このセッションに登壇したのは、SCEAのシニア・ミュージック・プロデューサーPeter Scaturro氏、Kouneva StudioのコンポーザーPenka Kouneva氏、SCEEのミュージック・プロダクション・スーパーバイザーJim Fowler氏。
■『Bloodborne』の音楽
まず、『Bloodborne』の音楽がどのような体制で作られたのか説明されました。130分にも及ぶサウンドトラックに携わったコンポーザーは6人おり、制作に2年半が費やされたのだそうです。
音楽の方向性として、最初にゲームディレクターの宮崎 英高氏がソニー・ミュージック・アメリカとフロムソフトウェアに提示したものは、映画音楽家のRyan Amon氏が率いる「City of the Fallen」の音楽でした。ワシントンDCベースで活動している「City of the Fallen」ですが、宮崎氏はiTunesにてAmon氏がセルフバブリッシング販売していた音楽を見つけ、これをゲームのキービジョンにすることを決めました。そして、Amon氏もゲームのコンポーザーとして参加することになり、アメリカチームと協力し『Bloodborne』のE3トレイラーの音楽も手掛けました。
3人のアメリカ人コンポーザーと3人の日本人コンポーザーにより楽譜が書かれていきますが、音楽の方向性をゴシック・ビクトリアン調に統一するため、半古典的なアプローチが用いられています。
ゴシック・ビクトリアンを表現するために用いられた構成は、弦楽器を主体&金管楽器セクション、ソロの弦楽器演奏、弦楽器カルテット、歌のソロパート、聖歌隊の歌パート、ピアノ/チェレスタ、パーカッション。演奏チームは、弦楽器はバイオリン1が12人、バイオリン2が10人、ビオラが8人、チェロが8人、バスが6人。金管楽器はホルンが6人、トロンボーンが4人、チンバッソが1人。聖歌隊は、ソプラノが8人、アルトが8人、テナーが8人、バスが8人。パーカッションは、ティンパニーとチャイム。レコーディングは、オーケストラが5回(計18時間)、聖歌隊が3回(計9時間)。
■DLCの音楽
DLCの音楽は、オーケストラの収録が1回(計4時間)、聖歌合唱隊の収録が1回(計2時間)と、2回のレコーディングが行われています。DLCの音楽も本編の持つ雰囲気から外れないように細心の注意が払われていますが、異なった感情表現も多く取り入られています。音楽性を合わせるため、オスティナート(特定の音楽パターンを繰り返すこと)を用いて本編の音楽テーマとDLC用に作られた音楽をミックスするという手法が用いられているのだそうです。
■『Bloodborne』音楽の挑戦
6人のコンポーザーがそれぞれの意図を理解し作り上げた『Bloodborne』の音楽は、非常に大きな挑戦だったとJim Fowler氏は語りました。多くの問題を乗り越えるために必要なものは、ピースごとに物事を考えることではなく、チームで全体を見ながら長期的に考えていくことが重要なのだそうです。
日本・アメリカ・イギリスと、言語とタイムゾーンが異なる中で1つのチームとして成功できたのは、6人のコンポーザーを手助けしてくれた多くの人によるものだと祝辞が述べられ、このセッションは幕を閉じました。
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