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【インタビュー】PlayStationプラットフォームの「これから」―盛田厚プレジデントが語る

編集部は、SIEJA盛田厚プレジデントを取材。2017年年末商戦に向けたPlayStationプラットフォームの戦略と今後の展望を語ってもらうと共に、気になるトピックにも答えてもらいました。

ソニー PS4
【インタビュー】PlayStationプラットフォームの「これから」―盛田厚プレジデントが語る
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世界最大規模のゲーム見本市「E3 2017」の開催が目前に迫り、ゲーム業界が最も盛り上がりをみせる時期。ソニー、任天堂、マイクロソフト、各ファーストパーティーがどんな発表を行うのか、その動向が大いに注目されています。

編集部は、ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジア盛田厚プレジデントを取材。2017年年末商戦に向けたPlayStationプラットフォームの戦略と今後の展望を語ってもらうと共に、気になるトピックにも答えてもらいました。

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■「もう一度、PS2時代の状況を作りたい」―盛田氏が描くプラットフォーム戦略とは


盛田プレジデント: 2016年はSIE、PlayStationとしては非常に好調に推移しました。ワールドワイドだけではなく、日本とアジアも非常に良い結果で2016年を終えることができました。最初のステップは、私が着任した2年ちょっと前に遡るのですが、「日本向けのタイトルが足りない」とすごく言われていて、遊びたいタイトルがないからPlayStation 4 (以下:PS4)をまだ買わないという話があった中で、日本のビッグタイトル、日本のユーザーが遊びたいと思っているタイトルを出していくことに注力しました。それを順次発表、発売されてきたということが、ここまでのタイミングでほぼできたと思っています。

ハードウェアの方もPlayStation 4 Slimで買いやすい価格になり、一方でPlayStation 4 Proのようなハイエンドのモデルも発売することができて、ゲームファンと言われている人たちに対してのアプローチは、基本的にはできたと思っています。我々の目標としていたPS4の第1ステップは、達成出来たと考えています。

次はいよいよ第2ステップに入っていきたいと思っているのが今年考えていることで、昔は子供の頃に各家庭に、子供がいる家庭にはほぼ必ずゲーム機があって、持っている友達の家に遊びに行き、みんなで遊ぶ、という時代がありました。その子どもたちが大人になり、仕事が忙しくなったり、家庭を持ったりしてゲームをやらなくなっているという状況が起きていると考えています。

それに対してもう1度「PlayStation 2」(以下:PS2)の時代のように家庭にはゲームがあって、ゲームを楽しんでいる、という状況を作りたい、簡単に言うとPS2ぐらいまでに売りたいというのを次の目標にしてやっていきたいと思っています。

その1つとして「Day of Play」というキャンペーンをE3に合わせて6月9日から約1週間実施します。SIEが設立して1年ちょっと経つのですが、グローバルで毎月戦略の議論やレビューをしたりしており、グローバルで何かできないか、という話になりました。

今までキャンペーンを打つというのは地域ごとで、商戦期って国によって違う。チャイニーズニューイヤーというのがあったり、日本ではお年玉需要や入学式、卒業シーズン、長い休みの前といった売れるシーズンがあり、アメリカで言えばブラックフライデーだとか、ホリデーシーズンだとか、売れるタイミングがそれぞれ違うので、それに合わせてみんなプロモーションを打ってきました。PlayStationという統一した戦略があり、グローバルでこれまでどういう活動ができるか、何ができるかという話をしてきたなかで、1つグローバルのキャンペーンを展開してみたらどれぐらいできるだろうというのをチャレンジみたいな、と。

「E3」というのはゲームファンにとっては楽しみにしているイベントなので、そこに合わせてグローバルに展開することで、インターネットが普及した今の時代ならではのやり方ができるのではないか、というのが今回のキャンペーンの狙いです。さまざまな商戦期はあるのですが、PlayStationがゲームファンのために作った商戦期というのが、どこまで盛り上げられるかどうかというのをトライアルとして試してみたいと思っています。

人って凄いイベントがあるとお祭り気分でワクワクして、米国で言うとスーパーボウルがやってくると、そこの街はなんとなくお祭りみたいになるんですね。それと同じような形で「E3」のタイミングでゲーマーがウキウキしているときに、ゲームファンに向けて、特にデジタルを中心にディスカウントキャンペーンのオファーをしてみると盛り上がるのではないかと考えています。

キャンペーン内容は各国で少し違いますが、PS Storeを中心に、日本で言うと50タイトル、日本のファン向けのタイトルをピックアップして、スペシャルディスカウントをやることにより、改めてゲームをこの週遊んで頂く。店頭においてはPS4とDualShock 4をセットで買って頂くとDualShock 4が半額になります。この機会にPS4を買って遊んで頂くというのもあるのですが、DualShock 4をもう1個買っていただいて、友達や家族と遊んで頂くと言うのをプロモートしたいという意味もあってこれを展開します。

