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【台北国際ゲームショウ 2013】『The Last of Us』に影響を与えたのは『ICO』・・・Naughty Dogスタッフが語る魅力とその内容とは

Sony Computer Entertainment Taiwanが主催したメディアセッションで、全世界待望のNaughty Dog最新作『The Last of Us』の最新情報が公開されました。セッション後のインタビューでは本作の魅力や物語、まだ明かされていない秘密を直接伺うことができました。

ソニー PS3
非常に気さくに写真撮影に応じてくれたEric Monacelli氏。
  • 非常に気さくに写真撮影に応じてくれたEric Monacelli氏。
  • Eric Monacelli氏
  • Eric Monacelli氏
  • Eric Monacelli氏
台北国際ゲームショウ開催中にSony Computer Entertainment Taiwanが主催したメディアセッションで、全世界待望のNaughty Dog最新作『The Last of Us』の最新情報が公開されました。セッション後のインタビューでは本作の魅力や物語、まだ明かされていない秘密を直接伺うことができました。

インタビューを行ったのはNaughty Dogでコミュニティ戦略を担当するEric Monacelli氏。まだまだ、明かせない情報も多いようですが、本作についてたっぷりと語ってもらうことができました。最新情報はこちらの記事で紹介していますので、参考にして下さい

―――ジョエルとエリーが2人で冒険するという設定のインスピレーションはどこからきたのでしょうか
2つあって、1つは「ザ・ロード」※という映画ですね。もう1つは『ICO』です。『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』でも「テンジン」というキャラクターと一緒に行動することができましたが、彼は会話が出来ませんでした。なので、今までとは違う体験ができると思います。
※本作に多大な影響を与えた「ノーカントリー」のコーマック・マッカーシー監督作品。

―――やはり本作は戦闘がメインとなるのでしょうか
確かに戦闘が多いと思ってプレイすればそう感じることはあると思います。ただ、戦うだけではなく、逃げたり隠れたりという部分も大きくフォーカスされていますし、何より彼らは感染した「人間」です。単なるゾンビゲームではありません。「感染者」であると同時に「人間」としての気持ちも持っており、そこに葛藤などもあります。ただ単純に倒していくだけのゲームにはなっていません。

―――ストーリーについて、もう少し詳しく教えて下さい
もちろん、詳しく知りたいとは思うのですが、ミステリーの部分も残しておいた方が楽しみがあっていいいと思うので、多くはお話ししません。今回ハンズオンで公開したシーンは物語の序盤で、ジョエルとそのパートナーであるテスが、エリーを隔離地域から連れ出すという場面です。「ファイアーフライズ」(Fireflies)というグループと合流させるために連れ出したのですが、その目的については、まだお話できません。

―――ストーリーを進めると、ジョエルを以外のキャラを操作することもあるのでしょうか
ストーリーは、常にジョエルとエリーの2人が登場し、他のキャラクターも同行することがあります。ただ、プレーヤーが操作するのは常にジョエルのみとなります。エリーを操作することはありませんが、インフェクテッドとの交戦中は、ジョエルをサポートしてくれます。

―――試遊版に登場したキャラクター以外にも、インフェクテッドでない人間は登場するのですか
今回はジョエル、エリー、テスの3名が登場しましたが、その他にも仲間として同行する人物や、コンフリクト(=対立)するキャラクターが出てきます。

―――ハンズオンではインフェクテッドとの戦闘がフォーカスされていましたが、「感染していない人間」とも戦闘することになるのでしょうか
ジョエル達は西海岸から東海岸へとアメリカ横断の旅をするわけですが、道中にはインフェクテッドが多い地域や、感染していない人間がコミュニティを形成している地域もあります。そうした地域のそれぞれで戦いが起こることになります。無政府状態のため、人間が形成しているコミュニティも様々です。

―――今回登場した2種類以外のインフェクテッドも登場しますか?
「クリッカー」と「ランナー」は同じ菌の感染者なんですが、ステージ(段階)が違うんです。基本的には感染してからの経過時間でステージが上がっていきます。クリッカーより上のステージのインフェクテッドも登場しますし、彼らはまた異なる特徴を有しています。後は、「感染していない人間」にも様々な特徴があり、それは所属するグループによって異なるものになっています。

―――本作ではトラックなどの「乗り物」に乗る機会はあるのでしょうか
未定です。現時点で、「これは確実に乗ることができます」と断言できる乗り物はありません。ストーリーの演出上、カットシーンで何かしらの乗り物に乗ることはあるかもしれません。

―――試遊したところ、「クリッカー」を倒すのに苦戦しました
確かにクリッカーは強力で、そこのAIは現在調整中です。倒すコツをあげるとすれば、クリッカーは目が見えないので、そこをついて様々な作戦を駆使していくことですね。

―――銃を使った攻撃では部位によって与えるダメージが違うのでしょうか
はい。やはりヘッドショットが1番高いダメージを与えることができます。

―――インフェクテッドの背後から近づくと一撃で倒すことが出来ますが、そのメリットは
メリットは2つあります。まず1つは「音を立てずに倒せる」ということです。特にクリッカーは非常に音に敏感な上に強力ですので、それに気付かれずに殺せるというのは大きなメリットです。そして、2つ目は「物を使わずに倒せる」ということです。どのような攻撃アイテムにも耐久値が設定されてますし、銃弾も含めその数が非常に少ない。そうしたアイテムを節約することができます。

