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『アナザーコード リコレクション:2つの記憶/記憶の扉』は、DS版の「思い出」に勝てるのか?─体験版で違いをチェック

1月19日に発売を控える『アナザーコード リコレクション:2つの記憶/記憶の扉』は、オリジナル版とどのような違いがあるのか。体験版を元に、そのプレイ感に迫ります。

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『アナザーコード リコレクション:2つの記憶/記憶の扉』は、DS版の「思い出」に勝てるのか?─体験版で違いをチェック
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2024年も幕を開け、ゲーム業界も本格的に動き出しています。今月も様々な話題作が控えており、ニンテンドースイッチ向けADV『アナザーコード リコレクション:2つの記憶/記憶の扉』に注目している人も多いことでしょう。

本作は、ニンテンドーDSソフト『アナザーコード 2つの記憶』(以下、DS版)と、その続編に当たるWiiソフト『アナザーコード:R 記憶の扉』をベースに、グラフィックを含めて一新させて1本のソフトにまとめたもの。

時代を超えてリメイクされるため、見た目はもちろん内容にも変化が及んでおり、とても一言では伝えきれないほどです。特にDS版は、2画面を活かしたゲーム構成になっていたため、単一画面のスイッチとはゲーム機の特性自体が大きく異なります。

ハードからして大きく違う作品を、スイッチ向けにどう落とし込んだのか。そして、当時の思い出を持つプレイヤーが遊んでも、リメイク版は十分楽しめるのか。その疑問に迫るべく、発売に先駆けて『アナザーコード リコレクション:2つの記憶 / 記憶の扉』の体験版をプレイし、その実感をお届けします。

なお、本作の体験版では「2つの記憶」の第1章がプレイ可能。今回触れる部分も、この範囲となります。

■DS版の2画面構成が、スイッチ版はどのように変化したのか

本作の主人公は、もうじき14歳の誕生日(※「2つの記憶」時点)を迎える少女「アシュレイ」。死んだと聞かされていた父親から突如連絡を受け、彼が待つ「ブラッド・エドワード島」に赴き、謎めく島の探索へと挑みます。

父親の手紙と共に送られた「DAS」は、謎を解く上で重要な鍵となる端末ですが、まずDASのデザインが大きく変わっています。というのも、同一性を高めるため、DS版のDASはDSによく似た形状をしているためです。

そのため本作のDASは、どことなくスイッチを連想させる、細長く薄型の端末となりました。DS版経験者なら、このDASの変化にも記憶が刺激されることでしょう。

もちろん、大きく変わったのはDASのデザインだけに限りません。「13歳最後の朝 気分は最悪だった」という忘れがたい独白も絡む最序盤のシーンからして、DS版と比べて変化が見てとれます。

台詞のタイミングや構成にも違いはありますが、基本的な流れはおおむね同じ。最も大きな違いは、2画面での描写が1画面に納まった点です。

例えば、DS版では船がこれから向かう先の島を映す一方で、アシュレイの複雑そうな表情をもうひとつ画面で描写します。また、冒頭の船長とアシュレイの掛け合いでは、2画面にそれぞれキャラクターを表示するなど、DS版は2画面構成を巧みに使い、異なる場面を同時に見せる演出などに活かしました。

同じシーンのスイッチ版は、画面は単一ながらそれをカメラワークで補っています。アシュレイの視線の先にある島、潮風に揺れる前髪の奥に浮かぶ憂いを帯びた瞳、広大な海原などを、横長な画面でダイナミックに表現していました。

3Dモデルの描写力が格段に上がっているため、DS版のように2Dの立ち絵を使うことなく、全て3Dで描写。そのおかげで、様々な角度や距離からアシュレイを描写できる強みを得て、このような演出に切り替わったのでしょう。2画面構成から単一画面への変更は、受け取る印象に違いがあるものの、スイッチ版の描写は広がりが感じられ、表現として劣っている印象は受けません。

■2画面の演出もしっかり取り入れたスイッチ版

また、2画面的な演出がなくなったわけではなく、スイッチ版でも近しい演出が見られます。育ての親であるジェシカと会話する場面を例に挙げると、画面の中にさらに2つのウインドウを置き、それぞれにジェシカとアシュレイを表示。画面の中に2画面を入れ込み、異なるカメラワークを同時に描写しています。

ちなみにDS版の同シーンでは、会話のやりとりはひとつの画面に集約され、発言者をウィンドウに表示し、会話する度に立ち絵が切り替わる形で表現していました。もう片方の画面には、アシュレイが選ぶ会話の内容などが表示されており、「会話の臨場感」はスイッチ版の方が増しています

2画面を常に利用したDSの会話シーンと比べると、スイッチ版は演出も含めて大きく変化しました。単一画面ながら、ダイナミックなシーンや広域の視点が欲しい場面を優れたカメラワークで表現。一方で、互いに会話を交える場面ではウィンドウを2つに分け、それぞれの表情が見られる形に落とし込んでいます。

こうした演出の変化は、オリジナルのDS版を踏襲した上で辿り着いたひとつの進化と言っても差し支えないほどでした。



《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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