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【極力ネタバレ無し】ニンテンドースイッチで名作がリメイク!『ライブアライブ』先行プレビュー

オリジナル版プレイ済みの筆者が、初めて触れる方にも楽しんでいただけるよう極力ストーリーのネタバレ無しでお届けします。

任天堂 Nintendo Switch
【極力ネタバレ無し】ニンテンドースイッチで名作がリメイク!『ライブアライブ』先行プレビュー
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28年の時を経て、待望の復活!

1994年9月2日、スクウェア(現スクウェア・エニックス)より発売されたスーパーファミコン用RPGソフト『ライブアライブ』のリメイク版が、2022年7月22日に満を持してニンテンドースイッチで登場します!

そのなかでも今回は「西部編」「功夫編」「幕末編」「SF編」の序盤のプレイレポートをお届け。リメイク版のアップデート内容を、オリジナル版プレイ済みの筆者が、初めて触れる方にも楽しんでいただけるよう極力ストーリーのネタバレ無しでお届けします。

内容に触れる前に、まずは簡単に作品概要をご紹介しましょう。

『ライブアライブ』について

『ライブアライブ』はオムニバス式のRPGです。プレイヤーは異なる時代背景で繰り広げられる7つの物語を、7人の漫画家たちがデザインした7人の個性的な主人公たちと冒険していきます。西部劇や功夫、SFに幕末と、1本のゲームで様々な映画の世界に入り込んだような体験ができ、どの順番でどう遊ぶかはプレイヤーの自由。オーソドックスなRPGとは異なり、プレイするシナリオによってバトルが無かったり、マップ移動が無かったりと、物語に合わせて変化するゲーム構成も特徴の一つです。

バトルシステムは、マス目上を攻撃範囲とタイミングを見ながら進めていく「チェッカーバトル」で、タクティクスシミュレーションにATB(アクティブタイムバトル)を加えたようなユニークなシステムを採用しています。

大枠でのリメイク版との比較

原作はドット絵で描かれていましたが、本作では「HD-2D」という、ドット絵と3DCGを融合した映像表現が使用されています。同社の『オクトパストラベラー』や『トライアングルストラテジー』でも同様の技術が使用されているものの、本作に合わせて見せ方が少し異なっており、オリジナル版の雰囲気を壊さないように絶妙に調整されています。また、オリジナル版では1マスにぎゅぎゅっと描かれていたマップ上のキャラクターたちは、同じドット絵でも頭身が上がり、より生き生きとしています。

本作プロデューサーの時田貴司氏は、オリジナル版のディレクターでシナリオ制作も務めていた人物です。そんな時田氏が「現代でもあそびやすく」を心掛けて作ったという本作は、原作と比較するとシステム面でかなりユーザーフレンドリー。謎解き要素などの面白さはそのままに、現代のRPGではお馴染みのマップとレーダー表示で目的地を目指しやすくなるなど、ストレス要因がかなり軽減されています。バトルでは自分の技やアイテムの特性が一目で分かるようになり、新たに敵HPとATBゲージ、弱点や耐性も表示され、さらに細かく計算しながら戦闘を楽しめるようになりました。

音楽は原作の作曲担当・下村陽子氏の完全監修で全曲リマスター。新たにアレンジされたフルオーケストラの演奏で蘇るテーマソングは圧巻です。異なる世界観に合わせて多彩なジャンルの音楽が楽しめるのは原作と変わりませんが、スーパーファミコン時代の音源制限が無くなったことで、それぞれの楽曲がより個性豊かになっています。

本作ではさらに豪華声優陣によるボイスで物語に魂がさらに込められています。日本語版は時田氏のキャスティングで、配役にも思わずニヤリとさせられる要素が散りばめられています。外国語にローカライズされるのは今回が初の本作ですが、ニンテンドースイッチのシステム言語を切り替えずとも、タイトルのオプション画面からボイスやテキストの言語を切り替えることができます。