もう1つは年末に向けてですが、これまでやってきた活動の繋がりで、PS2並を目指して、原点に返り、PlayStationをみんな知らなかった頃、ローンチした頃にPlayStationって何?と言われていた時の気持ちを思い出し、ゲームファンに向けてゲームタイトルをプロモートするだけではなくて、一旦ゲームをやれなくなってしまった人達やゲームをしていない人達に向けて「ゲームの楽しさってこういうもの」、あるいは「ゲームってこういう素晴らしい体験ができます」というメッセージを届けていこうと考えています。

子供の頃の体験ってすごく後まで残るので、ゲームで素晴らしい体験をすると、子供の心に残って素晴らしいイマジネーションを刺激できるので、親子で遊ぶ、という体験を提供したいです。


「全てのタイトルはPlayStationに集まる」と昔言っていたことがありましたが、いろいろなタイトルが出てくるべきだと思っていて、ゲームファン待望のタイトルはもちろんですが、『ドラゴンクエストXI』のように、誰でも名前は知ってるだろうとか、ナンバリングのどれかは遊んだことがある、というようなタイトルがいよいよ出てくるとか『New みんなのGOLF』のように家族や友達とカジュアルに遊べるものや『グランツーリスモ』のように車好きの人にうってつけのタイトルとか、さまざまなタイトルを出していくことで幅広くリーチしていきたいです。そして、親子で遊ぶ、これをきっかけに遊ぶというタイトルをたくさん出していきます。

さらにリアルなイベントとして「PlayStation祭」というイベントを、より強化していきたいと思っています。子どもたちが家で戦っていた、それを他の友だちが後ろで見ていたというのをさらにもうちょっと展開した形です。ゲームをどこかみんなで集まってチームを組んで戦う、あるいはそれを見て応援するという「見る楽しみ」としてのゲームをすごくプロモートしていきたくて、東京ゲームショウの後に地域ごとのキャラバンを実施したり、『Call of Duty』の大学対抗だったり、さまざまなものを「PlayStatio 祭」と呼び、点ではなくて線にしていく活動をしていきたいと思っています。

ゲームをやる人の裾野を広げていくと、最高レベルの技を見せていく、そこに憧れてもらう、というのが1つポイントだと思っていて、プロ野球があるからリトルリーグに入って草野球がある、ワールドカップを目指したいからサッカーを始めるという形と同じように、最高峰があると地域でやるゲームが盛り上がるという形を作っていきたい、それを「PlayStation祭」という形で盛り上げていきたいなと思っています。

もう1つ言うと、この先にあるのは、「みんなのPlayStation」「一家に一台PlayStation」ということを狙っています。もちろん、ゲームを楽しんでいただくためにやるのですが、ゲームだけじゃなくてビデオサービスやYouTube、音楽を聞くと言ったいろいろなエンターテインメントがあると思います。そんななか、どういうエンターテインメントでもPlayStationで楽しむことができる、最適な楽しみ方ができる形にしたいと思っていて、ゲームをやるためにPS4を買う、でもそのPS4はYouTubeを見たりビデオサービスを見るためにPS4を使っているとなると、PS4さえあればなんでも楽しめる、一家に一台PlayStationがある、そういうところを目指した動きというのはこれからどんどんかけていきたいです。

楽しいと言われるサービスはどんどんPlayStation上に持ってきたいというのと、せっかくソニーグループにエンターテインメントの会社がたくさんあるので、そういうシナジー効果も含めて、アニプレックスのアニメやソニー・ピクチャーズの映画、ソニー・ミュージックのアーティストなど、さまざまなコンテンツがPS4上で楽しめる、あるいは1つのIPやキャラクターをいろいろな形でプロモートしていく、アニメもやるしアニメがゲームになるし、それが映画になったり音楽になったりという、総合的に盛り上がっているということをソニーグループならできると思っています。

昔はそういう環境ってなかなかなかったのですが、インターネットも整いボーダーがなくなってきているので、実際にコミックがドラマになったり、それが映画化されたり、アニメが実写化されたり、ゲームが舞台になったり、アニメがゲームになったりということが出てきているので、それがソニーグループだと一層やりやすいし日本で回していける、それをまたアジアに展開できるというのはやりやすい可能性はあるので、そういう展開もどんどん加速していくことによって、みんなのPlayStationを周期的な流れでやっていきたいと思っています。

次ページ: 盛田プレジデントにインタビュー、気になるトピックを直撃!
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