スポーツドライブロガーは、トヨタのFRスポーツ『86』に装着することでサーキットで採取した走行データをUSBメモリーに転送できる装置。対応する第一弾アプリケーション『グランツーリスモ6』では、実際の走行データに基づいた走行シーンをゲーム画面上に再現することができる。
体験会は、関谷正徳氏、影山正彦氏、井口卓人選手、蒲生尚弥選手を講師に迎えた「GAZOO Racing スポーツドライビングレッスン」と合わせて開催され、プロドライバーによる講習会ののち、実際に、スポーツドライブロガーを装着したトヨタ『86』でサーキット走行を体験した。
筆者は、この日のためにグランツーリスモ6を使って秘密特訓を実施、ゲームの中でクラッシュしない程度に走り込んできた。この練習の成果が実際のサーキットでどれだけ反映されるのか、興味深いところだ。
まずは、ヘルメットとグローブを装着、いざ86のシートに座ってステアリング握るとやはり緊張してしまう。サーキットコースに出ると頭は真っ白、体に伝わる振動やゲームとは違うスピード感で、ゲームのようにはアクセルを踏み込めないし、ビビってブレーキを早く踏んでしまい、思うようには走れない。
スポーツドライブロガーで転送される情報は、GPS信号、アクセルペダルストローク、ステアリング舵角、ブレーキ操作信号、シフト操作信号、エンジン回転数、車速などの走行データが含まれている。筆者が走行したデータをGT6上で再現すると、アクセルの開度やブレーキの踏力がグラフや数字となって表示され、ドライバーのビビリ具合が一目瞭然で解ってしまった。
サーキット走行後、プロドライバーの運転による同乗走行も体験してみたが、やはり体にかかる横Gや減速Gの具合が全然違う、ブレーキをしっかり踏めていないことと、コーナリングでタイヤに荷重を載せきれていないことを実感することができた。
この体験会では、プロドライバーの走行データと自分の走行データを入力して比較することで、サーキットでのライン取り、ブレーキやアクセルの踏み込みタイミングといった運転テクニックをゲーム上で学習する試みも実施。さらに、再現された走行データとゲーム上で対戦することも可能であった。
それならばと、今度は会場に用意されたグランツーリスモ6の試遊機でプロレーサー蒲生尚弥選手の走行データと対決してみた。蒲生選手が実車のタイムは2分8秒781、記者がGT6でたたき出したベストタイムが2分9秒926と、その差は1秒148に迫った。事前の練習が少し役にたったようだ。
現実世界でのクラッシュは代償が大きい。タイムアップを目指して走りを変えたい時にはまずゲームの中で試して、現実世界に反映、どれだけ反映できたのかをグランツーリスモで確認するというローテーションはリスクを減らすのに役立ちそうだ。
スポーツドライブロガーと86の組み合わせは、ゲームの世界と現実の世界を行ったり来たりしてドライビングテクニックを鍛えるのにいいアイテムとなりそうと感じた。
現時点、スポーツドライブロガーが使える対応可能サーキットは、富士スピードウェイのレーシングコースのほか、筑波サーキットのコース2000、鈴鹿サーキットの国際レーシングコース、今後順次拡大する予定。価格は9万1800円(税込み)の予定。
ゲームで鍛えたドライビングテクニックが実車で通用するか?…スポーツドライブロガーで一目瞭然
《椿山和雄@レスポンス》編集部おすすめの記事
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