽に繰り出せる便利なアクションです。

ティファがクラウドと繰り出す連携アクションの攻撃は、ふたりの力を合わせてティファが高く飛び、空中で連続攻撃を繰り出すという技。通常の攻撃では手が届かない、空を飛ぶモンスター相手にうってつけの攻撃です。しかも初段は蹴り上げる効果もあるので、小さなモンスターなら空中に浮かし、そのまま一方的にコンボを叩き込めます。
エアリスが仲間と一緒に攻撃する連携アクションは、ボタン長押しでパワーを溜め、強力な魔法攻撃を放つというもの。MPを回復に回したい場合も多いので、リソースなしに結構なダメージを狙えるこの攻撃はなにかと重宝します。
こうした「連携アクション」があるため、ATBゲージが溜まっていない状態でも、出来ることがワンパターンに陥りません。また、回復用にATBゲージを残しながら「連携アクション」で攻め続ける、という選択も状況次第で十分有効です。

そして「連携アビリティ」も、『FF7 リバース』のバトルにメリハリを与えてくれる新要素のひとつ。こちらもふたりが協力して繰り出す技ですが、モンスターにダメージを与えるだけでなく、例えば「一定時間MP消費なし」など、戦闘が有利になる特殊効果も発動します。
こちらもキャラクターの組み合わせ次第で効果が異なり、その使い分けも大事な戦略のひとつ。ただし、全般的に効果が高い分、発動にはリソースが必要です。前述の通りATBゲージは消費しませんが、アビリティの使用などで溜まる「連携ゲージ」を消費する形となります。

コンビネーションで繰り出すという点では、「連携アクション」と「連携アビリティ」は共通していますが、前者は条件がなくていつでも発動が可能。戦闘開始直後やATBゲージが溜まっていない時でも使えます。そして後者は、「連携ゲージ」を消費して発動するので、扱い方自体はアビリティや魔法、リミットブレイクに近いかもしれません。
いつでも繰り出せる「連携アクション」は、攻防の合間に生まれがちだった待ち時間を埋め、バトル全般のテンポを途切れさせない没入感にも寄与します。そして「連携アビリティ」は、条件があるものの強力で頼りがいがあり、激しい戦闘ほど発動機会が増える“大技”として、強敵との戦いに心地よい緩急が生まれたように感じました。

『FF7 リメイク』のバトルは、よくも悪くも「ATBゲージをどう管理・運用するか」が中心でした。その重要性は『FF7 リバース』でも健在ですが、「通常攻撃や連携アクションでATBゲージを溜め、大ダメージ狙いやHP回復にATBゲージを使用、そして強敵との戦いでは連携アビリティやリミットブレイクを織り交ぜる」といった風にバトルの展開が変化しており、より濃密なバトル体験が楽しめます。
基本のゲームシステムは同じなのに、「連携アクション」と「連携アビリティ」の追加で、『FF7 リバース』のバトルは一段階引き上げられた印象を受けました。しかもパーティ編成を変えれば「連携アクション」と「連携アビリティ」も変化し、遊び甲斐が増すのも嬉しいポイントです。