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大河内PPが熱弁『リネージュM』に寄せる想い―待っている人がいるから、出す義務がある

日本版『リネージュM』の運営を担当するエヌ・シー・ジャパン株式会社(以下、エヌシージャパン)へ赴き、日本版プロジェクトプロデューサーの大河内卓哉氏にお話を伺いました。

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大河内PPが熱弁『リネージュM』に寄せる想い―待っている人がいるから、出す義務がある
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約20年の歴史を持つ老舗MMO『リネージュ』。それを元にした、スマートフォン向けMMORPG『Lineage M(以下、リネージュM)』が、2019年春、日本でのローンチを迎えます。

今回、日本版『リネージュM』の運営を担当するエヌ・シー・ジャパン株式会社(以下、エヌシージャパン)へ赴き、日本版プロジェクトプロデューサーの大河内卓哉氏にお話を伺いました。ローンチ前のインタビューということで、本来であれば細かいゲーム内容について触れるべきなのかもしれませんが、まずは大河内PPの『リネージュM』、そして『リネージュ』シリーズへの想いをお伝えできればと思います。



――今日はよろしくお願いいたします。まず、『リネージュM』にどのように関わっているかを教えてください。

大河内卓哉氏(以下、大河内):大河内です。基本的には『リネージュM』がどういうゲームなのかをブレないように、各部署を横断してリリースまで持っていくというのが私の仕事になります。

職業的にはプロデューサーと呼ばれる仕事にはなると思いますが、プロデューサーってゲームを作るにあたって色々なタイプ、業務内容があるんですね。制作をすることに特化するプロデューサーもいれば、どう見せるかという事に特化するプロデューサー、予算調達や管理するプロデューサーもいて、プロジェクトによって必要とされる能力も違います。

ただ、今回これらのプロデューサー業務を一人で全部やると全く手も時間も足りないので、『リネージュM』には2人のプロデューサーがいます。特にゲームとして本当に深いところ、世界観やゲーム文言の調整などをPC版『リネージュ』を長年担当していた川南プロデューサーに託し、私が全体を外に出していく形を取っています。

――大河内さん自身は『リネージュ』はプレイしているのでしょうか。

大河内:実は『リネージュ』には、あこがれがあるんです。PC版リネージュがサービス開始した頃ってまだ自分は学生で、村から出ていきなりPKされて1回挫折してしまった経験があるんです。当時は何このゲーム!って(笑)。だから『リネージュM』が海外でリリースされた時は、今度こそ挫折せず触るぞ!と。そこから色々あって、リリースを推進する立場になりました。

全体のMMO歴では学生時代から遊んでいて、社会人になってからはゲームやアニメに関連するプロジェクトを動かす事業を中心にやっていたんですが、忙しくなればなるほど、プライベートで友人と時間を合わせて遊ぶのが難しくて、その影響でMMOを遊んでいることも多かったんですよ。

プライベートでもひたすらここ2~3年は、リリースされたほぼ全てのMMOタイトルを一度はプレイしています。ただ単に少し触るだけではなく、大会への出場や、ランキングリストに入る程度のところまできちんとやっています。


大河内:現在川南プロデューサーに託しているのが、「エヌシージャパンの創り出すMMORPGの文化」部分になります。PC版リネージュを10数年、誇りをもって遊んでいる人が数多くいるわけですよ。それはやはり、私が今からやっても絶対に追いつかない領域と知識量なので、その統一感や違和感のチェック、修正を川南プロデューサーに任せています。

一方で、私は触ったことない人や触ったけど今はやめてしまっている人に対して、「こんなに良いんだよ!」と伝える立場です。だから実生活では、太陽が登る頃に起きてまず1日分の各種MMORPGタスク、ユーザー通称で言うと日課をプレイして、会社に来て、帰ってまたグローバル版『リネージュM』をプレイして……という社会人MMOユーザーと同様の生活を続けています。皆様とゲームから受ける感覚をずらしたくないですから。

仕事のモットーとして、好きなものをより良く社会に出したいですよね。自分がいなくても出るものだったら、自分がいなくていいと思っているので。

――他タイトルの製作者の方も「自分の関わっているゲームがすごい好き」という人ばかりなので、そういう人がいないとだめなんだろうなと思います。

大河内:『リネージュ』シリーズは日本で本当にコアに根付いているので、そこを理解しようという気持ちはないとだめだと思います。なので、「リネージュ愛」を持っている人を集めて結成させて頂いたのが、今回の『リネージュM』の運営、スタッフチームです。「仕事」と割り切って、ただただやっている人は少ないと思います。『リネージュ』があったからこそ今の自分がいる!というような人ばかりですよ。全員だと意見が偏る場合があるので、バランスはとっていますが。

