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【特集】『東方Project』商業・海外展開の裏側、その背景には時代の変化が

 

ゲームビジネス インディ
【特集】『東方Project』商業・海外展開の裏側、その背景には時代の変化が
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◆10~20代がファン層の80%を占める『東方』というジャンル



幻想の輪舞

――商業展開を開始したことで、『東方』のファン層が変わってきたという実感はあるのでしょうか。

江崎:変わってきたというか、変わっていたものが見えたという感じです。『東方』のイベントに行くと若い方を結構見かけていたんですが、実際にどれくらいいるのかはわからなかったんです。でも家庭用でゲームを出したところ、中高校生のツイートが増えたのがわかったので、やっぱり居たんだなと。今までは何となく居るんだろうな程度だったのが、可視化されましたね。あと去年の「例大祭」で一般参加者に年代のアンケートを取った結果、10代が半数を占めたんですよ。

――それは驚きますね。

江崎:ええ。10代が半数、残り半数の40%が20代で、約8割を10代と20代が占めてました。一般参加層者の年齢層が予想を超えて低かったっていうのが分かりましたね。

──自分ですら『東方』に興味を持ってゲームやアレンジCDを買い漁って10年は経っているのに、今10代のファンがそんなに多いっていうのは驚異的です。何をきっかけに入ってくるのか、そこは気になりますね。


不思議の幻想郷 THE TOWER OF DESIRE

JYUNYA:『東方』って去年で20周年なんです。ニコニコ動画で『東方』コンテンツが盛り上がって「『東方』のお客さんめっちゃ増えたよね」とか言っていましたけど、それですらもう10年前。20年も経てば『東方』への戸口や入り口って全然変わってくると思うんです。

──確かに常に増え続ける若いユーザー層が同じ戸口から入ってくるとは考えられないですしね。

JYUNYA:入り口が一般層に近づいているんだと思います。最近だとゲームセンターの音ゲーですよね。どの筐体にも『東方』楽曲が入ってる。ディープな層やネットの中でライトだったニコニコ動画すらはるかに超えて、ゲームセンターという一般的な場所に『東方』の入り口があるんです。そこに僕らが家庭用ゲーム機という一般の入り口に来て、さらに近づいたのかなと。


――ユーザーは若い方を中心に増えていっているということですが、逆に作り手──『東方』二次創作やオリジナル同人ゲームを作るサークルさん自体の数って増えているんですか?

JYUNYA:同人ゲームのサークル数は増えてないと思います。今は個人がネット上でその才能を世に知らしめることができる時代ですよね。だから集う必要がないし、集ってゲームを作るってことをしなくなってきているんです。昔は「みんなで何かやるぞ、この指集まれ!」って集まっていったんですけど、今はもうその必要はないので、よほどゲームソフトを作りたいっていう目標を持っている人たちが数人集まらない限り、同人ゲーム制作サークルが増えないんじゃないかなと思うんですよ。

──とりあえず個人で表現しようってところに落ち着いちゃいますもんね。

JYUNYA:あとは最近ライト層が増えた結果、“同人ソフトというご祝儀”が効きかなくなってきましたね。僕らが頑張って作っても一般の家庭用タイトルと比べられてしまいます。「同じ500円や1000円で、なんでこんなもんなの?なんでサポート悪いの?」とか。だからもうそういう意味ではリスクもあり、作り手に夢がなくなってきたのも同人ゲームサークルが増えない理由なんじゃないかなと思っています。

江崎:僕もこういった同人ゲームサークルで活動を続け、家庭用でも出してってやってきましたけど、そういう活動をする最後の世代なんじゃないかと勝手に思っているんです。(渡辺製作所さんやTYPE-MOONさんのような)僕らの1個上の世代の方々は法人化してガーっと上がって行き、僕らのような一個下の世代はメディアスケープさんの力によって僕らが僕らのままでゲームを出せるという。僕ら以降の世代はスマホとかで個人の才能を生かしていくんじゃないかなって。


東方紅輝心

チヒロ:僕は世代的にはファミコンの末期頃からゲームの進化に立ち会ってきた世代で、ゲームを作ってみたいという思いが小さい頃から強かったんですよ。だから、こうやって声をかけていただいて商業で出せるチャンスがあるっていうのはすごく夢があるなと。なので、若い世代の方でゲームを作ってみたいって思いが少しでもある子たちには、どんどん出てきてほしいなと思っています。

――メディアスケープさんとしては若い世代の方たちに同人ゲームサークルとして入ってきて欲しい気持ちはありますか?

