人生にゲームをプラスするメディア

【特集】“『ブレイブルー』森P×かきゅん店長”特別対談 ~ゲームセンターの現状と未来~

アークシステムワークスの森利道プロデューサーと、アーケードシーンを現場で支えるゲームチャリオット五井店の店長であり、自らも格闘ゲーマーであるかきゅん氏の2人にゲームセンターの現状、そして未来について語ってもらった。

その他 アーケード
【特集】“『ブレイブルー』森P×かきゅん店長”特別対談 ~ゲームセンターの現状と未来~
  • 【特集】“『ブレイブルー』森P×かきゅん店長”特別対談 ~ゲームセンターの現状と未来~
  • 【特集】“『ブレイブルー』森P×かきゅん店長”特別対談 ~ゲームセンターの現状と未来~
  • 【特集】“『ブレイブルー』森P×かきゅん店長”特別対談 ~ゲームセンターの現状と未来~
  • 【特集】“『ブレイブルー』森P×かきゅん店長”特別対談 ~ゲームセンターの現状と未来~
  • 【特集】“『ブレイブルー』森P×かきゅん店長”特別対談 ~ゲームセンターの現状と未来~
2015年11月より稼動開始されたアークシステムワークスの新作アーケードゲーム『ブレイブルー セントラルフィクション』(以下、セントラルフィクション)。アーケードシーンを取り巻く状況は厳しいと言われるなか、新作を投入し続けることでアーケードシーンを盛り上げることに貢献し続けている男気あふれるメーカーのひとつである。


今回は『セントラルフィクション』の稼動開始を記念し、アークシステムワークスの森利道プロデューサーと、アーケードシーンを現場で支えるゲームチャリオット五井店の店長であり、自らも格闘ゲーマーとして活動しているかきゅん氏の2人にゲームセンターの現状、そして未来について語ってもらった。

◆ゲーセンに人が集まってくるようなゲームを作っていきたい


左からかきゅん店長、森プロデューサー

──今日はよろしくお願いします。

森:アークシステムワークスでプロデューサーをしている森です。よろしくお願いします。

かきゅん:千葉県五井の五井駅前にある、ゲームチャリオット五井店の店長をやっています。プレイヤーネームとしては“かきゅん”と言う名前を使っています。よろしくお願いします。

――お2人はいつ頃から知り合いになられたんですか?

かきゅん:確か『ギルティギア イグゼクス アクセントコア』で大きいイベントを開催した時に、「開発者突撃インタビュー」という企画で森さんに会ったのが最初ですね。その時に森さんから「水面下で新しい格闘ゲームを作っている」という話を伺いまして。その直後に『ブレイブルー』が発表になったので「なるほど」って思ったのを覚えています。

森:僕の記憶だとそれより前の『ギルティギア イグゼクス スラッシュ』の開発中に、プレイヤーの意見を聞きたいってことで、当時から有名なプレイヤーだったパチ君 (本名は関根一利、同社の統括バトルディレクター)に頼んで何人か連れてきてもらったことがあって。……その中にかきゅん君もいなかったっけ?

かきゅん:いや、僕はその中にはいなかったですよ(笑)

森:あれ、そうだったんだ(笑)でも、初めてちゃんと話したのは「カフェ・ド・アーク」にゲストで来てもらった時だったよね。

かきゅん:そうですね。確か目黒の中華料理屋に連れてってもらって。懐かしいですね。

──それから約6年の付き合いになるんですね。さてアークシステムワークスの新作アーケードゲーム『セントラルフィクション』の稼動が開始されました。現在のアーケードシーンを踏まえて、どういった意味を込めたゲームになっていますか。



森:アーケードシーンの規模がどんどん縮小していってることは我々もわかっていることなんですが、僕らにできることは「できる限り人が集まってくれるゲームを作る」っていうことです。これは最初の『ブレイブルー』から一貫したコンセプトです。僕もゲームセンターで育った人間なんで、ゲームセンターを無くしたくないんですよね。