―――難易度はいくつかに分けられるのでしょうか
はい。難易度はいくつかに分けるつもりです。難易度で大きく変わるのは、「アイテムの出現頻度」そして「敵のAI」ですね。AIの調整については、ゲームバランスを崩さないように慎重に調整しています。ただ、クリッカーに襲われた際、確実にゲームオーバーになるという点についてはどの難易度でも統一する予定です。

―――インフェクテッドには「人間に戻りたい」といった欲望や願望はあるのか
いえ、彼らは半ばジャンキーのようになってしまっていて、インフェクテッドのままでありたいとすら思っています。

―――では、「人間」としての知能は持ち合わせているのですね
はい。ただそれは、あくまで「感染した人間」としての知能で、感染していなかった頃のそれとは異なります。

―――マルチプレイは導入されますか
はい。搭載予定です。ただ、現時点ではどのような形になるかは決まっていません。

―――PS Moveに対応すると聞きました
いえ。Moveコントローラーには対応していませんよ。

―――体験版を出されるのですよね
はい。『God of War: Ascension』を購入すれば体験版をプレイできます。ただ、『God of War: Ascension』の発売日当日から遊べるようにはならないでしょう。

―――アクションについてのこだわりを教えて下さい
本作でもアクションには非常に力を入れています。攻撃的なプレイスタイル、守備的なプレイスタイルのどちらを好む人も楽しめるようなシステムにしました。もちろんNaughty Dogのタイトルとして、シネマティックな表現にも大変力をいれて開発しました。

―――試遊した歳にエリーは武器を持っていませんでしたが、イメージイラストでは武器を手にしていますよね
そうですね。E3の時に公開した映像でも武器を手にしていたと思いますが、物語の中で彼女はドンドン成長していきます。序盤は控えめで、後ろに隠れていることが多いですが、徐々に戦い方も覚えて、積極的に戦闘に参加したり、武器を使いこなしたりするようになっていきます。

―――ジョエルはエリーを常に守るような行動は取らないということでしょうか
この2人の関係性というのは、まさに『The Last of Us』の根幹にも関わる部分ですので、詳しくはお話しできません。今回公開しているのは序盤ですので、今後の関係の変化に注目していてください。

―――試遊の際に、同行者がいなくなるような印象を持ちましたが、彼らとの関係を強く感じるような演出はあるのでしょうか
エリーが死んでしまうと、ジョエルの死亡と同じくゲームオーバーになります。2人で生き残ることが本作の目的でもあるのでもちろん彼女を守らないといけないといけない。ただ、一方で彼女自身も独立心をもっており、ジョエルに依存しきりではないので、そうしたバランスは丁寧に描いています。

―――プレゼンでも「キャラクタードリブンのストーリー」だとされていました。ただ、それが強くなりすぎると、プレイヤーの介入余地が狭まって、ゲームを「プレイさせられている」ような印象をうける可能性もあると思います。その点についてはどのような工夫をされたのでしょうか
本作では「ストーリー性」を強く打ち出しているので、ストーリーだけをなぞればそうした印象を受けるかもしれません。ただ、冒険の要素も強くしていますし、戦闘でも、それぞれのプレイスタイルにあわせてプレイできます。ストーリーはNaughty Dogが見せたいものを楽しんでもらう、戦闘や冒険でプレイヤー自身が楽しんでもらう、そういった形になっています。

ここまでストーリー性を強く打ち出しているのは、プレイヤーにキャラクターを大事にしてほしいからです。キャラクターに対して「死なないでほしい」、「生き残ってほしい」といった感情を強く持ってもらえればと思います。ゲームオーバーになった時には「あーあ、ゲームオーバーだ」と思うのではなく、「大事な人が死んでしまった・・・」と悲しい気持ちになってくれれば嬉しいです(笑)。

『The Last of Us』は2013年5月発売予定です。
《宮崎 紘輔》

タンクトップおじさん 宮崎 紘輔

Game*Spark、インサイドを運営するイードのゲームメディア及びアニメメディアの事業責任者でもあるただのニンゲン。 日本の新卒一括採用システムに反旗を翻すべく、一日18時間くらいゲームをしてアニメを見るというささやかな抵抗を6年続けていたが、親には勘当されそうになるし、バイト先の社長は逮捕されるしでインサイド編集部に無気力バイトとして転がり込む。 偶然も重なって2017年にゲームメディアの統括となり、ポジションが空位になっていたGame*Sparkの編集長的ポジションに就くも、ちょっとしたハプニングもあって2022年7月をもって編集長の席を譲る。 夢はイードのゲームメディア群を日本のゲーム業界で一目置かれる存在にすること、ゲームやアニメを自分達で出すこと(ウィザードリィでちょっと実現)、日本武道館でライブすること、グラストンベリーのヘッドライナーになること……など。

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