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『クロノ・クロス:RD エディション』先行プレイレポ―「幻」の挿話と共に、夢の再演はより鮮やかに蘇る

待望のリマスター版がいよいよ登場です。

任天堂 Nintendo Switch
『クロノ・クロス:RD エディション』先行プレイレポート―「幻」の挿話と共に、夢の再演はより鮮やかに蘇る
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~ゆめみるものたちよ、おかえりなさい~

あの時の記憶は今ここに永遠となる。

『クロノ・クロス』――初代プレイステーションの円熟期を代表するあの傑作が、満を持して帰ってきました。海と空の蒼が映える鮮烈な色彩と、不思議なパラレルワールドの謎、そしてテーマ曲「CHRONO CROSS ~時の傷痕~」の衝撃。ラストバトルからエンディングに至る一連の演出は、きっと多くのプレイヤーの記憶の中に焼き付いていることでしょう。『アナザーエデン』とのクロスシナリオ『COMPLEX DREAM』や、アレンジアルバムコンサート開催で盛り上がりを見せる中、リマスター版がいつ来るのかやきもきしていた人も少なくないはずです。

『クロノ・クロス:ラジカル・ドリーマーズ エディション』では、『クロノ』シリーズのひとつでありながら、入手が困難だった幻の作品『ラジカル・ドリーマーズ -盗めない宝石-』を同時収録。本編にも現世代機向けに様々なリファインが施された、まさに決定版と呼ぶにふさわしいタイトルです。4月7日の発売に先駆けて、Game*Sparkはメディア向けの先行プレイの機会を頂きましたので、『クロス』独特のシステムとリマスターの追加機能を中心としたプレイレポートをお届けします。

『クロノ・クロス』―「時のみる夢」の終着点に待ち受けるもの

主人公セルジュ(仲間は全員名前変更可)は、日差し溢れるエルニド諸島に暮らす少年。あるとき、村の近くにある「オパーサの浜」からパラレルワールドに飛ばされてしまう。そこでは誰ひとり自分の存在を知らず、セルジュは幼い頃に死んでいることになっていた。存在してはいけない「幽霊」として追われるセルジュ、そこに盗賊の少女「キッド」が割って入る――

『クロノ・クロス』の世界は、主人公が生きている世界「ホーム」と、死んで存在していない世界「アナザー」の2つが並列しているパラレルワールドです。運命の分岐点である「オパーサの浜」を経由して両世界を行き来しながら、平行世界が生じた理由を明らかにしていきます。前作『クロノ・トリガー』とは主人公を交代しているので、『トリガー』未プレイでも十分物語を楽しめますが、余裕があれば是非『トリガー』をプレイした上で『クロス』との繋がりを見つけてください。

平行世界にはそれぞれに別の運命を辿った同じ人物が存在しており、人物A(ホーム)、人物B(アナザー)と呼び分けます。仲間になる人物でもホームとアナザー両方登場する場合があり、両世界にまたがって問題解決を図ることも珍しくありません。一方の世界では幸せに暮らしていても、もう一方の世界では失意の中にいる。いったい何が分岐点になったのか。それを想像し、謎を解いていくのが『クロノ・クロス』の面白さです。

入手した重要アイテムはNPCに提示でき、ストーリーの進行上で意味が無い人物に見せると意外な反応が返ってくることも。

基本的に仕掛けはノーヒントで、今時の親切なアイコンやメモなどは一切ありません。怪しいところを片っ端から調べて探し回る、思いつく手段をすぐ試す、マップが狭い分地道な探索の比重が大きいため、思わぬ見落としで進められないこともままあります。

セーブできるポイントも限られており、セーブポイント「運命の書」とワールドマップ以外は中断してゲームを止められません。ダンジョンの途中で行き詰まっても次のセーブまで、というPS世代までの厳しさはそのまま残っています。一応要所でのオートセーブはありますが、ゲームを終了するタイミングには気を付けましょう。

今作では、リマスター作品でおなじみのアシスト機能が複数搭載され、忙しい人やストーリーだけを楽しみたい人でも遊びやすくなりました。目玉はやはりクリア後のお楽しみであった「試作時間変速機」を最初から手にしていること。ゲーム全体の進行をいつでも高速化、スロー再生に切り替えられるので、探索の往復でちょっと面倒なときに使えばあっという間に到着です。

バトルシステムはやや複雑で、「スタミナ」と「エレメント」の管理が重要になります。キャラクターはそれぞれ最大7ポイントのスタミナを持っており、「弱」「中」「強」の3段階の攻撃と後述のエレメント攻撃をスタミナが尽きるまで連続で行います。

