米国の大手ゲーム情報サイト「IGN」もThe Japan Timesの記事を引用し次のように伝えています。
Based on the report, Nintendo has allegedly offered up some type of "conversion software" to app developers, encouraging publishing of mobile games on the Wii U. More than likely, Nintendo is providing developers with an easier way to port mobile games from platforms like iOS and Android.
レポートによれば、任天堂はある種の「コンバートソフト」をアプリデベロッパーに提供し、Wii U向けに彼らのモバイルゲーム提供を奨励するとのこと。最も有りそうなのは、iOSやAndroidから移植するためのソフトを提供するということです。
(IGN Wii U 2013/5/6)
しかし、ここに辿り着くまでには海を超えたソースロンダリングがあり、元の記事は先日のGDCで発表された「Nintendo Web Framework」や「Unity for Wii U」を指すものではないかと考えられます。
IGNの一歩前のThe Japan Timesは次のように伝えています。
The game console and software maker has offered professional-use conversion software to application developers so they can produce smartphone games that can be played on Wii U
任天堂はWii U向けにデベロッパーがスマートフォンゲームを変換できる業務用ソフトを提供しています。
(The Japan Times 2013/5/6)
ただし、これは共同通信発の英文記事。日本語では以下のように伝えられています。
任天堂がスマートフォン（多機能携帯電話）向けソフトを自社のゲーム機で遊べるようにするなどし、業績のＶ字回復を目指していることが４日、分かった。ソフト開発会社に業務用の変換ソフトを提供、勢いのあるスマホのゲームを取り込む。
共同通信 2013/5/4
「Nintendo Web Framework」は、HTML5とJavaScriptをWii U上で動作させるためのフレームワーク。スマートフォン向けのソーシャルゲーム(ネイティブではなく、ブラウザ)は基本的にはこの2つの技術の組み合わせであるため、そうしたゲームの移植が容易になると考えられます。また、任天堂はゲームだけでなく、一般的なウェブサービスの取り込みにも繋がるという考えのようです。
また「Unity」はiOSやAndroid向けの本格ゲームで多数の採用がされているゲームエンジンで、Wii Uに対応することで、iOSやAndroidに向けて開発していたゲームを簡単にWii U向けにも吐き出すことができるようになります。
任天堂は今年3月のGDCでこの2つの取り組みを発表し、デベロッパー支援の拡充を強調しました。一連の報道もこれをなぞったものと考えられ、IGNが書いたようなiOSやAndroidのバイナリを直接変換するようなコンバートソフトの提供は無いものと思われます。このニュースのキモは「スマートフォンゲームの取り込みを業績回復の一つの柱」と任天堂が捉えている、ということのように思えます。
