Photonネットワークエンジンはゲーム向けにリアルタイム通信を行うためのサーバシステムと、クライアントフレームワークを提供するエンジンです。開発元は独ハンブルクのExitGamesで、自社開発のブラウザゴルフゲーム『World Golf Tour』をベースにエンジンの開発が行われました。Unityやcocos-2dxといったゲームエンジンから、iOS、Androidといったプラットフォームにまで幅広くSDKを提供しています。
ひらたくいえば「オンラインゲームを手軽に作るためのミドルウェア」と捉えれば良いでしょう。価格体系も柔軟で、小規模なオンラインゲームなら無料で使用できます。
これまでPhotonネットワークエンジンには、GMOクラウドが提供するクラウドサーバとセットになった「Photon Cloud」と、利用者が自分でサーバを立てて、ミドルウェア的に使用できる「Photon SERVER」の二種類が存在しました。講演ではこれが新たに「Photon Realtime」「Photon UNITY NETWORKING」「Photon TURNBASED」「Photon CHAT」「Photon SERVER」の5種類にラインアップされることが公表されました。
なお、このうち「Photon Realtime」は従来の「Photon Cloud」と同じで、「Photon SERVER」も継続商品となります。また「Photon UNITY NETWORKING」はUnity向けのクラウド型リアルタイム通信サービスで、中身は「Photon Cloud」と同じですので、実質的に新しく加わったのは「Photon TURNBASED」「Photon CHAT」の2種類となります。
「Photon TURNBASED」はボードゲームやカードゲームなど、ターンベースのゲームにあわせたクラウド型サービスです。「Photon Realtime」の全機能に加えて、新たに「クラウドセーブ」「Webhooks」「WebRpc」が加わりました。
クラウドセーブはルームのプロパティを一時的にセーブできる機能です。ターンベースのゲームは一般的に時間がかかるものが多く、モバイル環境では回線が途切れる危険性があります。クラウドセーブを使えば、一時的に切断されてもルームに復帰することができるのです。全員の回線が中断されても、設定した時間まではルームの状態を保存しておくことができます。
Webhooksはイベントが発生した時、WebRpcはプログラムで任意に指定したタイミングでウェブサービスを呼び出して、外部と連携できる機能です。Webhooksを使用すると、マッチメイキングのカスタマイズやイベントの制御など、これまで「Photon SERVER」を使用し、自社でサーバを立ててカスタマイズする必要があった仕様でも、クラウド型サービスだけで実現できるようになります。
一方WebRpcではクライアントプログラム側から指定したメソッドをウェブサーバ経由で呼び出せる機能です。ガチャやNPCの制御、ポイント管理などでの活用が考えられます。これも従来はクライアントからPhotonとは別のサーバシステムに通信させる必要がありましたが、これからはPhotonと通信するだけで対応可能になります。クライアントのネットワーク実装がより簡単になることが期待されます。
「Photon CHAT」はチャット機能に特化したクラウド型サービスです。1ルームで1000人から2000人のチャットを実装することができます。チャネルの概念があり、ギルドチャットやプライベートチャットなども可能です。メッセージをサーバ側でバッファしておき、後から参照したり、特定のプレイヤーに再送することもできます。チャットに特化しているため、低価格で使うことができ、Photonの他のサービスと併用することもできます。
「Photon TURNBASED」と「Photon CHAT」は現在、パブリックベータが公開中で、正式版も間もなく公開される見込みです。また「Photon SERVER」もバージョンアップが予定されており、HTTPのサポートやプラグイン形式でのカスタマイズが可能になるとのこと。中でも「Photon CHAT」はシンプルな機能で、既存ゲームへの追加も容易なので、ぜひ試してみて欲しいとアピールしていました。
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