リメイクでメニュー画面も見やすくなりました。開く度に違う表情を見せるキャラクターたちもかわいいですね。シナリオによってメニュー画面や吹き出しが変わる芸が細かい部分も健在です。

プレイレポート
「西部編」「功夫編」「幕末編」「SF編」プレビュー

今回はすでに体験版として配信されている「功夫編」「幕末編」「SF編」に加え、「西部編」の序盤をプレイ。リメイク版の要素とそれぞれの章の特性をさらに掘り下げながらお伝えしていきます。まずは体験版には含まれていない「西部編」からレポート。

西部編─放浪─

主人公 サンダウン・キッド
CV 大塚明夫

概要
舞台は開拓時代のアメリカ大陸西部。主人公は荒野をさすらう賞金首。たまたま訪れた「サクセズタウン」で、街の平和を脅かす無法者集団の退治を依頼されます。街の人々と協力して罠を仕掛け、夜明けまでに「クレイジーバンチ」を迎え撃ちます。

同じRPGの形を取りつつも、それぞれのシナリオによりゲーム構成が異なる本作。西部編のバトル回数はその中でも最も少ない方です。西部の街で起こるドラスティックな一晩の出来事を描いており、プレイヤーの行動によって未来が一部変わる、同編の自由度を楽しみつつ、操作方法やゲームシステムに慣れるにも適した分量のため、迷ったらこの編から始めてみるのもオススメです。

リメイク版の要素
リメイク版で新たに追加された、目的地が表示される「レーダー」機能と、アイテムが隠れている場所が光って分かるエフェクトの追加により、楽しみやすさが格段に上がっています。また、「クレイジーバンチ」が攻めてくる夜明けまでに8つ鳴る鐘の音が目で見えるようになり、あとどのくらいの時間が残っているのか分かりやすくなりました。

「西部劇ドットでやってみた」とばかりに、まるで西部劇映画を短編ドットRPGの形式に落とし込んだかのような原作でしたが、「HD-2D」の採用でグラフィックと演出面がさらに進化しています。西部の街に吹き荒れる風と巻き上がる砂煙……原作では平面だったあの光景が、想像せずとも、想像を超えた姿で実際に目の前に広がっています。当時のファンは荒野を愛馬に乗り駆け抜けるキッドを見るだけでも胸が熱くなることでしょう。

背景はCGになりましたが、マップ上のキャラクターは当時のバトルシーンの雰囲気そのままでリメイクされたドット絵で、旧作ファンも違和感無く自然にプレイできます。雰囲気を壊さず美しく甦った姿はとても感動的で、今後にも『ドラゴンクエストIII』などが控える「HD-2D」リメイクの成功例として世に提示できているのではないでしょうか。

音楽もスーパーファミコン版から違和感無く進化しており、当時脳内で鳴っていた音がそのまま生音として再現されている感じです。筆者はプレイしながら思わず「原作と同じ」とつぶやいてしまった。(もちろん良い意味で。前述した通りもちろん同じではない) 当時、作曲の下村陽子氏がスクウェア(当時)に入社してから初めて担当したという本作。一時期はサウンドトラックの価格が高騰するなど、伝説的な人気を見せていた原曲の素晴らしさがあってこそですが、だからこそリメイク版への期待とプレッシャーは尋常ではなかったでしょう。西部編では、世界観にピッタリの渋い口笛や、サンチョ・デロス・パンチョスの演奏にも注目してください。

発表時、旧作ファンからの賞賛の声が多かった声優陣のキャスティングも豪華かつ違和感がなく、こちらも「原作と同じ」と感じながらプレイできた。(もちろん原作にボイスはない)あえて音声を英語にして、あたかも西部劇を字幕版で見ているかのように楽しむのもオツなものですね。

演出面について追記すると、小ネタのアレやコレやはリスペクトを持ってリメイクされています。劇中には、そのシナリオのジャンルにまつわる名前を付けられたキャラクターが登場しニヤリとさせられましたが、リメイクでも名前に変更はないので安心してください。