私みたいに、逆に挫折からスタートして、大人になってからそのゲームの面白さに気づく方もいると思います。当時、なぜ面白さに気づかなかったのか。それは、伝えてくれる人がいなかった、もしくはその機会が無かったからですし、楽しみ方が自分まで伝わってこなかったからです。だから今の立場で少しでも頑張れば、自分みたいな遠回りしたバイアスを通って来る人を減らせるわけです。それが私からまだ見ぬユーザーへ伝えられる愛ですね。

――熱いですね。そういう想いを持っていることがわかると、ユーザーとしては安心できると思います。今回『リネージュM』ということで、世界観としては従来のシリーズと同じなのでしょうか。

大河内:実は『リネージュ』と『リネージュ2』は時代背景が違ったりするのですが、『リネージュM』に関しては、『リネージュ』とほぼ同じになっています。日本でのリリースにあたって、IPとしての統合性などを細かく入れている部分があるので、全く一緒かと言うと厳密には若干違和感があるかもしれませんが、ほぼ一緒だと思っていただいて大丈夫だと思います。


――時代の流れというのもあると思うんですが、何故20年近い歴史があるタイトルをスマホに持ってきたんでしょうか。

大河内:ストレートに話すと、昔の憧れって大事なんですよ。つまり、私たちってやっぱり変わらないわけではなくて、生きてきた歴史があるんです。例えば学生の頃にゲームの中で周りにいた人は自分よりすごいLvが高くて、強い武器も持っていました。でも、今社会人になってやろうと思えば当時の向こうの立場になれます。人を助ける立場になれます。

でも、そんな時代の流れの中で、業界のトレンドは色々変化していて、当時触っていたMMOと手触り感が変わっているところがあると私自身感じています。つまり、「自分が欲しかったMMOはこれじゃない」と色々なゲームに対して感じている人は少なからずいらっしゃると思っています。

『リネージュM』は2Dクォータービューで、そこは『リネージュ』と変わりません。でも、最新の3Dグラフィックだと2時間で酔うけど、2Dクォータービューなら20時間遊べるという方もいますし、現に私がそうなんです。

技術の進歩はめざましく、ハイグラフィックなMMOがスタンダードになりつつあります。でも、2Dクォータービューにも需要があると確信しています。そういう人たちにちゃんと届けたいと思っています。

特に『リネージュM』はゲームバランスも素晴らしく、海外でしっかり実績を残しているのに、日本人は最新のゲームが好きだからという理由などで出さないのは問題だろうと。このゲームのリリースを待っている人がいるわけですよ。そこはちゃんと提供してあげる義務がエヌシージャパンにはあると思っています。

海外と同じタイミングで出せず、2年もお待たせしてしまい、申し訳ないと思っています。しかし、リリースできれば、日本でも長い長い年月でサービスを提供できると感じています。そのために、システム設計もイベント設計も緻密に見ています。

――いいお話です。ゲーム性的には『リネージュ』とは異なるのでしょうか。

大河内:『リネージュM』、『リネージュ』ともに2DクォータービューのMMORPGというのがすごくわかりやすいと思います。あえて言うなら、一本道ではなくて、ある程度まで行けば世界が無限に広がる自由度の塊です。箱庭をきっちりと準備していて、そのバランスが整えられているというのが『リネージュ』の最も大きな特徴かなと思います。

――スマホ版になったことで、独自要素などはあるのでしょうか。

大河内:細かく言えば様々な要素があるんですが、見せられないところでいっぱい話しても・・・と思っていて、原則的にPC版『リネージュ』の良さをスマホで遊べるというところに特化していると言った方がいいと思います。ただし、PCは画面も大きくて、マウスも慣れている人なら操作しやすいんですが、スマホという制約がある中でどう改善できるかというところが、スマホならではの点かなと思います。まだお話することはできないんですが、期待して欲しい機能も準備を進めていますので、楽しみにしてもらえればと思います。

――私自身は、あまりスマホでMMOをやらないんですが、この画面で情報をどうするのかは気になりますね。

大河内:やろうと思えば問題はないと思います。ただ、その情報を減らすという段階で、内容を間違えてしまうと、MMOもどきになってしまうんです。そういうものも一部見かけるので、『リネージュM』では守りたいなと思っています。

次のページ:海外版との違いや初心者向けの情報も!
《kuma》

kuma

作詞家/作編曲家/元Esports競技勢。FPS、アクションRPG、シミュレーター系が主食。ハードウェア・ソフトウェアレビュー、インタビューなどをやっています。

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