ゲームセンターに対戦しに来たり、友達に会いに来たりっていうコミュニケーションの場になればいいなと思って『ブレイブルー』シリーズは開発し続けています。ただ、今回の新作『セントラルフィクション』だけに関して言えば、できる限り長く遊んでもらえるゲームを目指して作っています。

稼働前にロケテストを何度も行いましたし、新キャラも研究しがいのあるキャラを多くしているのもそういう理由です。あとはストーリーを3つに分割して配信していくっていうのも、長く遊んでもらいたいっていう理由なんです。



──現場では『セントラルフィクション』の反響はどうですか?

かきゅん:稼働に関しては好評です。シリーズを遊んできているプレイヤーさんや、家庭用から入った新規の方がゲーセンに来てくれていると感じています。あと、今森Pの話にあった“アーケードゲームでストーリーが順次解禁されていくシステム”は過去に前例がなかったですよね。

例えば『ブレイブルー』のストーリーやキャラクターに興味ある方が、アーケードで『ブレイブルー』の新作が出たってことでゲーセンに来てくれたとします。でもそういう方は1人用で遊んで好きなキャラのエンディングまで遊んだら「後は家庭用待ちでいいか」ってなりがちなんです。

でもシナリオが段階的に配信されるとなると、そういった方がまたゲームセンターに来てくれるきっかけができるんですよね。ですので、オペレーターの立場的にも順次シナリオが配信されていく仕様はかなり嬉しいし、期待していますね。



──そのシナリオ第2弾となるACT2が1月28日に配信が決まりましたね。

森:そうですね。新シナリオは楽しみにしていてほしいです。『セントラルフィクション』はキャラが増えたので、全キャラ各3本分のストーリーを書くのは本当に大変でした。特に「カルル」とかスポットが当てづらかったキャラのシナリオはかなり面白くなっていると思いますよ。

ちなみにACT2で一番衝撃的なシナリオは「ナオト」です。『ブレイブルー』の世界観を知っていれば衝撃が走ると思いますよ。これは予告しておきますので、ぜひプレイして確かめてみてほしいですね。一言だけ言っておくと「画面から目を離さないでください」ということかな。見逃したらもう1回プレイしてください(笑)。

かきゅん:そうなんですか。ACT2のシナリオ、楽しみですね。

森:ちなみに、今回のバージョンアップは大型アップデートになるんですよ。ストーリーの追加だけじゃなくて、一人用モードに追加要素があります。



まずは「スピードスターモード」という新しいルールのタイムアタックですね。制限時間内に何人倒せるかを競うモードですが、このモードの最大の特徴として、自キャラの体力が一切減りません。時間切れでのみゲームオーバーとなりますが、大ダメージの連続技やディストーションドライブを決めるといった特定のアクションをすることで制限時間が増加するので、それを探してもらうっていう楽しみがあります。



あとは「アーケードモード」と「スパーリングモード」の選択画面でスタートボタンを押すと、「COM戦」用のキャラクターを設定することが出来るようになります。乱入された時には最初に選択したキャラで応戦出来るので、本アップデート後はストーリーが気になっていたキャラで心おきなくアーケードモードで遊んだり、スパーリングモードで練習する事が出来るようになりますよ!

