セミナーは9月7日と8日に同じく、みやこめっせにて開催される京都国際マンガ・アニメフェア2013の一環である。ファン向けのイベントと並列するかたちでアニメ産業の振興を目指したビジネスイベントとして企画されている。
「『ONE PIECE』の海外ビジネスモデル」で登壇したのは、東映アニメーション取締役兼テレビ企画部長の清水慎治さんである。東映アニメーションは、近年、人気作品の二次展開ビジネスを積極的に手掛けている。
演題は海外とされたが、講演はまず国内市場から語られた。まずアニメの平均視聴率である。『ワンピース』は、『サザエさん』が17.8%、『ちびまるこちゃん』が11.1%に続く8.5%と3位で健闘している。『サザエさん』や『ちびまるこちゃん』が30分枠の独立した複数話で構成されているのに対して、『ワンピース』がスト-リーが連続すること、マンガが連載中である。そうした点では、視聴率はかなり高い。
また、『ワンピース』の関連グッズを含めた2012年度の市場規模は約1000億円と話す。マーケットの特徴は、例えばジグソーパズルが100万セット以上など、ハイターゲットでも受けている。一方で、アニメを通して子供のファン層がまた広がっていることも巨大市場の理由だ。
一方で、一時期、劇場版の興行収入が伸び悩んでいたことにも触れた。この時は、子供が好きなのはアクションとギャグだろうと、マーケティングの通りにやってみた。
これがダメだった経験から、子供に媚びるのはやめよう、自分たちの好きなことをやろう、ジャンプのファンに向けて作ろうと考えた。そして、ヒットすれば関心を持ってくる。これらの信念のもとで映画の製作をしたことが奏功した。
海外展開でも、2004年から2005年に北米地上波で放送したことが経験となった。143話を104話に編集、ワンピースの魅力であるタバコや戦闘表現を変更と、対象年齢を下げた北米向けのローカライズがうまくいかなかった。
現在はローカライズだけでなくボーダレスにも対応することが必要だと説く。ボーダレスは、国内でのアニメの放送・配信と海外とでタイムラグを出さないことなどを挙げた。こちらでも、先の考えに基いた戦略が練られている。
[真狩祐志]
京都国際マンガ・アニメフェア2013
http://www.kyomaf.jp/
「ワンピース」の海外ビジネスモデル ローカライズ戦略とボーダレス戦略の相乗効果
《animeanime》編集部おすすめの記事
特集
その他 アクセスランキング
-
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」40周年記念!宮下あきら(魁!!男塾)、桂正和(I”s)ら伝説級作家10名によるスペシャルイラストが超豪華
-
『真・女神転生V』“美人&美少女”悪魔のオンパレード! お預け小悪魔からチラ見せ美女までお届け【フォトレポ】
-
『イナズマイレブン』「キャラクター人気投票」結果発表―数々のランキングで頂点に輝いた「五条勝」が1位に!
-
『FE 風花雪月』最推しコンビorカップリング投票結果発表─第3位の“ヒルマリ”を制した第2位、第1位は…!
-
【コスプレ】総SNSフォロワー950万超え!異次元の美貌と表現力で感動を与える中国美女レイヤー・小柔SeeU【写真18枚】
-
最も人気の高い『ペルソナ』ナンバリングはこれだ! 上位3作が約3%差の熾烈な争い─派生作もジャンル別で激突【アンケ結果発表】
-
野沢雅子&内村航平&ベガ&FUWAMOCOによる「にんげんっていいな」替え歌がカオスすぎる! マクドナルド「チキチキンっていいな」が話題に
-
『原神』あのキービジュアルや記念イラストがデスクトップ用壁紙に! 全12種類が無料配布中
-
2020年にも脈打つ“ゲームブック”の息吹─「ドルアーガの塔」三部作や「送り雛」などの名作は今も現役! 平成最後の一年に珠玉の作品が登場【電子書籍編】
-
『モンハン』以外の“狩りゲー”も面白い!『ワイルズ』発売前だけど現行機で遊べるハンティングアクションシリーズをまとめてみた