SF編─機心─

主人公 キューブ
CVなし

概要
舞台は地球に帰還中の宇宙船。主人公はAI搭載型ロボットです。乗組員「カトゥー」の手で作り出されたばかりのロボット「キューブ」の視点から、宇宙船という閉鎖空間の中で5人の乗組員に起こる事件を謎解いていきます。

スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』(1968年)を彷彿とさせるシーンから始まる「SF編」は、バトルシーンが基本的にはありません。唯一のバトルは、乗組員のリフレッシュルームに設置されているゲーム内ゲーム『キャプテンスクウェア』くらい。どのシナリオもRPGの形を取りながら様々な構成に挑戦していますが、「SF編」は中でも特異。アドベンチャーゲームの要素と、サスペンスホラーの雰囲気を持ち合わせています。ホラーが苦手な方は明るい時間帯のプレイを検討するのもアリでしょう。

リメイク版の要素
西部編に続き、マップとレーダーの搭載により遊びやすさが飛躍的にアップしています。意外と広い宇宙船内で「どこにいるのか分からない」というストレスは無くなり、探索も楽しく感じられます。プレビューでは映画『エイリアン』(1979年)のように走り回るようなシーンはプレイできませんでしたが、全編を通しマップとレーダーの機能が役に立つこと間違いなしでしょう。

グラフィック面も、「HD-2D」で宇宙船「コギトエルゴスム」がより奥深さを感じられるよう描かれていて、乗組員が眠るコールド・スリープ・ルームでの描写も感動ものです。原作版の、ドットで静かに淡々と描かれるストーリーもかなり怖かったですが、「HD-2D」になったことで画そのものの迫力がすごく、一つ一つのシーンに圧倒されます。

コーヒーマシンを使うと、原作ではコーヒーがアイテム欄に入るのみでしたが、リメイク版ではキューブが淹れたコーヒーを頭の上に乗せてくれてかわいらしいです。「カーク」に「ダース伍長」と、SFファンの心を躍らせる小ネタが散りばめられていた登場人物の名前も健在です。

静と動のコントラストが印象的な「SF編」のBGMの楽曲アレンジには「DEVILMAN crybaby」や「聲の形」などの劇伴作曲で人気を博している牛尾憲輔氏が参加。『キャプテンスクウェア』のゲーム内BGMは当時と変わらず!原作では「PRESENTED BY ARUMAT SOFT 2099」のクレジットが表示されていたが、リメイク版には1994年9月2日発売の説明文が。この日はスーパーファミコン版『ライブアライブ』の発売日ですね。

功夫編─伝承─

主人公 心山拳老師
CV 石丸博也

概要
舞台は中国・大志山。主人公は拳法「心山拳」を使う老拳士です。老いた自身の後継者を探すため、山を降り弟子探しをするところから物語が始まります。道中で3人の弟子に出会い「心山拳」の極意を伝承すべく鍛え上げていきます。どの弟子が後継者になるかは老師の修行の付け方次第。

ユニークな構成が目立つ『ライブアライブ』ですが、「功夫編」は中でも素直なRPGです。マップの切り替えがあり、敵シンボルとのエンカウントで戦闘に入ります。王道の中世ファンタジーではなく中国が舞台で、3人の弟子に拳法の訓練を付けられるのが特徴的な部分でしょう。

リメイク版の要素
リメイク版「功夫編」は良い意味で大きく変わったと感じます。それは新たに加えられたボイスの影響です。老師役の石丸博也氏はジャッキー・チェン、サモ役の水島裕氏は、キャラクターの名前の由来にもなっているサモ・ハン・キンポーと、それぞれ功夫映画でスターの吹替を担当しています。言わばこのリメイク版「功夫編」、間接的に伝説的スターをキャスティングしている状態ともいえるでしょう!