──かなり追加要素がありますね。プレイヤーも遊び方の幅が広がりそうです。

かきゅん:1人用の台を置けるゲーセンもなかなかないですからね。ネシカ2~3セット置いて全部対戦台っていう状況だと思います。そうしたなかで『セントラルフィクション』のシナリオが解禁されたらアーケードモード(アーケード版で遊べるストーリーモード)を遊びたいって思う方も多いと思うんです。

だけど当然対戦もしたいって人もいる。それにゲームセンターでは対戦を拒否る理由もないですし。そこで勝てるかどうかはわからないけど、せめて乱入されたら自分の得意なキャラで対戦ができるっていうのはプレイヤーにとって有難い仕様です。



森:あと僕らはお店が混んでる時間や空いてる時間ってわからないので、ゲーセンにはそうした時間帯がわかるようにしてもらえたら嬉しいかな。対戦が好きな人はプレイヤーがいっぱい集まる時間帯に集まってくればいいし、1人用で遊びたい人は空いてる時間帯に行けばいいと。

例えばプレイしなくてもその時間に行けば、アーケードモード を遊んでる人がいるから後ろで見ようって思ってゲーセンに来てくれればいいんですよ。

──森Pから「ゲーセンがコミュニケーションの場になってくれればいい」という話がありましたが、現場であるゲーセンではユーザー同士のコミュニケーションの場作りにするべく、どんな施策をしていますか?

かきゅん:うちの店で言えば「初心者講習会」の開催です。とは言っても実際には中級以上の方も参加されるんですが、そこは特に制限をせずに集まってもらっています。実際、そのイベントの日にしかお店にこないプレイヤーさんも多くいらっしゃいます。同じレベル同士のプレイヤーさんを見つけやすいんですよ。

複数ある対戦台ではそれぞれ近い段位同士での対戦が繰り広げられていて、強いプレイヤーが下の段位のプレイヤーを狩りに行くってことが起きないんです。だからコミュニケーションが取りやすくなっていると思います。あとは他店さんでもよくやられている「段位制限大会」とかですね。



森:格闘ゲームって自分より少し強い人と対戦すると上手くなるんですよ。勝ち負けもわかりやすいし、会話もしやすい。そうするとお互いが切磋琢磨しながら強くなっていくんです。対戦していても楽しいんです。お互いの成長もわかるし。今、かきゅん君の話にあったように自分と近いレベルのプレイヤーに出会うために、そういったイベントに足を運んでもらうっていうのはすごくいいと思いますよ。

──開発側で想定するユーザー同士のコミュニケーションを「現場であるゲームセンターが実現している」という連携を感じますね。

次ページ:ゲームセンターで育った2人がゲーセン通いをするようになったきっかけ

《風のイオナ》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

その他 アクセスランキング

  1. 「アイマス」「ラブライブ」「バンドリ」の痛車が集結!キラキラした姿に注目【第九回 天下無双 東西最強痛車決戦 フォトレポ】

    「アイマス」「ラブライブ」「バンドリ」の痛車が集結!キラキラした姿に注目【第九回 天下無双 東西最強痛車決戦 フォトレポ】

  2. 高野麻里佳さん、上坂すみれさんにインタビュー!「ウマ娘 プリティーダービー 6th EVENT The New Frontier 秋公演」出走後の2人を直撃

    高野麻里佳さん、上坂すみれさんにインタビュー!「ウマ娘 プリティーダービー 6th EVENT The New Frontier 秋公演」出走後の2人を直撃

  3. カシオ計算機は “兼業VTuberの大変さ”を知っている。「頑張っているストリーマーの手助けをしたい」という思いから生まれた「Streamer Times」について、開発チームの3人にインタビュー

    カシオ計算機は “兼業VTuberの大変さ”を知っている。「頑張っているストリーマーの手助けをしたい」という思いから生まれた「Streamer Times」について、開発チームの3人にインタビュー

  4. 世界最小クラスゲーム「Thumby」は、パズルからRPGまでできて感動のアイテムだった

  5. 18歳未満は閲覧禁止!アダルトならぬ、ファビュラスな「叶姉妹」のフィギュア登場

  6. 【特集】マフィア梶田がフリーライターになるまでの軌跡、エヴァと杉田智和との出会いが人生を変えた

  7. 『ポケカ』は子供の学力アップにも繋がる!負けたくない小1息子に立ちはだかる、複雑なダメージ計算たち

アクセスランキングをもっと見る