さらに本作の監督としてマイケル・グレイシーと契約したとしている。グレイシーは『The Magician』や『Ned Kelly』などでビジュアルエフェクト分野でキャリアを積み重ねてきた。現在は2016年公開を目指し、20世紀フォックスで『The Greatest Showman on Earth(地上最大のショウ)』の監督を務めている。『NARUTO -ナルト-』は、これに続く大抜擢となる。
製作にあたっては、プロデュースをアラド・プロダクションのアビ・アラド、その息子のアリ・アラドが務める。さらにエリック・フェイグ、ジェフ・シェベス、ケリー・オマリーがプロデュースに加わる。
『NARUTO -ナルト-』は、岸本斉史が1999年より「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載してきた冒険アクションマンガだ。2014年秋に15年に亘る連載が完結し話題を呼んだ。現在は主人公ナルトの子どもたちの世代を描いた劇場アニメ『BORUTO ボルト -NARUTO THE MOVIE-』の8月7日公開を控えている。
作品は国内だけでなく世界的に人気が高く、世界で最もヒットした日本のマンガのひとつとして知られる。2002年からはテレビアニメ化されているが、こちらも人気を博しており、世界各地の大手テレビ局で放送されてきた。それだけにもし実写化となれば、大きな話題を呼ぶことは間違いないだろう。
日本作品の実写化企画となれば、ファンにとっては、企画の実現性とどうしたかたちの映画になるのかが気になるところだ。ビジネスの参加者からその一端も予想できそうだ。
製作のライオンズゲートは1997年に設立されたハリウッドでは比較的若い会社である。「ハンガーゲーム」シリーズの大ヒットで急成長している。2012年にはやはり「トワイライトサーガ」シリーズで急成長するサミット・エンタテインメントを買収し、映画界の一大勢力となっている。現在は劇場版『パワーレンジャー』の製作も伝えられている。若者向けの作品を得意とすることから、『NARUTO -ナルト-』は同社のカラーに合った作品と言える。
またプロデュースに参加するアヴィ・アラドは、『スパイダーマン』などで知られるハリウッドの大物プロデューサーである。日本のコンテンツに関心が深く、2017年3月には、同氏がプロデュースする実写版『Ghost in the Shell』の米国公開が決まっている。
さらにマンガを刊行する集英社は、桜坂洋の小説『All You Need Is Kill』の実写映画の全米公開を実現させている。複数のマンガ作品の海外実写化企画を進めていると伝えられ、海外での実写企画には積極的だ。
数は多いが実際に実現する作品はわずかとされる米国での実写映画企画。そのなかで大型タイトルの『NARUTO -ナルト-』の今後の展開が注目となりそうだ。
[アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載記事]
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