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『勝利の女神:NIKKE』の洗練された“後姿”の開発裏話から『Stellar Blade』のSIEに怒られそうな新情報まで、キム・ヒョンテ氏に直撃!話題のAI絵師についてプロの意見も聞いてみた

キム・ヒョンテ氏の最新作ともなる『勝利の女神:NIKKE』は、キャラクターの後姿を“美しく魅せる”というユニークな画面構成でも話題を集めました。その開発秘話やまだ情報が少ない『Stellar Blade』について踏み込んだインタビューをお届けします。

ゲーム Nintendo Switch
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『マグナカルタ』や『ブレイドアンドソウル』などの作品で頭角を現し、開発会社「SHIFT UP」を率いて『デスティニーチャイルド』を生み出したキム・ヒョンテ氏。ゲームファンに最も知られているのはキャラクターデザイナーやイラストレーターの顔ですが、「SHIFT UP」代表やゲームクリエイターとしての活躍ぶりもたびたび聞こえてきます。

そんなキム・ヒョンテ氏が、プロデューサーとイラストレーターを兼任する「SHIFT UP」の最新作『勝利の女神:NIKKE(ニケ)』 の正式サービス開始が、徐々に近づいています。

地上を追われた人類によって作られた少女「ニケ」たちが、その身を投じる過酷な戦いをガンシューティングで描く本作 。キム・ヒョンテ氏が描いた麗しいニケの姿や、危機感迫るポスト・アポカリプスな世界観、的確なエイムとメンバーの切り替えを駆使する戦略的なゲーム性など、多彩な魅力を備えています。

また、ニケたちが背中を向ける射撃姿勢が、彼女たちの曲線美を惜しげもなく披露する形になり、そのバトル中の画面構成も大きな話題となりました。

東京ゲームショウ2022の出展ブースでは、試遊待ちで長蛇の列ができるなど、確かな関心を集めている様子がうかがえました。今回は、正式サービスを控える本作の魅力にいち早く踏み込むべく、開発に深く関わるキム・ヒョンテ氏とユー・ヒョンソク氏へのインタビューを実施し、その本質へと迫ります。

また、キム氏が監督を務めるPS5ソフト『Stellar Blade』などの話も伺ったところ、ソニーから怒られるかも……?といった新情報も続々明かされましたので、ぜひご覧ください。

■『勝利の女神:NIKKE』の斬新な“後姿”は、どのように生まれたのか

──まずは、おふたりがどのような立場で『勝利の女神:NIKKE』に携わっているのか、教えてください。

キム・ヒョンテ氏(以下、敬称略):『勝利の女神:NIKKE』では、私はプロデューサーとイラストレーターを担当しています。

ユー・ヒョンソク氏(以下、敬称略):私は、開発における全体的な方向性の設計やディレクションを担当しています。

──本作は様々な点で注目を集めていますが、日本ではバトル画面における「NIKKE」たちの後姿が大きな話題になったことがありました。その反響は、おふたりの耳にも届いていますか?

キム・ヒョンテ:実は日本だけでなく、世界的にそういった反応があり、その反響はこちらにも届いています。「ユーザーの皆さんが、そのポイントに気づいてくださったんだな」と思いました。

これだけ話題にしていただいた『勝利の女神:NIKKE』のバトル場面ですが、それがどうやってこの形になったのか、その点についてもお伝えしましょう。

そもそもは4年前、弊社内で新たなゲームの企画を公募する、1億ウォンの賞金をかけたコンテストを行いました。その時、見事1位に輝いたのが、この『勝利の女神:NIKKE』に繋がる作品だったのです。

──社内向けの公募から始まった作品だったんですね。

キム・ヒョンテ:ただし当時の企画は今のデザインとは違い、横から見た構図でエイムを行う画面構成でした。しかし、一般的なTPSゲームにもある「遮蔽物に隠れる姿勢」や「射撃姿勢」を綺麗に見せたいと考え、2D描写でいかに美しく表現するかトライした結果、現在の構図に至りました。

──よりよい表現を求めて、歳月をかけた末にたどり着いた構図だったんですね。

キム・ヒョンテ:いえ、構図のアイディア自体は、当時の企画を見てすぐに閃きました。そのアイディアの具現化や、完成度の高い形で表現するまでに時間がかかり、そのために弊社のスタッフが多くの努力を費やしてくれました。

──TGS2022のLevel Infiniteブースで、本作をプレイしてきました。魅力的なNIKKEたちの後姿に目を奪われましたが、同時に敵からの攻撃が激しく「あっちも見たい、でも敵を倒さないと」と目移りしてしまいました(笑)。

キム・ヒョンテ:バトルが始まると、キャラクターを眺めている余裕はないかもしれませんね。まずは、ゲームとしてプレイし、そこにある楽しさを感じてもらう──それが基本かつ重要なところだと思います。

ただし、本作におけるすべてのゲームモードが慌ただしいわけではありません。たまにはAIにプレイを任せ、プレイヤーはキャラクターを鑑賞する、といった楽しみ方ができるモードもあります。いろんなプレイスタイルで楽しんでもらえたら幸いです。

ユー・ヒョンソク:本作で楽しめるモードについて、私の方からも詳しくお話していきます。「マルチプレイモード」では、ほかのユーザーとの協力プレイが可能です。また、高難度のボス戦ではプレイヤー自身にゲームプレイに注力してもらい、それほど難しくないステージでは自動でクリアできるようなオートプレイの仕組みもあります。