「HD-2D」で美しく再現された大志山の自然や竹林、賑やかな市場などの光景は立ち止まって見たくなるものばかり。そして「鳥児在天空飛翔 魚児在河里游泳」をはじめとする、ファンからの人気も高い名曲たちが生音で再現され、このシナリオを遊ぶだけで、まるで新しい映画を一本観ているかのような感覚を味わえます。個人的にはリメイクされたことで、良い意味で一番イメージが変わったのはこの「功夫編」でした。

幕末編

主人公 おぼろ丸
CV 橋詰知久

概要
舞台は日本の幕末時代。主人公は忍者のおぼろ丸です。尾手院王の居城に囚われた男を救出すべく、炎魔忍軍で”荒削りだが見込み一番”と期待されているおぼろ丸が単身潜入します。

バトル回数はプレイヤー次第です。炎魔忍軍の頭であるハヤテから伝授された「隠れ身の術」で身を隠すことができるため、敵から隠れて誰も倒さず「0人斬り」を目指すも、全員倒して「100人斬り」を目指すもプレイヤー次第。全編を通し尾手城の中のみで進行するが、城自体も広い上に、カラクリや謎解きなどの隠し要素も多く、やり込み的にもかなり遊びごたえのある章です。

リメイク版の要素
広くて迷いやすい城が、マップ機能の搭載で親切になっています。3Dになったことにより奥行きが出て微調整がきき、隠れみので逃げやすくなった印象ですね。城内はカラクリ扉に落とし穴と多様な罠が仕掛けられていますが、こちらも原作と比較するとフレンドリーになっていて、RPG初心者が青山剛昌氏のキャラクターデザインに惹かれてうっかり最初のシナリオに選んだとしても心折れにくくなっています。

「HD-2D」で3Dリメイクされた城はその広大さをさらに感じられて、移動の位置によりカメラアングルも変わるためとても絵になります。むくろに囲まれた天草四郎の間や、城内のちょっとした見通しのきく空間など、ドットでは表現しきれなかった空間や演出が見事に補完されています。音楽には『ライブアライブ』の音楽イベントでもお馴染みの和楽器ユニット「HIDE×HIDE」が尺八と中棹三味線で参加しており、非常に格好良くパワーアップしています。

まとめ

プロデューサー時田貴司氏が「現代でも遊びやすく」リメイクしただけあり、さらにスムーズに楽しめるようになった本作。今回紹介させてもらった「幕末編」「功夫編」「SF編」の3シナリオは、現在体験版も配信され、事前に遊べるようになっています。セーブデータもそのまま製品版に引き継ぐことができるので、28年来のファンも、新たに名作に触れるゲームプレイヤーも、是非その手で体感してみるのがいいでしょう。

余談ですが、筆者はプロレスが大好きです。そのきっかけになったのは紛れもない『ライブアライブ』の影響。今回の紹介範囲外ですが、現代編での技や登場人物、近未来編の「ミサワ対ムトー」はじめ、ゲーム内で多用されていたプロレスネタを掘り起こすうちにすっかり虜になってしまいました。様々なエッセンスが凝縮された『ライブアライブ』、あなたの”好き”のきっかけも見つかるかも?

作品情報

スタッフ
プロデューサー:時田貴司
開発:ヒストリア&スクウェア・エニックス浅野チーム
イラストレーション:生島直樹
キャラクターデザイン:青山剛昌、石渡治、小林よしのり、島本和彦、田村由美、皆川亮二、藤原芳秀
サウンド:下村陽子

公式サイト
『ライブアライブ』公式サイト
https://www.jp.square-enix.com/lal/

『ライブアライブ』公式Twitter
https://twitter.com/LAL_PROM

クレジット
© 1994, 2022 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
CHARACTER DESIGN
© 1994, 2022 SQUARE ENIX CO., LTD.
© 1994, SHOGAKUKAN Inc.
Gosho Aoyama, Yoshihide Fujiwara, Osamu Ishiwata , Yoshinori Kobayashi, Ryouji Minagawa , Kazuhiko Shimamoto , Yumi Tamura


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