「弱」は1ポイント、「中」は2ポイント、「強」は3ポイント、エレメントは7ポイントで、エレメントのみスタミナをマイナスになるまで消費します。例えば「強」2回でスタミナを6消費して、残り1の状態でエレメントを使うと最大のマイナス6になるまでスタミナを使います。しかし、スタミナが多い順番でキャラクターが行動するので、その分待機時間が長くかかります。攻撃途中でキャンセルして別のキャラクターにターンを回せるなど、ダメージと待機時間の塩梅に大きく自由度があるのが本作の「クロス・シーケンス・バトル」の特徴です。

魔法に当たる「エレメント」はアイテムとして様々な場所で入手します。雑貨屋で売っているなど、この世界では日用品のような扱いです。6属性あるエレメントは、キャラクターの持つスロットに予めセットしておかないと戦闘で使用できません。しかも一度使えばその戦闘中は復活しないので、大量に所持していても、3つしかセットしていなければ3回しか使用できないのです。使い切った後は攻撃と防御のみになるので、強力なボスには回復や補助を含めて限られた回数をどう使うかを考える必要があります。

これに加え、エレメントの使用履歴によって変化する「フィールドエフェクト」によって威力が増減します。エレメントを使用するとそれに応じた属性の色がフィールドに満ち、同じ属性は強化、反対の属性は弱体化します。これを利用すると、ボスの使用する強力なエレメントを把握している場合は、予め反対属性のフィールドエフェクトで満たすことで大きく弱体化させることができるのです。

このように複雑なバトルシステムなので説明書に目を通すのは当然としても、ささっと物語だけを追いたい人はリマスターおなじみの「エンカウントオフ」「無敵モード」「オートバトル」などのアシスト機能を使いましょう。オートバトル機能はエレメントを一切使用しないので、無敵モードと併用するか、適時手動に切り替えてください。いずれにしても、エレメントをどのように使うのか、それを考えることが強敵を打ち倒すになるでしょう。

『ラジカル・ドリーマーズ -盗めない宝石-』―あり得る、あるいはあり得ない泡沫の夢 

『ラジカル・ドリーマーズ -盗めない宝石-』はスーパーファミコンの周辺機器「サテラビュー」を介して配信されたノベルADV形式の作品です。BS波のデータ放送を受信するサテラビューはBS受信アンテナの設置が必須で、サービスを受けられる人が限られていたことから、次世代機への移行に伴いわずか5年で打ち切りとなりました。本作も放送された「番組」のひとつでしたが、サテラビューが終了した現在では、保存されたメモリーでしかプレイできない幻の『クロノ』シリーズとなっていました。

セルジュ、キッド、ギルの3人からなる盗賊「ラジカル・ドリーマーズ」の物語ですが、シナリオのひとつ「Kid 盗めない宝石編」が『クロノ・トリガー』の直接的な続編でもあり、『クロノ・クロス』に引き継がれた要素も多く、ファンとしてはどうしても手に入れたい作品。この度ようやく移植が実現し、それだけでも大きな価値があります。

ゲームとしては至ってシンプルで、テキストベースの進行に合わせて出る選択肢を選び、それによって探索や戦闘を進めていきます。戦闘ではダメージを受けすぎるとゲームオーバーになるため、危ないときには無茶をしないようにしましょう。

演出や音楽を『クロス』をプレイした後で見ると、「なるほど」と思う部分が多々あります。ただし、『トリガー』の続きではあっても『クロス』とは全く異なる「一種のパラレルワールド」なので、『クロス』と物語や世界の直接的な繋がりはないものとしてお楽しみください。

両タイトルともに、画面比率はオリジナルの4:3で表示されます。全体が表示される「ノーマル」、引き延ばされる「フル」、やや拡大する「ズーム」の3種類から好みに合わせて選びましょう。ゲーム中では変更できませんが、懐かしの「タイトルリセット」の操作もあります。今では珍しくなっただけに、ちょっと嬉しいポイントです。

『クロノ・クロス』と言えば、光田康典氏の手がけた民族音楽調のサウンドトラックも外せません。リマスター版はプレイステーションの内蔵音源から高音質化作業を行ったとのことで、当時の雰囲気を損なうこと無くクリアなサウンドを実現しています。プレイステーションの環境では難しかった重低音や細かいパーカッションにまで耳を傾ければ、オリジナルとはまた違った印象になるかもしれません。

また、本作はプロキオンスタジオのマリアム・アボンナサー氏、デンマークのトラッドバンドDreamers’ Circusによるアレンジ7曲、『ゼノブレイド2』でおなじみのANÚNAからゲストボーカルを招いた新規書き下ろし1曲(ここ重要)も収録。豪華布陣による計8曲もたっぷりと堪能してみてください。

今回はプレイレポートのため物語には触れませんが、色彩豊かでありながら憂いを帯びた物語は、優しくもあり、残酷でもある深い海のようです。その奥底に隠された「傷痕」に触れたとき、あなたは何を考え、何を感じるでしょうか?


『クロノ・クロス:RD エディション』先行プレイレポート―「幻」の挿話と共に、夢の再演はより鮮やかに蘇る

《Skollfang》
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