江崎:こちらとしても面白いゲームを作っている方には、声を掛けたりして行ければと思っています。でも実際個人でできる環境になったというのは間違いないと思いますね。時代に周辺の環境が追い付いたのかなと。なので、そういった個人制作者の方もバックアップできるようにとは思っています。ゲーム制作者の輪ってどうしても広がりにくいですし、同人ゲームが他のエンタメジャンルに食われがちなのはどうしようもないと思うんですけど、その中で出来ることはまだあるというのが僕らの持論なので。もうちょっとあがいてみたいと思っていますね。


――僕もライターとして10年以上同人ゲームを応援している立場なので、まだまだ盛り上がっていって欲しいと思っています。では「Play,Doujin!」の今後の展開について、どういった未来を目指してビジョンを描いているのでしょうか。

江崎:パブリッシャーとしては「サークルさんに一本でも多く新作を出して頂く」ということを長く続けていきたいです。こういうプロジェクトって途中で終了するのが一番いけないことだと思うので、ちゃんと続けていきたいですね。あと最近は色々なイベントに「Play,Doujin!」でブースを出しているんです。今は東京がメインですが今後は地方のイベントにも出ていきたいです。そこでPS4/PS Vitaでも個人制作のゲームが遊べるんだということを、少しでも多くの人に知って頂きたいです。

――ありがとうございます。リリースされるゲームが増えるに従って更に盛り上がっていけることを祈っています。最後にみなさんの新作情報とかあればぜひ宣伝をお願いします。


JYUNYA:12月22日に最新作『不思議の幻想郷TOD- RELOADED-』が発売されます。シリーズ集大成で最終作ですので内容には是非ご期待ください!そしてその前の12月8日には黄昏フロンティアさんから『東方深秘録 ~ Urban Legend in Limbo.』が出るんですけど、そちらは原作になります。12月は2本、ほぼ連続の形で『東方』がパッケージで登場し、全国のゲームショップに並びますのでよろしくお願いします。


響谷:うちは今年11月2日にPS VitaとPS4で対戦格闘アクションゲーム『東方紅舞闘V』が出ます。アドホック対戦もできますし、プレイステーションネットワークでも対戦ができて、それぞれ交互にちょっとお安くなるみたいなところもあります。あと『幻想の輪舞』を購入していると、PS4がそれを認識して『東方紅舞闘V』から『幻想の輪舞』に対戦に行けるという連係機能もあります。

チヒロ:うちは現在解禁できる情報がないのですが、『東方』のアクションRPGを作ってみたいということで集まったサークルなので、次の作品も集大成にしようと準備しています。こちらの制作をがんばって続けたいと思います。

──いやぁ……全作楽しみです。

江崎:これらの新作をきっかけにまた戸口が広がって、いい意味でのライトな方がどうやって『東方』の界隈に融合して行くのか楽しみですね。『東方』って知る人ぞ知る、みたいな部分がまだありますから。

──商業展開が更に充実してきた頃、『東方』というジャンルをとりまく世界もまたガラッと変わってきたりするかもしれませんね。

江崎:そうですね。あと、最後に言っておきたいことがあるんですけど、「Play,Doujin!」のいいところはどこまでも自分が主役ってところなんです。あなたがたが主役です!

――大事なところですね。今後のPlay,Doujin!、本当に楽しみです。
《風のイオナ(シティコネクション)》
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