キャラクターを眺める時間もあり、戦闘に集中する時間もありと、メリハリのあるプレイが楽しめるのも『勝利の女神:NIKKE』の特徴のひとつです。

──魅力的なポイントが非常に多いゲームかと思いますが、ガンシューティング、ビジュアル、世界観のそれぞれについて、特にこだわった点を教えてください。

キム・ヒョンテ:ビジュアルについては、従来の2Dゲームではキャラクターの後姿を美しく見せるものは少なく、まずここが魅力的な要素かと思います。また、戦闘シーンになるとキャラクターがSDになるゲームも多いのですが、本作は等身大のまま戦闘を楽しむことができます。

ユー・ヒョンソク:バトルの面では、モバイルという環境に適した操作の仕組みを工夫しました。縦に長いスクロールを採用したり、片手操作のしやすさにこだわったりした点などがあげられます。「シューティングゲームをモバイル端末で楽しむ時に、一番いい操作は何なのか」といった視点で考え、この形にたどり着きました。

また銃器の差別化を図った点も、こだわりのひとつです。例えばランチャーは、1回の射撃で多数の敵を攻撃できますが、スナイパーライフルは、遠くにいる敵を攻撃するのに最適です。

そして様々なコンテンツを用意することで、本作の世界観を様々な角度から楽しめるようになっています。そうした表現の多彩さも、こだわった部分のひとつです。

キム・ヒョンテ:「前哨基地」といういわゆる拠点のような要素もあるのですが、そこでは各キャラクターが色んな面を見せたり、彼女たちと絆を深めることもできます。単にビジュアルだけでなく、多様なコンテンツを楽しんでもらえるように努力しました。

──試遊ではキャラクターからチャット(メッセージ)が届きましたが、そうした部分についても結構なボリュームがあるのでしょうか?

キム・ヒョンテ:テキストボリュームもかなり多いですね。例えば、大型のMMORPGやオープンワールドに匹敵するようなテキスト量だと思います。そうした濃密な物語をゲームの中でお届けできるよう、現在も鋭意開発を進めています。

そしてニケとのコミュニケーションでは、1対1のチャットもありますが、それとは別に複数のニケが参加するグループチャットも用意しました。そこでのやりとりも面白く、ニケたちの魅力やその物語をより深く味わえます。

──NIKKEのひとり「ラピ」のデザイン、特に下腹部あたりの構造がどうなっているのか気になっているのですが、教えていただけますか?

キム・ヒョンテ:パッと見だと普通のスカートのようですが、実質的には「前だけ隠しているミニチャイナドレス」のような形ですね。ほかの部分は装備などで隠しているので、よく見るとかなりインパクトのある衣装になります。気づいてくださったんですね(笑)。

──「これ、どうなってるんだろう?」と、すごく目を引かれた部分でして。変な質問ですみません(笑)。

キム・ヒョンテ:後ろを見ると、さらにびっくりすると思いますよ(笑)。

──正式サービス後の楽しみが、またひとつ増えました(笑)。様々なコンテンツを内包する作品だと伺いましたが、正式サービスが始まった際、そのコンテンツを継続的にどのような形で展開していくのでしょうか?

ユー・ヒョンソク持続的なストーリーの追加が重要だと考えています。キャンペーンとよばれるメインコンテンツが順次追加されていきますし、イベントストーリーの追加も行われます。また、大きなコンテンツとして「ギルド戦」も追加予定です。

ただ「ギルド戦」は、多くのプレイヤーと一緒にリアルタイムで合同作戦を行うわけではありません。複数のプレイヤーとリアルタイムに繋がりながらプレイするのは、ユーザーが受けるストレスが高くなるのではと判断したためです。そのため、ギルドのメンバーたちと話し合い、ボス戦に挑む……という形になるかと思います。このほか、キャラクターやコスチューム、バトルモードの追加なども予定しています。

──オンラインの要素もあるとお聞きしましたが、プレイヤー同士が繋がるのは同じ国同士のみですが? それともアジア圏といった地域別で分かれるのか、もしくは全世界のプレイヤーが繋がれるのでしょうか?

ユー・ヒョンソク:サーバーは、詳しいところまではお伝えできませんが、国やリージョンごとに分かれています。プレイヤー同士が協力する場合、日本だと日本のユーザー同士、韓国は韓国同士といった形になるでしょう。
ただ、クライアントビルドは同一なので、ゲームの内容自体は世界中の全ユーザーが同じ体験を楽しめます。

──スマホで遊べるゲームと言っても、1日5分だけ操作するものもあれば、20分・30分と集中して遊ぶゲームもあります。この『勝利の女神:NIKKE』の場合は、どのようなプレイ感になりますか?

ユー・ヒョンソク:基本的には、短時間もしくはある程度長時間のプレイ、どちらでも楽しめる作りになっています。その前提を踏まえて強いてどちらかと言えば、ある程度集中してプレイし、時間をかけて楽しんでもらうゲームになると思います。

銃撃戦を繰り広げるバトルシーンやキャラクターとのコミュニケーション、描かれる物語などを堪能していただく場合、1日に1~2時間ほどはかかるはずです。ですが、そこまで時間がかけられないプレイヤーに向けて時短プレイできる仕組みも用意しており、その場合は20~30分ほどで1日のサイクルが完了できるのではないかと思います。



《臥待 弦》
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